FORGOTTEN TALES / ALL THE SINNERS

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「北米に本格的なメロディック・パワー・メタルを」というコンセプトの元に生まれたカナダはケベック州出身5人組のセカンド・アルバム。

前作はラストに組曲形式の大作を配していたが、本作ではいきなり冒頭から6部構成の大作(とはいえ各パートは独立した楽曲なので冗長ではない)で始まる。この辺りにも「前作とは違う作品を」という意欲が感じられるのは好ましい。

アルバム全体としても進歩の跡は確実に見てとれる。前作はやや一本調子だった楽曲に起伏がついて緩急を心得るようになり、9分に及ぶ大作#7「Three Wishes」も間延びせず一気に聴ける。

前作でも光っていたソニア・パインオールトの歌唱力の高さは本作でも際立っているが、全体的な演奏力も向上しており、インスト・ナンバーの#5「The Message」はそれを見せつける一曲と言えるだろう。

サウンド・プロダクションに関しては未だ軽いが、前作に比べると広がりと奥行きが感じられ、改善されていることは確か。

とまあ、基本的には成長を感じさせるアルバムに仕上がっているのだが、前作より満足度が大きく向上しているかというと意外とそうでもなく、むしろ音楽が技巧的になったことで彼らの持っていた清々しく溌剌とした伸びやかさといった美点が減退してしまったようにも感じられたり。

身も蓋もないことを言ってしまえば、その成長ぶりが「想定の範囲内」を超えなかったということなんでしょうね。前作は「初の北米からのメロスピ!」というインパクト補正もあっただけに、その辺は前作の脳内評価が少し甘くなっていた部分もあるかも。

Key奏者がハープシコード(チェンバロ)の音色を多用する所とか、結構私好みではあるので、決して悪くないんですけどね。

日本盤ボーナスとして1991年に書かれたという彼らの母国語であるフランス語の楽曲#11「Jeux D’enfants」と、CD-EXTRAで2002年4月9日に地元のクラブで行なったFORGOTTEN TALESとしての初ライヴの模様が3曲分収められている。

初ライヴとはいえ、それ以前からカヴァー・バンドとしてキャリアを積んでいただけあって、なかなか安定したライヴ・パフォーマンスです(ギターの弾く位置が高過ぎてちょっとカッコ悪いけど:笑)。

なお、重箱の隅をつつくようだが、日本盤ライナーおよびオビは#9「My Soul」と#10「Magic Fountain」の曲名が入れ替わって誤植されている。【80点】


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