HOLY SAGGA / PLANETUDE (2002)

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前回のエントリーでレビューしたPASTOREの「THE PRICE FOR THE HUMAN SINS」に収録されていた「Horizons」というバラードでKeyをプレイしていたホセ・カルディロという人物が元HOLY SAGGAであると書いてあるのをライナーノーツで読み、ふとこのアルバムを所有していたことを思い出しました。

このHOLY SAGGAはブラジル・サンパウロ出身の5人組。94年の結成当時はSAGA、その後改名しSAGGAと名乗っていたが、カナダにSAGAというバンドが存在していたため、紛らわしいということで現在のバンド名に改名。アルバム・タイトルは「Planet(惑星)」と「Etude(練習曲)」を組み合わせた造語。

本作の「売り」のひとつは#3「Fight For Survival」に元ANGRA、当時SHAMANのアンドレ・マトスがゲスト参加していることだが、このバンドのシンガーであるマウリチオ・ケイロスもアンドレ・マトス似の柔らかなハイ・トーンの持ち主で、その実力はアンドレにおさおさ引けを取らないなかなかのもの(したがって#3ではあまり2人の区別がつかない:笑)。

基本的な音楽性はメロディック・パワー・メタルで、Voの声質、およびブラジル出身という先入観ゆえ、どうしてもANGRAのイメージが被って来るが、ANGRAほどクラシカルなエレメントは強くなく、ブラジルの民俗音楽的なアレンジも見られないため、よりストレートな印象。メンバーのフェイヴァリットだというDREAM THEATER由来のプログレッシヴ・メタル的な要素も随所に窺われるが、楽曲の勢いを削ぐほどのものではない。

時に伸びやかに、時に切なさも醸し出すメロディの充実はかなりのもので、STRATOVARIUSを思わせるインスト・ナンバーのタイトル曲#6が端的に示すように演奏力もかなり高く(特にDrはかなりのテクニシャン)、サシャ・ピートがミックスを手掛けたこともあってか、ブラジルのマイナーなインディー・レーベルからのリリースながら音質も悪くない。

Keyがかなりフィーチュアされているにもかかわらず、ギターもしっかり主張しているのがこの手のマイナー・バンドにしては珍しく、その点についても好印象。

スピード感のある曲が大勢を占める一方で、#7のようなアダルトなムードのある楽曲もものにするなど、デビュー作とは思えないスケール感と懐の深さを感じさせるのだが、やや小綺麗にまとまり過ぎている感もあってリリース当時(2002年12月)はそれほど強いインパクトを受けなかった。

しかし、今にして思うと、当時は空前のメロディック・パワー・メタル豊漁の時期だったため印象に残っていなかっただけで、本作のクオリティは本来(少なくとも2011年現在においては)埋もれるべきものではない。

本作をリリースするまでには契約獲得の難航、メンバー・チェンジなどの多難に見舞われレコーディングは15カ月(!)に及んだそうで、さらに前述の改名問題などもあって疲弊してしまったのか、本作リリース後バンドは解体してしまう(2008年にVo以外のメンバーを一新して復活したという話があったが、現状新作はリリースされていない)。【82点】

◆HOLY SAGGAのMySpace
http://www.myspace.com/holysagga


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コメント

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私も本作品を持っていますよ~
サウンドホリックからリリースされてますよね。帯にマトスのゲスト参加とサシャピートが関わっていると書いてあったから、メロパワ系ならまず失敗はないのではないかと思って中古ですが購入した記憶があります。で、今聞きなおしてみました。
#2『Searching For The Sun』がKeyが出てて、速さもあり、結構お気にだったりします。
でも、私的には、Holy Knights辺りとともに埋もれちゃってもイイかな~くらいの数ある凡作の1つという印象でした。まあ、「グッとくるツボが違うんだ」と言われれば、そこまでですが…豊漁期には、Rhapsodyの5th、Dark Moorの3rd、陰陽座のメジャー1st、個人的にはThy Majestieの2ndなど、もっと強烈な個性をもったメロパワ連中が強力な作品をリリースしてるので、記憶に薄いのはその影響かと。
正直、このバンドの次作がリリースされても、定価じゃ踏み切れないな~

>ここみんさん

当時であれば埋もれても仕方なかったですが、現在はこの手のバンドが減っているので、これくらいのクオリティのバンドは結構貴重だと思います。

HOLY KNIGHTSは正直ちょっと厳しかったと思いますが(笑)。

まあ、ここみんさんがお好みのシンフォ風味は薄めなので、お金を払ってまで、のバンドではないかもしれませんね。

2001年~2003年辺りのメタルシーンは、今より市場の規模は小さいながら、かなり熱かったと記憶しています。

Children of Bodom,Rhapsody,Arch Enemy,Sonata Arctica等はクオリティの凄いアルバムをリリースしていたし、Dream EvilやDragonforceの素晴らしい新人のデビューも目を見張るものがありました。

BURRN!の発売日も毎月楽しみだったし、とにかく良盤が多くてCDを買うお金の工面に苦労したものです(笑)。

まだ8年ほど前の事なのですが、今思うと「いい時代だったな~」としみじみと感慨に浸ってしまいます。

>名も無きメタラーさん

2001年は、リアルタイムでもあまりの名盤ラッシュに「これは凄い時代が来たぞ」と思ったものです。

02、03年は01年が凄すぎた分、それほど強烈な印象は受けませんでしたが、今思うと良い時代でした。04年までは、個人的にはメタルの黄金時代ですね。

残念ながら、当サイトが稼動し始めたのはその翌年からなのですが…(苦笑)。

メタルの黄金時代はいずこへ

前回のハイトーンが出る人がスキンヘッドになるのか、スキンヘッドになるとハイトーンが出るのかについての件で思わず笑ってしまいました。確かにパストレの1曲目は劣化○キラー。でもそれが一番マシな曲、、、
ロブ、ラルフ、キスケ、D・ハイメン、元エメラルド・サンのVo、スキンヘッドが多いです(笑)
しかもDIVINE・FIREの新作はVoがもう一人加入、それもスキンヘッド(武藤敬司)、
行儀の良いメロ、シンフォニック度が増して、エクストリームな部分がやや後退したかのような印象。
#2、3ぐらいしかまともに聴けませんでした。ただし#2は過去の焼き直しな感は否めず、別の意味で良い曲の#6と#7はインスパイアされた曲で、彼らの味である脳内を刺激する劇的疾走が続かない、
過去のリ・レコーディングとインギーのボートラ除くと30分くらいのボリューム、こんな中途半端に出すということは、金銭面で困っているのでしょうか。
クリスチャン曰く「4曲目が最高」とのコメントを見て、正直メロパワに対しての熱はすでに冷めていると感じました。あれはただのAOR(別のプロジェクトで発表してくださいな)。
主観ですが、アーティレリーの新作が良かっただけに余計にそう感じました。
来月ついにDream・Tale出ますね!!

>フィンさん

そういえばダニエル・ハイメンやクリスチャン・リヴェルもスキンヘッドでしたね。
メタルのイメージが長髪からスキンヘッドに変わる日も遠くないかもしれません(笑)。

DIVINEFIRE、やっぱダメですか。買うのやめようかな。
最近のクリスチャンの働き者ぶりは、明らかに金銭的なモチベーションを感じます。
自分のレーベルを持っているだけに、運転資金が必要なんじゃないでしょうか(憶測)。

まあモチベーションはどうでも、内容が良ければいいんですけどね…。

DREAMTALEは私にとっては「ついに」というような期待される存在というより「まだ生きてたんだ」と感じる存在です(笑)。