DEAD BY APRIL / INCOMPARABLE

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前作デビュー作が本国スウェーデンのチャートで2位を記録するヒットとなり、LOUD PARK 09で来日も果たしたDEAD BY APRILのセカンド・アルバム。本作もスウェーデンでは初登場2位を記録している。

前作ラインナップからギタリストの2人、ポンタス・ヘルムとヨハン・オルソンが脱退、ポンタスはクリーン・ヴォーカルも兼ねていたため、後任シンガーとしてザンドロ・サンチアゴなる人物が加入しているが、正式メンバーとしてのギタリストは不在、という変則的な編成になっている。

職業ソングライターとして活躍していきたいという理由によるものとされたポンタスの脱退は、そのHR/HM離れしたポップ・センスと、日本のJ-POPシンガーである谷村奈南の楽曲を手掛けていたりする状況を見ると傍目には納得のいくものだった。

しかし、BURRN!誌のインタビューによると実際にはヨハンとの確執によるものだったようで、ポンタス脱退後、ヨハンも脱退したためか、本作の作曲やプロデュースはポンタスが手掛けており、半ば「復帰」に近い状態となっている。

本作は当初RAMMSTEINを手掛けたヤコブ・ヘルナーのプロデュースによって制作されるはずだったが、ヤコブがこのバンドの持ち味のひとつであるボーイズ・アイドル風のポップな歌唱パートを排除しようとしたために決裂し、結果としてポンタスがプロデュースを手掛けるなど、平坦とは言えない過程を経て制作されたようだ。

そうしたメンバー・チェンジや制作時のトラブルが影響しているのか、基本的な音楽スタイルは変わっていないものの、前作では絶妙な融合を見せていたヘヴィな要素とポップな要素が本作ではやや分離しているかのような印象があり、前作ほどにはハマりきれなかった。

人によってはヘヴィなパートはさらにヘヴィに、メロウなパートはさらにメロウにメリハリが強化された、と感じるのかもしれないが…。

とはいえ、BACKSTREET BOYSばりのポップなクリーン・パート、そしてモダンなシンセサイザーの使い方に関しては相変わらずそんじょそこらのHR/HMバンドが逆立ちしても真似できない洗練されたセンスが光っており、プロモーション次第では今までのHR/HMサウンドに見向きもしなかったようなタイプのリスナーをつかむことができるポテンシャルを感じる。

BURRN!誌のインタビューでは今後「さらに創造的な方法でシンセサイザーを使っていく。次のアルバムには、かなりとんでもないシンセサイザーが入ることになると思うよ」と語られており、本作のシンセ・アレンジにかなり耳を引かれた身としては早くも次作への期待が膨らんでいる。【82点】

◆本作からの2ndシングル「Lost」のPV [YouTube]



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コメント

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谷村奈南の「FAR AWAY/Believe You」は普通に高品質なゴシック/シンフォ・メタルとして楽しめました。彼女にはこの路線で活動してほしいなと思ったり。

その「かなりとんでもないシンセサイザー」を取り入れたらアマランスやブラステのようなサウンドになったりして(笑)

>学生メタラーさん

「FAR AWAY/Believe You」はいい曲かもしれませんが、谷村奈南には合っていないような。彼女明るそうだし(笑)。

DBAはAMARANTHEやBSCより洗練されたセンスのバンドだと思っていますが、近い方向性である可能性はありますね。
個人的にはそれはそれでウェルカムです。

DBAが好きでこのアルバムと前作合わせてしょっちゅう聞いていますが、個人的にはこっちのが好きです。1stはIn My Armsくらいまでくるとダレてきちゃうので。。。
ただ、ギターが二人抜けてしまったので以前のようなガツガツ来るような曲が少なくなったのはちょっと残念です。前のような曲も欲しいところですが、新曲Mysteryとか聞くにそれもなさそう…
どう転んでいくかが楽しみなバンドですね

>DBA好きさん

ポップな洗練度という意味ではメタル界隈でも屈指の存在だけに果たしてどこまでこういうモダンなポップさとメタリックなへヴィさを融合した路線を突き詰めてくれるか、個人的には結構期待しています。

ポップさの割に日本での人気/注目度があまり高くないように感じられるのが残念ですが…。

10曲目のイントロが音飛びっぽく聴こえるんですけどこれは仕様ですか?

>吉岡さん

仕様というか、スクラッチっぽく聴かせるアレンジだと思います。
音飛びと思われるくらいですから、あまり効果的なアレンジではなかったということかもしれませんが(笑)。