BURRN!11年2月号の感想

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表紙はちょっと今さら感のあるマルムスティーン伯爵。

最近BURRN!の表紙を飾る方々の高齢化が進んでいるため、シワ隠しにライティング強めの写真が多いが、さすがにこれはちょっと不自然過ぎるのでは…ってくらい光を当てている(苦笑)。

で、その伯爵の巻頭インタビューですが、インタビュー自体は面白いです。この人は日本で言われるような意味での「コミュニケーション能力」が高いかどうかはともかくとして、自分および自分のやったことについて面白く話す才能がある。

私は彼の最新作を退屈だと感じましたが、このインタビューを読んで「もう一度聴いてみよう」と思いましたからね。
まあ、聴き直しても特に評価は変わりませんでしたが…(苦笑)。

ティム“リッパー”オーウェンズのVoについては気に入っていると言っていたものの、「今回彼とどういう作業をしたか」についてはやはり一切触れられていない。

一方でヨラン・エドマンはあらためてこき下ろされていてお気の毒。

新春恒例、「今年の展望」企画の「WHERE DO WE GO FROM HERE」。
2010年の来日アーティスト、主なニュース、リリースされた国内盤新譜の一覧が冒頭に付いたのはいいですね。

各編集部員の2011年の展望については、長い読者であれば「この編集者であればこのアーティストの名前を挙げるよね」って感じの内容が大半ですが、藤木記者からはどうやら「メロディ派の代表」から嬢(女子)メタルの代表」へと鞍替えしようという意図が感じられますね(笑)。

まあ、その方が今後しばらく仕事が増えそうだし、インタビューするにもメロハーやってるオッサンたちより女の子たちとおしゃべりする方が楽しいでしょうしね(笑)。

レコード会社のイチオシを見ると、今年も個人的には聴いてみたいアルバムが結構リリースされそう。
中でもSYMPHONY XとRIOTは相当楽しみだな。

残念ながらここでは名前を挙げられていなかったが、WORK OF ARTやECLIPSEといった北欧メロハーの期待株も今年新作のリリースがありそうなのでそれらも楽しみ。

しぶとく復活した「LAメタルの真実」は、実質11月にひそかに(?)来日公演を行なったLIZZY BORDENのインタビュー。
バンドの歴史をたどる、裏話(妄想っぽいものも多いが)満載のインタビュー自体はそれなりに興味深いが、なんかこの人はあの時代に成功しきれなかったことに対する未練たっぷりで、成仏できなそう(苦笑)。

モノクロのインタビューでは、GOLDEN RESURRCTIONのインタビューで、自身がレーベル・オーナーでもあるクリスチャン・リレグレンが、今年REIN XEEDのアルバムが通常の新作と、ABBAやROXETTE、ACE OF BASEなどの北欧ポップスのカヴァー・アルバムの2枚出ることを明かしており、トミー・ヨハンソン(REIN XEED)は本当に働き者だなあ、と思いました。

そして先月行なわれたAVANTASIA来日公演関連の記事(インタビュー&ライヴ・レポ)にカラーで10ページが割かれているあたりには編集部一の古株、大野記者の底力を見ましたね(笑)。

このインタビューを読むと今後もマイケル・キスクとカイ・ハンセンのコラボレーションの可能性は充分ありそうで、そちらも楽しみ。

一方、スティーヴ・リー(GOTTHARD)の追悼特集がカラーで7ページというのは、ロニー・ジェイムズ・ディオの追悼特集がカラー3ページ、モノクロ9ページだったことを思えば、かなり頑張った感じですね。

同時期にメジャー・タイトルのリリースがなかった関係で久々にクロス・レビューのトップになったSTRATOVARIUSのインタビューに関しては、まだアルバム全部を聴いていないので、インタビューで語られていることが妥当かどうか判断しかねますが、とりあえず写真がカッコいいですね。小ティモが着ているシャツもオシャレ。

NELSONのネルソン兄弟のインタビューも意外と(?)興味深かった。セラフィノ・ペルジーノというイタリアのメロハー・マニアが半ば自分の趣味のためにやっていると思っていた「Frontiers Records」が世界でトップのインディペンデント・レーベルになろうと決め、最初にBON JOVIと契約した人物を雇ってアメリカ支部を作った、なんて話は特に。

個人的に2nd以降のカントリー・ロック路線はちょっと退屈で、2nd以降彼らの音楽からは遠ざかっていましたが、インタビューを読むと、新作は名盤「AFTER THE RAIN」(1991)の流れをくむ作品になっているようで、ちょっと聴いてみたくなりました。ネルソン兄弟は育ちがいいからか、インタビューから伝わってくる人柄もいいですね。

HR/HM業界で一番計画的に創作活動を行なっている人間と思われる瞬火(陰陽座)のインタビューも相変わらず仕事に対するヴィジョンの明確さ、と自らに課す「基準」の高さ、そしてそれがデビュー以前から一貫していたことに感心させられる。

橘高文彦(筋肉少女帯, X.Y.Z.→A)のデビュー以来の歴史をたどるインタビューも興味深い。大槻ケンヂが「俺にとってのオジー・オズボーン」という認識には「なるほどなあ」と思ったし、彼のソロ・プロジェクトだったEUPHORIAが「今でいうヴィジュアル系バンドがやっているような音楽を、俺の様式美ギタリスト的なスタイルを駆使して生み出してみる」ことにチャレンジした「今で言うとVELSAILLESなんかに近い」邦楽を意識したHMアルバム、という話も納得。

そしてそのEUPHORIAでは「GACKTを次のシンガーにしようと考えてたけど、MALICE MIZERが“来てた”から邪魔しちゃいけねえな、と思ってやめた」という話も今だから言える(?)裏話。

Castle Of Pagan」の(インタビュー中では「BELLFASTのシンガー」と表現していたけど)Kohさんこと西野(幸一郎)氏との出会いや、当時はドラマーだったというKohさんと一緒に2年くらいRACER Xみたいなバンドをやっていた、なんて話も「へえー」って感じ。

というわけで個人的に今月号は読み所の多い充実した号でした。

なお、広瀬編集長、WHDの担当ディレクターである深民氏、ウドー音楽事務所の方がトライアングルでMR.BIGの新作「WHAT IF...」を激賞しているのは相変わらず失笑を禁じ得ませんが、さすがに「MR.BIGが世界を変える! と言い切ってしまおう」とまで言われると、もはやネタ、あるいは「釣り」でやっているのではないかと思ってしまいますね(苦笑)。

◆発行元であるシンコー・ミュージックのWebサイト
http://www.shinko-music.co.jp/main/ProductDetail.do?pid=2175011102
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RIOTは「THUNDERSTEEL」を超えてくれ!

新年早々、STRATOVARIUS、HIBRIA、MANIGANCE、POWER QUEST、MEAN STREAKで破産しそうです(笑)
加えて、SODOM、DESTRUCTION、ARTILLERY、ONSLAUGHTとスラッシャーの肩書きも仇に・・・。
そんな中気になったのが安江正也氏のコラム「Life Is Symphony」で、ヘヴィ・メタル・ファンとクラシック・ファンは性質が非常に良く似ているというようなことが書かれています。
私も前々からこの両者が似ていると思っていたので、なるほどな、と妙に納得してしまいました。「劇的で舞台的なものを好む」だそうです。
私も親の影響でクラシック音楽が好きです。

そんな話もあったのね…

表紙の写真は先日行ったCD屋でも彼の新譜だけで1コーナー設けられていて、そこに「いつの写真やねん!」とツッコミたくなるようなテカテカの彼の写真があったので、見て苦笑してしまいました。

普段雑誌は買わない人間が今回はSteveの追悼記事だけを目当てに買ったので、「HR/HM誌ってこんな感じなんや~」と初めてファッション誌を買った中学生のようにしげしげと眺めておりましたが、音楽に興味を持ち始めるきっかけ(今でもファンですが)だったGACKTの名前が出てきたのだけが意味もなく印象的でした。西城英樹トリビュートで共演したのは知ってましたが交流があったんでしょうかね。

あ、先日はブログをご覧いただいたそうで、ありがとうございます。こちらのadore様のレビューも拝見しましたが、自分も今が80年代で彼らがアメリカのバンドなら結構売れていたような気がします(時代のことはHR/HM全体に言えるんでしょうが)。

表紙カッコイイ

と私は思いました。

Albumにはまだ食指は動きませんがね(笑)。

それとSTRATOVARIUSの新Albumのジャケットは素晴らしい。

喜国先生の言う通り、YNGWIEはジャケットにも気を配るべきです。

私的にヨラン・エドマンのBest TakeはECLIPCEでもFIRE AND ICEでもなく、ジョン・ノーラムの1stだと思います。

流石にマディソンは曲も音質も悪いですし(笑)。

>学生メタラーさん

パワー・メタルとスラッシュ・メタルを両方追いかけていたら確かに破産しますよね(笑)。近年どちらも充実しているので。

安江氏の書いていることはだいぶ前にネット上で話題になっていたものですね。
http://www.afpbb.com/article/entertainment/music/2514834/3305443

個人的にメタル・ファンの中でも「様式美を求める層」と「ロックを求める層」と「過激な音を求める層」では気質が異なると思っていますが、「様式美を求める層」についてはクラシック・ファンと気質が似ているかもしれませんね。

しかし、ご両親がクラシック好きというあたりにも学生メタラーさんのお育ちが良さそうな雰囲気が感じられますね(笑)。

>けー坊さん

BURRN!をこれまで買ったことがない人がこのブログ(サイト)を見ていたとは個人的にはビックリです(笑)。

BURRN!を読んでいなかったら普通GOTTHARDのようなバンドには興味を持たないのでは?

西条秀樹トリビュートの「傷だらけのローラ」はハマってましたね。
親交は続いているとのことなので、ぜひまた何か一緒にやってもらいたいものです。

>ゆうていさん

STRATOVARIUSは「VISIONS」以降ジャケは常に美麗ですね。今回は前作とのつながりを感じて、イマジネーションを刺激されますね。

イングヴェイのジャケは、本人が写っている分にはあれでいいと思っています。
おっしゃる通り、イングヴェイはカッコいいですからね(笑)。
「TRILOGY」や「WAR TO END ALL WARS」のようなイラストのものはひどいですが…。

ジョン・ノーラムの「Eternal Flame」や「Love Is Meant to Last Forever」、確かに素晴らしいですねー。
ただ、彼の本領が一番発揮されているのはCROSSFADEの「WHITE ON BLUE」ではないかという気がしています。

KIUASとARTHEMISは輸入盤で、ついでにIRONFIRE買うの忘れてた

全盛期を知る者としては、勿論伯爵もいいのですが、ただBの表紙は2回に一度は若手有望株へシフトチェンジしてもいいのかな(売り上げの問題もわかるんですけどね、90年代の雑誌かと)
STRATOVARIUSの新譜は相変わらず装いが豪華(カードイラストも綺麗!!)。
ポラリスの時もそうでしたが、同じデジパックでもここまで力が入っているCDも珍しいですね(昨年のガンマレイの「To the Metal」はデジパックですらry)
個人的に彼らにはプログレスはあまり必要ないと思います。
一聴してVISIONSに迫ったかといわれれば、そうでもない。
しかし改めて聴き直すと、全体通じて良い作品であると思いました。
1~3曲目までは今のストラトヴァリウスでしか作れない曲だし。
8曲目、10曲目が良かったけど、昔の曲調意識しすぎかな。
LIVEとはいえ13曲目のあの曲を新アルバムに入れるのは、、、僕らの世代ではすべてあれにもっていかれるよ。
キスクとハンセンのインタビューにやはり食いついてしまった、、、
これじゃ御大の表紙のことを云々言えない(笑)。

>フィンさん

表紙については、若手に有望株がいない、というのがB!編集部の認識なんでしょうね。

カイとミッヒのインタビューには食いついてしまいますよね。
あのマジックが再現される日が来るのか、という夢を見てしまいます。

STRATOVARIUSはイラストレーターの仕事が素晴らしいですね。
イングヴェイに紹介してあげたいです(笑)。

イングヴェイの音楽にこういう絵は合わないでしょうけど。

やはり伯爵のインタヴューは素敵です。面白い。
ARCH ENEMYや OPETH がレコーディングに入ったり、HIBRIA の新譜やTAIAのミニアルバムなど色々目を引くニュースもありましたが、中でも CHURCH OF MISERY 復活が本当にうれしいです。現時点で国内最高のバンドかもしれない。
流石に、このインターネットの時代になると、情報が遅いな、と思うこともありますが(笑)それでも新譜の情報やインタヴューを紙の本として一冊に纏ってくれる Burrn!は何だかんだでありがたい存在です。

>ノームさん

イングヴェイのインタビューは毎度面白いですよね。
特にユーモアやウイットに富んでいるわけでもないのに不思議です。

BURRN!のニュースは、普段ネットでメタル関係の情報をチェックしないライトなメタルファン、あるいはアナログな人にとってはまだ意味があるんでしょうね。

それよりもネットだと自分が積極的に興味を持つアーティストの情報しか触れませんが、B!のように網羅的に情報を載せている媒体があるからこそ興味が広がるし、知識も深まるということが重要ですよね。

お久しぶりです!

久しぶりにお邪魔してみました。

イングヴェイネタだったので面白く拝読しました。
ファンではない人からの視点が分かって「こういう見方もあるのか」
と改めて感心。
adoreさんの記事ってファンの人からするとムッとする部分は
あるんですが、けなしはしても冷静に一歩引いた場所からの視点
で書かれているので単なる「嫌いな人の悪口」に終わってない
ところが凄いなと思います。相変わらずの文才にには感服するのはもちろんですが・・・。

>レブさん

お久しぶりです。
やっぱりムッとさせてますか(笑)。すみません。

ただ、私は嫌いなもの、興味のないものにははじめから言及しないので、「けなしている」という風に受け止められる文章にも「もっと良くなってほしい」という思い(あえて言うなら愛?:笑)を込めているつもりです。

ましてや私はイングヴェイの音楽は大好きですからね。
「ALCHEMY」、いや、「ATTACK!」までは…。

批判も愛のうち!?

>やっぱりムッとさせてますか(笑)。すみません。

いえいえ全然構いませんよ~
冷静に分析されているので思わず「なるほど」と思わせ
られてしまいます。

私も王者のアルバムは「ATTACK!」までしか持ってません。
ジャケットはイラスト系の方が好みです。

>レブさん

ご理解いただけて幸いです(笑)。
イラスト系のジャケにするなら、もっと王者に相応しいエレガントな絵を描ける人を起用してもらいたいですね(笑)。

王者が好きだった

私もALBUMを買ったのは、ATTACK!まで。

あれは良いALBUMですよ。

私にとって音楽性もジャケットもECLIPSEこそ至高ですが、最近TRILOGYやMAGNUM OPUSが好きになりよく聴いています。

2枚とも若い頃は好みではなくて殆ど聴かなかったALBUMなのですが、嗜好は歳月と供に変わるものですね。

http://www.youtube.com/watch?v=U5nwv1FClAU

私にとってTRIROGYは楽曲ではなく、MARKの声とYNGWIEの技術を堪能するALBUMですな(笑)。


>ゆうていさん

「ATTACK!」は何気に結構イイですよね。今でもちょくちょく引っぱり出して聴いてます。

しかし「TRILOGY」はともかく、「MAGNUM OPUS」とは珍しいですね。あのアルバムはもう何年も聴いてないなぁ…。

ま、私の「FIRE & ICE」好きも珍しがられますけどね(笑)。