TURISAS / STAND UP AND FIGHT

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昨年、「FINLAND FEST」と「LOUD PARK 10」で2度に渡って来日し、それまでマニアの間のみで共有されていた熱狂が広くメタル・ファンに伝わったTURISAS。

本作はその「LOUD PARK 10」で披露された新曲「The March Of The Varangian Guard」を含む通算3作目のフル・アルバム。

ジャケットのアートワークやロゴデザインなんかもちょっと垢抜けたし、「STAND UP AND FIGHT」なんてタイトルもいかにも彼らのテーマである「バトル・メタル」って感じでキマってる。

日本盤にはライヴの人気曲である2007年のシングル「Rasputin」(70年代末のドイツのディスコ・グループ、BONEY Mのカヴァー)、そして彼らの代表曲にしてテーマ・ソング的存在である「Battle Metal」の2008年再録バージョンまで収録し、レコード会社の売る気もマンマンだ。

かつて彼らのデビュー時、私もそのインパクト全開のメンバー・ショットに衝撃を受け、さらにはCastle Of Paganでの大絶賛を見て期待に胸ふくらませてデビュー・アルバムを買ったクチである。

しかし実際聴いてみると、私には彼らの音楽はRPG系のゲーム音楽をメタル風にアレンジしたようなものにしか思えなかった。

いや、私はゲーム音楽にも好きなものはあるから、それは別にいいのだが、単純に曲がイマイチでアレンジもチープに思えた。これならもっと良いゲーム音楽がいくらでもある。

余談ながら、私はやはり一部マニアの間では評価が高く、今では現DRAGONFORCEのドラマーがいたバンドとして知られているであろうBAL-SAGOTHの音楽も全く同じような感覚でダメでした…。

とはいえ、彼らが目的ではなかったとはいえ昨年の2回の来日公演を目撃し、そのライヴはとても楽しかったので、本作はつい購入してしまった。

そしてあらためて彼らの音楽に向き合ってみると…。

うん、音楽としての質は上がってる。ゴージャスさを増したオーケストレーションがチープさを薄くしているし、彼らが自分で言っている「80年代テイスト」の盛り込みがキャッチーさの向上に貢献し、全体的にメジャー感が出てきている。この出来なら母国フィンランドのチャートで5位にランクインしたというのも納得だ(?)。

アコーディオンなどの民俗楽器が控え目になり、フォークの要素が薄れていることはまあ好き好きだろう。個人的にそれほどフォークの要素にこだわりはないのでかまわない。

前作から続く歌詞テーマも東ローマ帝国(ビザンツ帝国)におけるヴァリャーギ傭兵団を元にした(と思われる)ストーリーで、個人的には西洋中世史では東ローマ帝国史が一番興味深いと思っている私のツボを見事に突いている。

ただなぁ…やっぱどうにも私の肌に合わないんです…なんていうか体育会系っぽい「ノリ」が。
正直私には応援団の音楽にしか聴こえない…。

#4なんてどこで運動会が始まったのかと思ってしまいましたよ…。
いや、実際ビザンツ帝国における二輪馬車のレースをテーマにしているらしいので、その印象はあながち間違ってもいないわけなのですが…。

特にウォーロードことマティアス・ニーゴルド(Vo)の歌唱が生理的に受け付けない。
フロントマンというか、アジテーターとしては優れた人だと思うけど…。

ただ、初回限定版に付属しているボーナスDVDには、メンバーが世を忍ぶ仮の姿で演奏するアコースティック・ジャム・セッションが収められており、そこで聴かれるリラックスした歌唱には特に嫌悪感を覚えなかったので、きっと私は彼がリキんで歌うときの独特な芝居がかった感じが苦手なんだな。

この芝居臭さが、どこまでマジでどこまでネタなのか計りかねる所も個人的には評価が難しい部分だったりするのですが。

まあ、ライヴが楽しいのは実体験済みだし、バンドとしての存在感にはスペシャルなものがあると思うので、またどこかのフェスとかで観る機会があれば、遠巻きで楽しませていただきたいと思います…。

◆TURISASのMySpace
http://www.myspace.com/turisasofficial


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コメント

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「運動会~」の部分、思わず笑ってしまいました。
確かに体育会系ですね。見た目も含めて。
続けて聞くのはできないけど、たま~に聞くなら楽しいかも、です。

体育会系(笑)

たしかに暑苦しい(笑)でもコルピもですが、こういうある種イロモノ的なバンドは嫌いじゃないかも。好んで聴きはしませんが。
新作は全体的にあっさりしてますね。徒競走みたいなインスト(?)とバトル・メタルの2008Ver.以外あまり印象に残らなかった。クピアイネンのゲスト・ソロも短過ぎて「えっ、何処?」って感じでした。

ジャケットと先月号のハンヌ<b>の好きなアルバムのセンスは良いと思います。

僕もこのバンドはあまり好きではないですね・・・

KORPIKLAANIやSWASHBUCKLEと違って、

「どこまでジョークでどこまでジョークでないのか分からない」

・・・という点に何だか違和感を感じます。

全くジョークを感じられないフォークメタルも苦手です(笑)

まとめてお返事

>ririxさん
そうですね、たまに聴くと楽しめる音楽かもしれません。
見た目は体育会系というよりイロモノ系のような気がしますが(笑)


>学生メタラーさん
洗練された分、従来の彼らの音楽のファンにとってはあっさり味に感じられるかもしれませんね。

たしかにマティアス・クピアイネンのゲスト・ソロはほとんど存在感ありませんでしたね…。


>まっつんさん
たぶんこのバンドは聖飢魔IIのように「普通にフォーク・メタルをやってもウケないから、こういういでたちでやろう」という一種の「コンセプト・バンド」なのだろうとは思うのですが(ジョークだけでやるにはそれなりに手間ヒマのかかった音楽なので)、単純に私の肌には合いませんでした…。