PROTEST THE HERO / KEZIA (2006)

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カナダ出身の5人組によるファースト・フル・アルバム。本作発表以前の02年にシングル、03年に7曲入りEPのリリース経験がある。

しかし、本作発表年である06年でも平均20歳という若さだけに、本作に詰め込まれた衝撃的な音楽に比べ当時の音源はいかにも未熟で、習作の観を免れないため、本作が実質的なデビュー作と言っていいだろう。

このバンドの音楽性を語る際には「カオティック・ハードコア」というワードが使われることが多い。私はその手のバンドでちゃんと聴いたことがあるのはTHE DILLINGER ESCAPE PLANくらいのものだが、まあ印象としては似ていると言えなくもない。

ただ、このバンドの場合メロディがより叙情的で、ギターとベースの「弾きまくり」がフィーチュアされている点が私のようなメタル・ファンの耳を引きつける。

いずれにせよエモ/スクリーモ寄りのVoの声質やスタイルに顕著なように、このバンドの本質というか軸足はメタルというよりパンクにありそうだ(元々中学時代にこのメンバーでHAPPY GO LUCKYというバンド名でNOFXなどのカヴァーをプレイしたということからもそのことが窺える)。

ルックスもカレッジ・バンドのようで(年齢相応といえばそうだが)、本作のボーナスDVDに収められたライヴ・パフォーマンスを観ても、やはりパンク・バンド的だと感じた。

楽器陣のめったやたらな手数の多さは「若気の至り」を感じなくもないが、若さに似合わぬ高度なテクニックを披露しており、メタラー的には聴き所と言えるが、パンク系のファンにとってはこういうのってどうなんでしょう? 初来日公演はPUNKSPRING 07ということで、果たしてこういうパンクが否定していた「テクのひけらかし」が受け容れられたのかどうか個人的には興味があります。

なお、本作はドストエフスキーの小説の影響を感じさせるストーリーを持ったコンセプト・アルバムで、アルバム・タイトルの「ケザイア」は本作のストーリーにおける登場人物の名前。

コンセプト・アルバムという仕立て自体そうだが、物語ゆえかドラマティックと形容できる展開・メロディが散見されるのもパンク・バンドらしからず心惹かれるポイント。単純に歌ものとしてのメロディ的な意味では本作が一番充実していて聴きやすいかも。

◆本作収録「Blindfolds Aside」のPV(YouTube)


なかなかインパクトのあるPVだと思いました。


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