過去25年間で最も偉大なデビュー・アルバム

もはや『Kerrang!』や『NME』を抜き、世界最大のHR/HMマガジンとなった『METAL HAMMER』誌において先日、読者投票によって「過去25年間で最も偉大なデビュー・アルバム」が選ばれました。

以下がその結果です(カッコ内は得票率)

01. SLIPKNOT / SLIPKNOT (32.27%)
02. KORN / KORN (8.88%)
03. GUNS N' ROSES / APPETITE FOR DESTRUCTION (8.84%)
04. RAMMSTEIN / HERZELEID (6.92%)
05. PANTERA / COWBOYS FROM HELL (6.2%)
06. SYSTEM OF A DOWN / SYSTEM OF A DOWN (4.67%)
07. LINKIN PARK / HYBRID THEORY (3.78%)
08. MACHINE HEAD / BURN MY EYES (3.35%)
09. BULLET FOR MY VALENTINE / THE POISON (3.01%)
10. RAGE AGAINST THE MACHINE / RAGE AGAINST THE MACHINE (2.78%)

得票率で見るとSLIPKNOTがダントツの人気ですね。
単純に売上だけでみたらGUNS N' ROSESやLINKIN PARKの方が上かもしれませんが。

こうしてみると、過去25年に出てきた欧州のHR/HM系アーティストで最もビッグと評価されているのはRAMMSTEINなんですね。

PANTERAは「COWBOYS FROM HELL」以前に4枚のアルバムをリリースしていますが、「メジャー・デビュー・アルバム」ということで選ばれたのでしょうか。
ただ、PANTERAの初期4作についてはバンド自体が完全に「黒歴史」として封印しているだけに、本気でその存在を知らないファンもいるのかもしれません。

インターネット時代だったらそう上手く「隠蔽」できなかったと思いますが、90年代の初頭においてはマスメディアで報道されなければ「なかったこと」にできましたからね。
現代は「黒歴史」を隠したい人たちにとっては不都合な時代だと思います。

PANTERAのように、本当のデビュー・アルバムではなくメジャー・デビュー・アルバムがアリ、ということであれば名前が挙がってもおかしくないNIRVANAの「NEVERMIND」や、こちらは正真正銘のデビュー・アルバムであるPEARL JAMの「TEN」の名前が見当たらないあたり、いわゆる「グランジ」は欧米においてもHR/HMファンの支持する音楽ではなかったことが見て取れます。

そういう意味では、『BURRN!』誌が「国際化」に失敗したのは、グランジ/オルタナティヴを取り上げなかったことではなく、当時モダン・ヘヴィネスと呼ばれ、後にNU METALへと発展した音楽をHR/HMのメインストリームとして扱ってこなかったことが原因であるとわかります(ちなみに、私は何でもかんでも「国際化」することが必ずしも良いことだとは思っていません)。

いや、『BURRN!』誌においてもPANTERAはそれなりにフィーチュアされていましたし、KORNやRAGE AGAINST THE MACHINEでさえレビューの点数自体は悪くないというかむしろ良かったと記憶していますが、やはり誌面での扱いが「異端児」的な感じでしたし、編集長をはじめとするスタッフたちがそういう音を好んでいないことはアリアリと伝わってきましたからね。

きっと今『BURRN!』誌で同じような企画をやったらこんな感じでしょうか。

01. GUNS N' ROSES / APPETITE FOR DESTRUCTION
02. MR.BIG / MR.BIG
03. SLIPKNOT / SLIPKNOT
04. SKID ROW / SKID ROW
05. PANTERA / COWBOYS FROM HELL
06. ANGRA / ANGELS CRY
07. ARCH ENEMY / BLACK EARTH
08. CHILDREN OF BODOM / SOMETHING WILD
09. DOUBLE DEALER / DOUBLE DEALER
10. SONATA ARCTICA / ECLIPTICA

あとランクインしてくる可能性があるのはTHE BLACK CROWS、BLUE MURDER、BUCKCHERRY、BULLET FOR MY VALENTINE、THE DARKNESS、DIZZY MIZZ LIZZY、FAIR WARNING、GAMMA RAY、IN FLAMES、THUNDER、THE WILDHEARTS、といったあたりでしょうか。

DREAM THEATERやEXTREMEなんかも、セカンドのインパクトの影に隠れがちですが、あり得るかもしれません。
そして私にとっては有力な候補であるRHAPSODYはなぜか選ばれないだろうこともなんとなく想像がつきます(笑)。

そして誰かがこんなコメントをつけるのではないかと。

「良くも悪しくも、日本の現在のマーケットを反映した、本誌らしい結果となった。ロック史上屈指のモンスター・アルバムであるGUNS N' ROSESのデビュー・アルバムは納得としても、MR.BIGのアルバムが選ばれるのはここ日本だけだろう。とはいえ、同作の完成度、MR.BIGというバンドの音楽的なポテンシャルを考えると、ここに選ばれて何らおかしくないアルバムである。しかし、こうして見ると、この25年間、HM/HRの『基本』というべき様式美を備えた正統的なHR/HMバンドの強力な新人はほとんどデビューしておらず、そのことがHM/HRというジャンル全体の衰退を招いていると思う。今回のランキングでも、わずかに唯一我が国のDOUBLE DEALERが正統派HM/HRの火を掲げ、気を吐いているわけだが、その火ももはや消えてしまった。JUDAS PRIESTやIRON MAIDENといった偉大なバンドも、年齢的な問題を考えると、もはや残されたキャリアは少ない。HM/HRというジャンルが今後も生き残っていくためには、強力な正統派HM/HRの新人の登場が急務である」

25年間有望な新人が出ないジャンルなんて既に終わってるよなぁ、と思いつつ、結局私の感性は『METAL HAMMER』読者より『BURRN!』読者に近いんだろうなと思います(苦笑)。

◆ニュースソース
http://www.roadrunnerrecords.com/blabbermouth.net/news.aspx?mode=Article&newsitemID=164961
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コメント

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面白いランク

ガイジン感覚からするとそんなもんでしょうね。やっぱSLIPKNOTは世界最強(最恐?最狂?)バンドです(笑)。
RAMMSTEINなんかも火炎放射器を使ったイカレたライヴが話題になってますからね。英語とかドイツ語とかは「音楽良けりゃ関係ねえよ」って事で、ガイジン的にはやっぱ細かいことは気にしないみたいです。こういう音楽はマリリン・マンソンみたいなオドロオドロした感じが好まれるんでしょうか。

BURRN!はそんな感じでいいと思いますよ。
大好きなANGRAが6位に入ってラッキーです(笑)。
個人的にはGAMMA RAYやIN FLAMESも入れたいところですけどね(笑)。
あくまで"万が一"だけど、「デビュー」に縛られなければBLIND GUARDIANの新作に100票ぐらい入れたいです(爆)。

Panteraのように、本当のデビュー・アルバムではなくメジャー・デビュー・アルバムがアリ、

ということであれば
Metallicaの偉大なアルバム「Master of Puppets」もアリになるので、
この集計は少しずるいような…。
しかし、ランキングとしては、非常に面白いですね。

こういうランキング大好きです(笑)。

自分は真っ先にヴァン・ヘイレンの1stを思い浮かべましたが、若い方には少し古いアルバムかもしれませんね。

BFMV好きですが、1stはスクリームが多すぎてそんなに好きでないです。3rdのような路線で彼らには行って欲しいです。BURRN!の予想は愛と皮肉が込められていて笑えました

これをジャパメタで括ってランキングしたら面白そう。
LOUDNESS、X辺りが思いつきましたが、B!的にはCONCERTO MOONも欠かせないかな?(笑)

私はまっさきにBlack SabbathとLed Zeppelinを思い起こしました。
投票結果から察するに若いHR/HMファンがほとんどなのでしょうね。

ごめんなさい。「過去25年間で最も偉大なデビュー・アルバム」でしたね。

よく文章を読まずにコメントを残してしまいました。申し訳ございません。

「過去25年間」を見落としてましたw
すみません。

まとめてお返事

>ストラディキャスターさん
なんか英米の人は非英語のバンドを聴かないイメージがありましたけど、最近はそうでもないみたいですね。
しかしブラガの最新作をそこまでお気に入りとは…。


>Loki Holstさん
PANTERAの場合は確信犯なのか本当に知らないのか、今ひとつ判断できないですよね。
「MASTER OF PUPPETS」がMETALLICAのデビュー作、と言ったらものすごくバカにされそうな気がします(笑)。


>小梅さん
オールタイムのベスト・デビュー作であれば確実に挙がってくるアルバムでしょうね。
HR/HMに限らず、ロック史上でも屈指の強力なデビュー作ではないでしょうか。


>B!13さん
ジャパメタだとちょっと頭数が不足しそうな気がしますね。
LOUDNESSもXもデビュー作についてはまだまだ発展途上な印象ですしね…。
CONCERTO MOONは最近のBURRN!誌からは見放されている気がします。


>ジンさん
その辺もオールタイムのランキングならきっと入ってくるでしょうね。
投票しているのが若い連中ばかりなのは事実でしょうけど、それはそれで頼もしい話です。
BURRN!でやったら投票者の平均年齢が30歳を越しそうですからね(苦笑)。

いつもブログ楽しく読ませていただいていますが、コメントは初です。
BURRN!だったら、”きっとこんな感じ”の2位のバンドについて、昔から不思議に思っていたことを
adoreさんだったら、どのように感じているのか、お聞きしたくて書いています。
私はジェイムズ&ラーズ、ジャック・ブレイズ、エリック・マーティンも暮らす
USA西海岸の都市に暮らして十数年、BURRN!創刊時からの読者です。
なんでMR.BIGは日本で(アジアで)あんなにも永遠に人気あるんでしょうか?
8月に、エリックの地元である、この街で13年振りにMR.BIGがライブしたけど、客は300人ぐらい。
ちなみに13年前も、別のライブ・ハウスで観ていますが、客200人いたかどうか…。
エリックは、”子供の頃から地元の歴史ある、このライブ・ハウスのステージに立ちたくて、
念願かなって、うれしい!”と、かなり感激していましたが…
はっきり言って、4月に別のライブ・ハウスで観たACCEPTの方が客が入っていました。
友人のアメリカ人のHM・HRファンが口々に言うには、歌も演奏も上手いけど、曲がつまらない。
私はエリックの歌声は好きだけど、MR.BIGの曲は特に好きじゃないけど…日本だったら考えられないくらい、
近距離でメンバー見れる!なんて安易な理由でライブヘ行きました。
メロディが特に日本人の琴線に触れるのでしょうか?
BURRN!の彼らの特集も表紙の回数と言い、すごいですよね。
あまりにも彼らの長年の日米での人気の差を日頃から疑問に思っているので、長々書いて失礼しました。 

自分の感性はB!誌よりもMETAL HAMMER誌に近いようですねw

ガンズとリンキンとBFMVとRATMを抜いて、In Flames、Carcass、Obituary、Testamentを入れると自分の基準に近くなってきますw

LOUDNESSとの出会い

確かにその後数々の名作を残してますね彼らは。でもLOUDNESSをリアルタイムでLAZY時代から聞いていた人は
「「誕生前夜」の一曲目の‘‘LOUDNESS’’のタッカンのアーミング?に二井原のシャウトを聞いたときに「日本のメタル」が始まった」って感動したそうです。
ちなみに僕が初めて母に聞かされて聴いたメタルもこの曲です^^最初は「声が腐ってる(激怒)!!」って言ってました(苦笑)その後‘‘Crazy Doctor’’を聴いてぶっとびましたが

話変わりますがReckless Love買いました?先行の「Hot」はクソ明るい曲でしたが、
思ってたより哀愁のある曲も多くていいですよ

RAMMSTEINの評価が意外に高くて驚いています。

GAMMARAYがドイツ産だという理由だけで学部1年生のときにドイツ語を選んで早9年、そのせいでドイツ文学を専門に選んでしまい、挙句の果てに大学院にまで進んでしまったので、ドイツ語にたいする思い入れはそれなりにあり、ドイツ語でメタルをやっている彼らにも何となく一方的なシンパシーを感じています。日本でももっと評価されるといいんですけどね。

まとめてお返事2

>Sashaさん
はじめまして。西海岸にお住まいなんですか。色々なHR/HMミュージシャンに会えそうですね!

MR.BIGについては、アメリカ人と日本人の音楽的嗜好の違いとしか言いようがないのではないでしょうか。

リフといい歌メロといい、アメリカのバンドにしてはあっさり/さっぱりしているので、アメリカ人には脂っこさが足りない一方で、日本人には聴きやすいのではないか、などと考えています。

あとは音楽における演奏技術をどれくらい重視するかという比重がアメリカ人より日本人の方が高い、とか、他のアメリカのロック・ミュージシャンたちに比べるとワルっぽくなくて「良い人」に見えることも日本人にとっては親しみやすいポイントなのではないでしょうか。


>cthuさん
その辺を抜かれたら私の嗜好とはさらに乖離してしまいますね(笑)。いや、IN FLAMESやTESTAMENTは大好きですが。
まあここに書いたBURRN!誌のランキングは私の捏造というか妄想なので、これをベースに語られると困ります(笑)。


>B!13さん
私が初めて「Loudness」を聴いたときは「歌詞がダサすぎる…」と思いました(笑)。
それ以前に海外進出後のアルバムを複数枚聴いていただけに、まだまだこの頃は発展途上だったんだなあ、と感じましたが、当時の日本のロックシーンにおいては画期的な音だったんだろうということも今なら理解はできます。

RECKLESS LOVEは買いました。そのうち感想書きます。


>Endeさん
ドイツ語9年! 凄いですね。
私は品詞に性別があることについていけず、中国語に逃げました(苦笑)。

RAMMSTEIN、日本ではイマイチ人気ないですよね。
大半の日本人にはどうせ英語もドイツ語もよくわからないんだから、言語が壁になっているとしたら妙な話なんですけどね。

まあ、そもそもBURRN!好みの音楽性ではないというのが問題なのかもしれませんが。

個人的には、RAMMSTEINはやはり歌詞世界を抜きにしては聴けないと思います(それはドイツ語詞がわからなくても、対訳を読めば解決する問題ですが)。"Morgenstern"なんか曲も歌詞も美しくてわたしは好きです。

> 私は品詞に性別があることについていけず、中国語に逃げました(苦笑)。

名詞が3種類に分類されるだけで、男性、女性、中性という呼び名は便宜的なものだと思います。日本語に尊敬語や謙譲語があるのと大差ないのでは。中国語こそ、発音の複雑さに難儀しそうです……。

>Endeさん

そう言われてしまうと基本的に歌詞を読まない私としてはRAMMSTEINについては何も言えませんねー(笑)。

謙譲語や尊敬語がある日本語も、私が外国人であれば絶対に学びたくない言語だと思います(笑)。

中国語はたしかに発音が難しいですが、読解がなんとなくできるのでそれがせめてもの救いでしたね。