WHITESNAKE / FOREVERMORE

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デイヴィッド・カヴァデール(Vo)率いるWHITESNAKEの、通算11枚目となるフル・アルバム。

2008年の「GOOD TO BE BAD」以来のアルバムだが、彼らくらいの大ベテランとしては順調なリリース・サイクルという感がある。

前作からダグ・アルドリッチ&レブ・ビーチという、それなりに豪華で、充分なスキルを備えていながら微妙に小粒感のあるギター・チームは留任し、それ以外のメンバーは一新されている。

新しいDrのブライアン・ティッシーは、個人的には「PRIDE & GLORYの人」というイメージが強いが、それ以外にもビリー・アイドルやオジー・オズボーン、FOREIGNERをはじめ、松本孝弘のTMGなど、数多くの作品・ツアーに関わってきた歴戦の士。

新Bのマイケル・デヴィンは元LYNCH MOBやケニー・ウェイン・シェパードのバンドなどでの活動歴がある人物だそう。

ギター・オリエンテッドな作風ゆえかKey奏者は補充されず、Keyは脱退したティモシー・ドゥルーリーが引き続きレコーディングには参加しているようで、その他にデイヴィッド・カヴァデールの息子であるジャスパー・カヴァデールが#1のコーラスと#11のパーカッションで「特別参加」しているらしい。

基本的には前作「GOOD TO BE BAD」の流れを汲む作風ながら、より骨太でブルージーな味わいが強く、冒頭#1~#3などを聴いていると「初期を思わせる作風」という形容にも納得できる部分がある。

ただ、やはりメンバーがアメリカ人ばかりだからなのか、初期WHITESNAKEの持っていた、ブリティッシュ・ハード・ロック・バンドならではの独特の陰というか艶のようなフィーリングは欠如しており、どこかアメリカンな感触。

一方で「SLIP OF THE TANGUE」に収録されていてもおかしくない、ハード・ロック然とした#9のようなナンバーも収録し、そういう意味では初期のブルージーなスタイルと、アメリカ進出後のスタイルをミックスした作品という見方もできる。

デイヴィッドの年齢ゆえか、メンバーの資質ゆえか、初期のような色気も、(商業的)黄金時代のようなゴージャスさも演出できていない本作を中途半端であると感じる向きもあるかもしれないが、全体的にはなかなかよくまとまっていて、とりあえず既に40歳以上となったオールド・ファンにとってはそれなりに楽しめるアルバムなのではないでしょうか。

ブルージーかつパワフルな#1で始まり、キャッチーな曲やハードな曲、バラードなどをバランスよく配置し、ちょっとLED ZEPPELINを思わせる、スケール感のあるタイトル曲で締まるアルバム構成もよく練られており、決して晩節を汚すような作品ではない。

デイヴィッドの話によると、本作は「最後のロック・アルバムになるかもしれない」とのことで、年齢を考えればそれもまたやむなしという感じだが、個人的には「かもしれない」と含みを残しているあたりに「本作の反響次第ではまだやるつもりですね」などと思ってしまったり(笑)。

どうでもいいことですが、ブックレットにある「ALL SONGS WRITTEN & ARRANGED BY COVERDALE & ALDRICH」というクレジットを見ると、20代、30代という一般にロック・ミュージシャンが一番輝いている時期に(客観的には)パッとしなかったダグ・アルドリッチが、こうして40代になってからHR/HM界でも屈指の著名バンドの音楽的中心人物となっていることに「人間いつ報われるかわからないなあ」という一種の感慨のようなものを覚えます。

さらにどうでもいいことですが、昨日、昼時の打ち合わせ後に入った「蒙古タンメン中本」某店で「蒙古タンメン」をすすっている際に本作からのファースト・シングルである#3「Love Will Set You Free」が流れてきて「あ、WHITESNAKEだ」と呟いたら、同行していた上司(40代前半)が「ホワイトスネイクなんてまだやってたのか。俺は聴いてなかったけど、高校生の頃とかよく文化祭でやっている奴らがいたよ」と言っていました。私の世代だと正直あまり実感ないのですが、やっぱり人気あったんですね。

◆その「Love Will Set You Free」のPV(YouTube)



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コメント

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コメント:110

またJOHN SYKESと組んで、サーペンス・アルバスみたいな奴を創ってくれないかなぁ...。

個人的にWHITESNAKEを聴いてブリティッシュハードロックが好きになったので本作も楽しめました。経年劣化しつつも若手には出せない感じがいいです。カヴァデールはPV見るとかなりシワシワですがw

自分にとってのカヴァーデールは、若かりし頃のロック・アイコンな彼ではなく、年の割りにカッコいいオッサンという認識なので、最近の枯れた歌唱にも好感が持てます。お金に余裕が出来たら買ってみようかと(苦笑)

これはまったくどうでもいいですが、中本のオーナーのご子息と高校時代の同級生だったりします。

まとめてお返事

>ゆうていさん
もう還暦を越えた「おじいちゃん」にあんなギラギラしたアルバムを望むのは酷というものでしょうね…。


>naokiさん
PVのシワはHDクオリティだけにかなり目立ちますね(苦笑)。
ここ数年でイッキに老け込んだような…。


>けー坊さん
まあWHITESNAKEクラスのバンドだったらいずれレンタルにも出ると思いますが、買っても後悔しないアルバムかと思います。

なんと、中本のオーナーの息子さんの同級生ですか。
あれだけ行列も出来てるわけですからやっぱりお金持ちなんですかね?

息子ならタンメン食べ放題…といってもアレを毎日食べていたら舌がおかしくなってしまいそうですが(笑)。

ご無沙汰しております。

私がまだ小娘だったころ、 David Coverdale の魅力はさっぱりわからなかったのですが・・・
改めてPVを視聴してみると、若手にはない渋さと言うべきか。
いい具合に枯れてきていると評価すべきか。

ともあれ、これで最後とは言わず、もう少し頑張ってほしいものです。

>ririxさん

ririxさんが小娘だった頃というのがいつのことだかは存じ上げませんが、こういうフェロモン系の男性は日本のロック少女受けはしないような気がします。偏見ですが。

まあ、HR/HMを続けるかどうかはともかく、もうしばらく音楽活動自体は続けるんじゃないですかね。
AORならともかく、R&B、ブルースになってしまったら私は聴かないと思いますが…。

神さまからの授かり物

私は本文・上司と同世代のsnakeファンです、高校当時のバンドのお題目はアルフィーや尾崎でしたが・・・。
カヴァデールの歌声がこの新作でも衰えていない事に身震いし感動しています。
JAZZであればメイナード・ファーガソンのハイノートの様に
誰も真似出来なくて、それを聴くと血沸く肉躍る唯一無二
の歌声は素晴らしいですね。
天からの授かり物を衰えることなく我々に聴かせてくれる
カバデイルの努力に感服しました。
PVを閲覧することが出来て幸せです、ありがとうございました。

>姫路5150さん

VAN HALENなHNからして世代を感じますね(笑)。
メイナード・ファーガソンなどという渋い名前が出てくる辺り、現在はロックよりジャズに親しむダンディなナイスミドル、という感じでしょうか?

当ブログが過去に愛したバンドの新曲に触れる機会になったとしたら幸いです。
せっかくですので、ぜひ新作アルバムも聴いてみてください。
たぶん、楽しめる仕上がりになっていると思います。