HOLY MARTYR / INVINCIBLE

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イタリアのエピック・メタル・バンドのサード・アルバム。

これまでも古代ギリシャやローマなどをモチーフにした楽曲・アルバム制作を行なってきた彼らが、本作のモチーフに選んだのは日本の歴史。

硫黄島という近現代のものから、武田信玄、関ヶ原といった戦国時代ネタ、そして「七人の侍」に「座頭市」(ジャケットのアートワークはどう見ても勝新太郎のそれだ)など時代劇をテーマにしたものまで、日本人の感覚ではフィクションとノンフィクションが入り混じってとっ散らかって見えるが、西洋人にとっては「日本の歴史物」ということでちゃんと統一感を感じるのかもしれない。

このバンドは元々イタリアのミラノで90年代の中頃にイヴァノ・スピガ(G)を中心に結成されたHELL FORGEというバンドが改名(ちなみにバンド名の由来はOMENの曲名)して誕生し、現在のメンバーが揃って活動を始めたのは2001年頃だという。

JUDAS PRIESTやIRON MAIDENといったHMの大御所をベースに、WARLORD、OMEN、MANILA ROAD、HEAVY LORD、ATTACKといったアンダーグラウンドなエピック・メタルの影響を受けたというそのサウンドは、まさにその影響がストレートに現れているエピック・メタルで、その勇壮なムードにはなかなか心惹かれるものがある。

ピーター“ピーヴィー”ワグナー(RAGE)を思わせるアレックス・メレウの、ややアクの強いVoも力強さという意味では申し分ない(随所に登場するガイジン訛りな日本語の歌詞にはちょっと笑ってしまうけど/笑)。

テンポの速い楽曲においてもメロディック・スピード・メタルのような疾走感ではなく、初期のメロディック・デス・メタルのような重心の低さを感じさせ、決して軽快にならないのは恐らくこのバンドが描こうとする重厚なドラマ性に対するこだわりなのだろう。

イタリアン・メタルのファンにはおなじみの「NEW SIN」スタジオで、ルイージ・ステファニーニとの共同プロデュースで制作された本作は、やはり同じスタジオで録音されたLABYRINTHやDARK MOORのアルバムのサウンドに近く、音が良いとは言い難いこともあっていささかB級なムードが漂っているが、「だが、それがいい!」と前田慶次郎利益であれば言ってくれる…かもしれない。

そのLABYRINTHのロベルト・ティランティ(Vo)が9分に及ぶ大作曲#8にゲスト参加している。【79点】

◆本作収録「Zatoichi(座頭市)」のPV(?)[YouTube]



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コメント

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BURRN!11月号の前田さんのコラムにHOLY MARTYRのメンバーはアニメ好きだという話がありました。イタリアのメタルバンドはアニメ好きが多いですね~。ソニーはイタリアのミュージシャンにANIMETALをやらせればいいのに。アニソンが好きな外国人にカバーさせた方が企画モノ臭がしないと思うのですよ。

>通りすが郎さん

イタリアのミュージシャンにやらせたら、BURRN!を買っているような人でも「誰?」という感じのメンツになりそうですね(笑)。

しかし外国人が日本に興味を持つきっかけってやっぱりアニメとかゲームなんですねえ…。