STEEL PANTHER / FEEL THE STEEL

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巷で話題のSTEEL PANTHER。

FOZZYのようなしょうもない架空のバイオグラフィーはレコード会社の公式サイトで読んでいただくとして、彼らは元々METAL SHOPやMETAL SKOOLという名前で活動していた80年代ヘア・メタルのトリビュート・バンドだった。

ハリウッドはサンセット・ストリップの有名クラブである「Key Club」のレジデンス・バンドとして活動するうち、高度な演奏力と下ネタ満載のMCによるステージが次第に話題となり、彼らの出演する夜は常に大盛況。

かつてヘア・メタル・ブームの当事者であったミュージシャンやそのファンであった現セレブまで、「業界人」の間でも大評判となり、ついに「UNIVERSAL」との契約を獲得、バンド名を「STEEL PANTHER」に変えてリリースしたアルバムが本作である。

こういうパロディ・バンドみたいな存在が「本物」であった試しはないし、ロックの歴史に名前を残すようなことはないと個人的には思っているが、こうしてアルバムを聴いてみると、なかなかどうして楽しめる。

歌詞については、英語がネイティヴな人にとってはそれだけでこのバンドを真剣に受け止めることができなくなるような破廉恥な代物だが、私のように読み書きはそこそこできるけど、話す・聞く方はさっぱり…という日本の英語教育の歪みを証明している人間にとっては、単純にカッコいい80年代型HR/HMだ。

それぞれの楽曲の音楽的な「元ネタ」についてはBURRN!誌の8月号に詳しいのでここでは触れないが、「モロにあの曲」というあからさまなものから「なんとなくあのバンドっぽいね」という程度のものまで、なかなか巧みに消化して聴かせてくれる。

個人的にはちょっとIRON MAIDENっぽいツイン・リードがカッコいい#4「Eyes Of A Panther」が一番気に入っているが、「Here I Go Again」を思わせる#5「Fat Girl」や、トーキング・モジュレーターが否応なしに「Livin' On A Player」を彷彿させる#7「Party All Day」なんかも捨てがたい。

そして噂どおり演奏は達者なもので、特にギターのサッチェルことラス・パリッシュは、かつて在籍していたFIGHTのヘヴィ・リフ主導型の音楽では今一つ伝わってこなかった「G.I.T.」講師ならではの超テクぶりをそこかしこで見せつけている。

80年代のHR/HMを実体験した人にとってはニヤリとさせられるだろうし、元ネタを全然知らないような若い人にとっては高品質なメロディアスHR/HMとして楽しめるのではないだろうか。

日本のユニバーサルは「LAメタル復活!」みたいな煽りをしているが、実際の音楽にはLAメタルだけでなく、BON JOVIやIRON MAIDEN、Y&T、WHITESNAKE、YNGWIE MALMSTEENといったLA以外の80年代メタル・バンドのエッセンスもたっぷりと含まれている。

これは恐らく、「ヘア・メタル」というワードがあまり日本では浸透していないため、それよりはより知名度が高く、「ハデハデしいHR/HM」というイメージを端的に象徴している「LAメタル」というワードを使ったほうが「わかりやすい」という判断によるものだろう。

先日原宿アストロホールで行われた来日公演はチケットがすぐに完売してしまったため観ることができなかったが、個人的にこういう音楽は小さなクラブよりもアリーナのほうが向いていると思うので、LOUD PARK 09のステージはかなり楽しみにしています。【85点】


◆STEEL PANTHERのMySpace
http://www.myspace.com/steelpantherkicksass
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