AION / HUMAN GRIEFMAN (1990)

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現在VOLCANOや地獄カルテットでも活躍するNOVのメイン・バンド(…だよね?)のデビュー・アルバム。

と言っても本作はNOVの前任シンガー(NOVはこのバンドの8代目シンガーである)によって録音された「DEATHRASH BOUND」(未CD化)のヴォーカル・パートを差し替えた作品なので、純粋なデビュー・アルバムとは言い難い面もある。

内容は基本的にスラッシュ・メタルで、メジャー・デビュー後に顕著なヴィジュアル系に通じるキャッチーさは希薄。非常にアグレッシヴなサウンドである。

とはいえNOV加入前の「DEATHRASH BOUND」はこれよりさらにスラッシーだったそうで(未聴)、そう言われてみればNOVの二井原実(LOUDNESS)そっくりなハイトーン・スタイルのヴォーカルが良くも悪しくもジャパメタっぽさを感じさせるのは確かかも。

ブックレットには、後年のヴィジュアル系とは似て非なるひたすら過激なメイク&髪型をした若かりしメンバーの写真とともに、「爆獣暴動」というまるで暴走族のようなセンスのコピー(?)が躍っている。

このキワモノっぽさが当時BURRN!読者のような「硬派な」メタル・ファンには受け容れられなかったようだが、私のような後追い世代の人間にしてみれば本作の音楽性はメタル以外の何物でもない。

BURRN!誌においては、当時日本のスラッシュ・メタルといえば1にOUTRAGE、2にUNITEDというのが「定説」だったが、個人的には少なくとも歌唱力・演奏力においてはAIONの方が当時のUNITEDをはるかに凌駕していたと思う。

(NOVが優れたメタル・シンガーであることはVOLCANOや、Syuのソロ・アルバムにおけるSYMPHONY Xのカヴァーなどによって最近のメタル・ファンにも周知のことと思いますが、ギタリストであるIZUMIのテクニックも非凡なものがあり、こと速弾きにかけては当時ジャパニーズ・メタル・シーン全体においても屈指の腕前と言われていました)

当時のインディーズ・シーンにおいては「東のX、西のAION」などと、かのX JAPANと並び称される存在であった。その証拠に本作はオリコン・インディーズ・チャートの1位に輝き、続くミニ・アルバム「MA-G-MA」も同様にオリコン・インディーズ・チャートの1位を獲得、91年にはBMGビクターからメジャー・デビューを飾っている。

ただ、90年代の日本では現在と違って「メジャーに行く」ということは「キャッチーにならなくてはならない」というのがほぼ不文律のようなものであり、幾多のバンドがその不文律に従わされた結果アイデンティティを失って失速していった。

X JAPANは元来アグレッションよりメロディに魅力の本質があり、中心人物YOSHIKIのキャラクターもある種のアイドル性があったため上手く成功できたが、AIONはその本質が攻撃性にあったため、メジャーにおいては音楽的に迷走。結局メジャーからドロップすることになってしまった。

紆余曲折を経て現在もバンドは存続しているものの、全盛期の輝きは取り戻せていない。

◆本作の冒頭を飾る強力スラッシュ・チューン「Think Ever After」



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コメント

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僕はAIONの曲は本当にちょっとしかしらないんですけど、確かに凄いギタリストのいるバンドって印象は残ってました。

一度聞いてみたいとは思いつつも、正直YOUTUBEとかにあげられているのを聴くのが限度なもんで^^;
ちなみにVOLCANOの1stは全部聴きましたが、素晴らしいスラッシュメタルでしたね~
その中にも泣きのソロとかが光っていてカッコよかったのを覚えています^^

懐かしい

懐かしいですね、AION。
今もたまに聴きます。

Volcanoの3rdと、Syuのアルバムを聞いて、NOVさんを知りました。山田雅樹さんに似てるなって思いました。

3rdだと、#3#5#6が好きですね。とても楽しめました。

Gargoyleもそうですが、Xからメタルを聴きはじめた人にとってはAIONはちょっと敷居が高い気がしますね。

「東のX、西のAION」のフレーズは懐かしいですね。そういえば「東のX, 西のCOLOR」ってフレーズもありました。Dynamite Tommyは出世しましたね。捕まっちゃったけど(笑)。

こんばんは。AION、私も一時期よく聴きました。
持っているのは92年の「愛音~Aion~」と94年の「Absolute」だけですが。
前者はヴィジュアル様式美系、後者はスラッシュ系で、2年しか間がないのに
まるで別バンドのように聴こえます。初期はほとんどスラッシュだったのですね。
XやHELLOWEENからメタルに入った私は前者が好きでした。
ギターソロがドラマティックでカッチョ良いです。

余談ですが、後者は、アルバムの冒頭の「生ーきるまで死ーね!」
というNOVのシャウトがインパクトあります。ちょっと笑えますが(笑)

まとめてお返事

おお、まさかAIONのエントリーにこんなにコメントがつくとは。

>yu-kiさん
VOLCANOの1stは超名盤です。
アレが廃盤というのが残念極まりないです。


>友義さん
彼らはまだ現役ですが、やっぱり「懐かしい」って感覚ですよねー…(苦笑)。
私もこのエントリーを書くに当たって久々に聴いたわけですが…。


>B!13さん
お若いだけに(笑)、最近知ったクチですね。
そのくせ山田雅樹を知っている、というのが「本当に若いのか」と疑わしくなりますが(笑)。

私はNOVが影響を受けたと公言している二井原実に似ていると思っていますが、確かに言われてみれば山田雅樹に通じるものもありますね。


>名も無きメタラーさん
COLORは見た目はともかく(笑)、サウンドはメタルというよりパンクに近かったですから、対抗馬としてはAIONの方がしっくり来ますね、個人的には。

AIONはGARGOYLEよりは敷居が低いと思いますが…(笑)。


>marochikuwaさん
その2枚がメジャーに行った後では比較的評判のいい一枚ですね。
「愛音」クラスの名曲をコンスタントに出せれば、あの路線でも良かったのかもしれないですね…。

「生きるまで死ね」、ファンの間では有名なシャウトみたいですね。
まあ一種の気合論でしょうか(笑)。

AION好きです

屍忌蛇のお師匠さんのバンドですね。
V系メタルの中ではX、GARGOYLE、JANNE DA ARC、VERSAILLESと並んで好きなバンドのひとつです。特に“愛音”は国産メロスピ最高峰の一曲だと思っています。

VOLCANOの3rdはかなり気に入っていて、今年のベスト候補に。
フレドリック・プロデュースでもっと大袈裟な泣きメロがあると尚良かった。
NovのVoや曲作りに説得力が出てきただけに尚更残念。
公式ブログによると早くも4作目の構想があるみたいなので期待したいです。

>学生メタラーさん

学生メタラーさんは本当に色々聴いてますね(笑)。
AIONなんて私の世代でもそんなに聴いている人は多くなかった印象なのですが(もう少し上の世代だとボチボチ…)。

フレドリック・ノルドストロームは以前はミックス/マスタリングのみの関与だったと思いますが、やはり1stの音が格段に良いので海外作業の成果を感じますね。

4thは10年待たされないことを願ってます(笑)。

こんにちは!ご無沙汰しています。
PCをリカバリしたので、来れませんでした。

震災、ご無事だったようで~そしてこれといった
ご不自由なくご帰宅なによりです。

まだまだ寒さ厳しい折、お体ご自愛ください。

山田雅樹さんに似てるというか、二人ともアクの強い声だなと思いますね。(爬虫類的な)山田さんを知ったのはTAIJIさんが参加してたLOUDNESSのアルバムです。3期ラウドネスはDVDもライブアルバムも持ってます^^

ところで、ラルフ・シーパースっていつスキンヘッドにしたんですか?ガンマレイの1stのロン毛がプライマルフィアのseven seals(お気に入り)のブックレットでは、・・・なことになってて驚きました。

>レブさん

お気遣いありがとうございます。
サイトを運営している人間にとってはPCのリカバリは結構一大事ですね。

レブさんも震災の影響がなかったのであれば何よりです。
お互い身体には気をつけましょう。

>B!13さん

第3期LOUDNESSはある意味スーパー・グループ状態だっただけに今でも興味を持つ人は多そうですね。
第3期のライヴ・アルバムはかなり音質が悪かったということだけ印象に残っています…(苦笑)。

ラルフがスキンヘッドになったのはだいぶ前じゃないですかね。
ここ10年くらいはずっとスキンヘッドのような気がします。

こちらは

こんにちは!お気遣いありがとうございます。

関西地方在住なので被害はありませんでした。
リカバリはよりによってIEのお気に入りをバックアップ
し忘れるという暴挙(笑)をしてしまったので、骨が折れ
ました。(涙)

>レブさん

バックアップ忘れは痛いですね。
まあ、「お気に入り」の整理をする機会になったと前向きに(?)捉えるしかないですね。

こんにちは
レベル上げのお手伝いいたします。

LV1-LV55 AIONのレベル上げについて
http://www.igxe.jp/?-igxe-3635.html
よりご覧ください。
詳細はigxelive@live.jpまでメールお願いいたします。

お手数ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
~*~♪ ~*~♪ ~*~♪ ~*~♪ ~*~♪ ~*~♪ ~*~
ご質問などがございましたら、下記までお気軽にお問い合わせください。
★ お問い合わせ先:igxelive@live.jp

通りすがりの者ですが

突然のお邪魔で失礼します。

前置きが長くなりますが,
今日,上司に「そんなことしたら暴動起こるべ!」と言われて,
突然AIONが頭にパッと浮かび,「AIONですね!」と言いかけそうになりました笑
それも上記のようなキャッチコピーが頭に入っていたからですがw

それで「AION 暴動」で検索したらこちらにたどり着きました。
小生40代半ばですが,いや~AION懐かしいですね。
当時は,全てのアルバム聴いていましたよ。

ちなみに私は「BE AFRAID」が一番のお気に入りです。

というわけでこのへんで失礼いたします。

追伸:西のCOLORはよく耳にしていましたが,西のAIONは初耳でした。

>さいふぁさん

ひょんなきっかけで訪れていただいたのですね。
いったいどんな仕事をすると暴動が起こるのかわかりませんが…。暴動と聞いてAIONを思い出す人なんて果たして日本に何人いるのでしょうか(笑)。

私はAIONは初期の4枚くらいしか聴いていないのであまり偉そうに語る資格もないのですが。

それぞれフリーウィルとエクスタシーというレーベルを率いていたので「西のCOLOR、東のX」の方がよく使われていたようですが、COLORはメタル・バンドではなかったので、メタル文脈では「西のAION、東のX」という用法があったようです。
私はリアルタイムではないので定かではありませんが…。