PROTEST THE HERO / FORTRESS (2008)

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私とこのバンドの直接的な出会いはこのアルバムだった。HMV某店の試聴機コーナーで本作の鮮やかな色彩の、欧州メタルなどにありがちなタイプのそれとは異なる意味でファンタジックなアートワークが異彩を放っており、つい好奇心をそそられたのだ。

そして1曲目「Bloodmeat」を試聴して衝撃を受けた。プログレ・メタルとスクリーモを融合したようなそのサウンドは、プログレ・メタルにないパッションと、スクリーモにはないスケール感が共存し、完全に独自の世界を作り上げていた。

曲中に使用される「絶叫スキャット」に象徴されるアヴァンギャルドと言っていいほどアグレッシヴなパートと、つい涙ぐんでしまいそうになるほどにメロウでドラマティックなパートが急転直下の展開で共存する複雑怪奇な曲構成を含め、「こりゃ新しい!」と、前作「KEZIA」一緒に即レジへ持って行きました。

非常にテクニカルかつ精緻でありながら、むしろプリミティブなパッションが溢れ出し炸裂するかのごとくに響くそのサウンドは普段私のように様式化されたHR/HMに慣れ親しんだ身には非常にインパクトがあった。

随所でテクニカルに鳴り響く明らかに過剰なギターの速弾きはさながらDRAGONFORCEのようだ、と思っていたら、#6にそのDRAGON FORCEのヴァディム・ブルツハノフ(Key)がゲスト参加し、ピコピコしたKeyソロを弾いている(なお、DRAGONFORCEの中心人物であるハーマン・リもこのバンドを気に入っているそうで、『Eat Magazine』誌上において06年のベスト・アルバムに前作『KEZIA』を選出したとか)。

前作のようなコンセプト・アルバムではないものの、3曲構成の組曲(#1から#3の「On Conquest And Capture」と#8から#10の「Isosceles」)と4曲の独立した楽曲で構成されたアルバム構成と、イマジネーションを喚起するアートワークから、まるで神話のような整理されないオムニバス形式のストーリーを感じてしまう。

リフやアレンジ、複雑に構築された展開など前作以上にプログレッシヴ・メタル的な要素を強めつつ、メタルが陥りがちな予定調和を一切拒否する刺激的なサウンドが素晴らしい傑作。

◆本作収録「Bloodmeat」のPV (YouTube)



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コメント

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名盤

私もこのバンドとの出会いはこのアルバムでした。HMVの試聴機でKOをくらいレジへ(笑)

その後、Keziaも購入し、もちろん最新作も購入。

しかし未だにこのアルバムが一番ですね~。

当時は衝撃を受けました。

>クラウザーさん

お、クラウザーさんもHMVの試聴機がきっかけですか。奇遇ですね。
「KEZIA」もなかなか捨てがたい魅力がありますが、やはり個人的には本作の衝撃が印象深いです。