MR.BIG / WHAT IF...

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オリジナル・メンバーによるスタジオ・アルバムという意味では96年1月にリリースされた「HEY MAN」以来、約15年ぶりとなる「復活アルバム」。

今年IRON MAIDENに93点、NEGATIVEに94点、RATTとISSAに95点、SLASHに96点、OZZY OSBOURNEに97点と、点数を「大盤振る舞い」したBURRN!の広瀬編集長が、「バンド史上の最高傑作」と断言し、「世紀の大傑作」「もしもデビュー時にこれほどの大傑作をリリースしていたら、ロックの歴史は変わっていただろう」などと歯の浮くような美辞麗句でもって絶賛、今年最高の98点を献上している。

個人ブログなどにおいてはこういう「マスコミ」へのアンチテーゼとして、こういう作品をこき下ろした方が「ウケる」のかもしれないけど、残念ながら普通に良いと思いました。バンド史上の最高傑作かどうかはともかく…。

とりあえず歌メロがいい。エリック・マーティン(Vo)がここしばらくJ-POPのカヴァー・アルバムを作り続けていた成果がフィードバックされたのかとさえ思うほど、全曲に渡って日本人好みのメロディを聴かせてくれる。

そして、かつて日本のバンド少年たちが一番注目していたポール・ギルバート(G)とビリー・シーン(B)のプレイに関しても、スリリングな弾きまくりを随所で聴くことができ、その点についても納得が行く人が多いのでは。

一方でロックの生命線であるリフが今ひとつ印象に残らない点については、全盛期からその傾向があったのでこれはもうこのバンドの限界ということで諦めるしかないのでしょう。

「To Be With You」の二番煎じみたいな曲が収録されていないのはきっと意識的にそうしたんでしょうね。
アコースティック・バラードが入っていたら誰もが「あ~、また柳の下のドジョウを狙ってるね」と思うもんね。よしんばそれが売れた所で幸せにならないことは身をもって体験しているわけだし(苦笑)。

楽曲の(主にメロディ的な意味での)平均点は高いが、個人的に一番気に入ったのはギター&ベースの高速ユニゾンとキャッチーなコーラスがコンパクトに共存している#10「Around The World」。この曲が一番「わかりやすい」のでは。

正直「Daddy, Brother, Lover, Little Boy」のようなソリッドでハード・ドライヴィンな曲も欲しかったが、今の彼らにそれを望むのはいいトシしたオッサンに「MEN'S KNUCKLE」に載っているような服を着てくれと頼むようなものなのでしょう。

とまあ、大筋で悪くないと思っている本作ですが、気に食わないのはサウンド。
なんか押しつけがましいというか、暑苦しいというか、演奏が前に出過ぎているような。

ビリーのベースの高音が強調され過ぎてやかましいのはこのバンドの必要悪なのかもしれませんが、ポールのギターの音も妙にラフな感じで…。
ここ最近の彼のアルバムは聴いていないのですが、今のポールはこういう音が「普通」なんですかね?

プロデュースを手掛けたケヴィン・シャーリーお得意の「生っぽい音作り」の結果なのかもしれませんが、何か逆に不自然な感じ。

てか、このケヴィン・シャーリーの手掛けたアルバムを聴いて音が良いと感じたのはせいぜいDREAM THEATERくらいで、あとはIRON MAIDENにせよ、AEROSMITHにせよ、JOURNEYにせよ、どれもイマイチな音作りだと思うのですが…仕事がしやすい人なんでしょうかね、この人気は。


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コメント

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自分はMR.BIG史上一番好きなアルバムだったし、ケヴィンの音作りもとても良かった。
まあどう捉えるかはその人間によって違うんで。

>ジンさん

私はやはり2nd、3rdの頃がリアルタイムだった世代で、彼らは「私のせーしゅん」(の一部)だっただけに、どうしてもその頃を「理想」としてしまいますね。

本文でも書きましたが、本作も基本的には良作だと思いますよ。
ケヴィンの音作りに対する評価はともかくとして…。

基本的に自分は最高傑作ではないと思いますが正直もっとひどい音を想像してましたので◎です。ど頭①、②、③のクオリティは素晴らしくて、Mr。BIG世代の私は聴いていてうれしくなります。しかし、アルバム全体の流れとして④、⑤の玄人受けな曲を連発してしまうため、すかされます(笑)⑦あたりから「これよこれ!要はサビなのよエリックさん!」といいたくなるような<わかっちゃってる>曲がたまらない。意見感想たくさんあると思いますが今のシーンでこれだけのカッコいいロックやれるのはあんまりいないと思います。

>マサさん

最高傑作ではないが良作というのは私も同意です。
私ももっと渋い音になるのではないかと予想していたので、楽器パートの派手さ、歌メロのキャッチーさは少々意外なほどでした。
日本人好みのロックだと思います。