DRAGON GUARDIAN / 聖魔剣ヴァルキュリアス

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勇者アーサー率いる同人メタル・プロジェクトの通算5作目となるフル・アルバム(企画盤やリメイク・アルバムを除く)。

メジャー流通となった前2作でVoを務めていたFuki嬢は、自身の所属バンドであるLIGHT BRINGERがメジャー・デビューした関係か本作には参加せず、本作のVoは勇者アーサーの別プロジェクトである桜牙に参加経験のある青葉りんご、野宮あゆみ、みーや、実谷ななといった女性シンガー(声優?)が楽曲ごとに分けあって担当している。

本作ではこれまで打ち込みだったDrが錬金術師シャローテイルなる人物による生演奏になっている。既に前作時点でかなり良質なサンプルを元にクオリティの高い打ち込みサウンドを実現しており、もともと生ドラムならではのグルーヴをそれほど必要としない音楽性でもあるので、生ドラムの必要性をそれほど強く感じていなかったが、やはり生ならではのパワフルな突進力が時にDRAGONFORCEを思わせる強烈な疾走感を生んでいる。

音楽性はこれまで通りメロディック・スピード・メタルをベースに、アニメソングやゲーム音楽由来のクサいメロディをふんだんに盛り込んだ典型的な「クサメタル」サウンド。

時にブラスト・ビートなどヘヴィな要素を持ち込んだり、ヴァイキング/フォーク・メタル風の楽曲にもトライして幅を出す工夫はしているものの、クサいメロディの印象が強いため、聴き終えた際の印象はやや金太郎飴的なものになってしまうのはいたしかたない所か。

#3や#6など前作に比べやや「陽」のメロディが増えたような印象があり、さらに前作では排されていた声優のセリフによる小芝居が復活していることや、Voの資質もあって、全体の印象としては前作よりも「同人メタル」な方向に揺り戻された印象。

楽曲の完成度・密度はこれまで同様非常に高く、ライトノベルめいた歌詞世界や、ナレーションやキャラクターのセリフに象徴される同人テイストに抵抗のないメロスピ・ファンであれば文句なく楽しめることだろう。

ただ、個人的な感想は、やはりFuki嬢のヴォーカルはメジャーに行く人間ならではの華があったんだなあ、というもので、本作で歌うVoの面々も歌唱力は充分ながら、音楽全体の印象をややB級なものにしてしまっていると思われるのが残念。

#6「天界への切符」にVERSAILLESのTERU(G)がゲスト参加し、ギター・ソロを弾いており、同人メタルとヴィジュアル系メタルのコラボレーションが実現しているのはちょっとしたトピックか。

ちなみに本作の初回版に付属しているDVDは去る2月26日に鴬谷の東京キネマ倶楽部という、メタルのライヴとしてはやや変わった会場で行なわれたLIGHT BRINGER、MinstreliXとの対バンイベント「暗黒舞踏会 2011」におけるライヴ・パフォーマンスを収録。

内容はブツ切り気味の編集が難だし、パフォーマンス自体もプロフェッショナルとは言い難いが、ライヴが少ないプロジェクトなので、ファンにとっては貴重な映像。歌っているのはFuki嬢なので、LIGHT BRINGERがブレイクしたら別な意味で貴重になるかも?(笑)。【85点】

◆本作のクロスフェード・サンプル [YouTube]


◆本作収録「機械仕掛けの神 -Short Ver.-」PV



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コメント

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これ聴きましたよ(笑)。やはり前よりか突進力というかスピードが増してさらにアニメになってます。タイトル曲#9が好きです。

それに結局DRAGONLANDも買いました(笑)。KAMELOTの「THE FOURTH LEGATHY」に近いです。クラシカルなアレンジが増してスケールアップしてます。度肝抜かれたのと同時に、これがあのオロフのバンドか?と何度も首を傾げたりして。
今年のSTRATOVARIUSやRHAPSODY OF FIREと並ぶぐらいと言ってもおかしくないでしょうね。
あのヘタレB級バンド(言いすぎ?)がすごい成長を遂げてますので、まだなら試してみては?けっこう売れてるみたいですよ。

ドラガーは今回パスしてしまいました。あまりに気になるCDのリリースが多すぎます(汗)買った方のレビューなんかに目を通すとタイトル曲が結構人気みたいですね。サンプル聴く限りでは今までより疾走曲多めな印象。

私も同じくDRAGONLANDの最新作のクオリティの高さにビックリしました。KAMELOTやラプソ的要素が大幅増量してます。

まとめてお返事

>ストラディキャスターさん
DRAGONLANDは買ったのですが、同時期に買ったCDが多すぎて未だに未開封です…。後で聴いてみます。


>学生メタラーさん
疾走曲は元から多かったですが、今回は生ドラムになったことでより疾走感が増している感じですかね。

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>とおりすがりさん

ご指摘どうもありがとうございます。修正しておきました。

日本でメタル作ろうとすると結局こうなるんですかねぇ。
DefiledやChurch of Miseryみたいなバンドがもっと出ればいいのに。

購入しましたが....

今回のDragon Guardianのアルバムは、楽曲のメロディ、疾走感は非常に完成度の高い出来だと思います。

しかし、今回のヴォーカルがFuki嬢に比べると「声優が歌いました」レベル程度なので、

そこが残念な感じですね。まぁ、もとが同人メタルなので仕方ないでしょう。

>cthuさん

いや、このバンドの音楽は「主流」というものが明確に存在しない現在の日本のメタル・シーンにおけるひとつの流れでしかないと思いますよ。
それはDEFILEDやCHURCH OF MISERYもそうだと思いますが。

DEFILEDやCHURCH OF MISERYのようなバンドがもっと出てくるには、そういう音楽の人気自体が上がって、プレイする人、聴く人の両方の層が厚くならないと難しいでしょうね…。

>メタライヴさん

メタル者としてはこのプロジェクトにもっとメタル・シンガー然としたVoがいればもっとカッコよくなるのに、と考えてしまいますが、きっとそれは勇者アーサー氏のビジョンとは異なるんでしょうね。