VAN CANTO / METAL A CAPELLA

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欧州のメタル・ファンの間ではかなり知られた存在である5人のシンガーとドラマーによるドイツ出身のメタル・ヴォイス・パフォーマー集団VAN CANTOの日本独自企画盤。日本のみのリリースにもかかわらず、なぜかオビには「アカペラ・メタル」という「邦題」が記載されている(笑)。

2010年に発売されたサード・アルバム「TRIBE OF FORCE」で既に日本デビューを果たしているが、正直日本での知名度はあまり上がっておらず、2011年9月に欧州では4thアルバム「BREAK THE SILENCE」がリリースされたものの、日本のレコード会社であるAVALONとしては彼らがこれまで発表してきた多くのカヴァー音源をコンパイルしたこの企画盤によって彼らの知名度を高めることを優先したようだ。

その選曲は以下の通り。

01. Battery (METALLICA)
02. Carry On (ANGRA)
03. Kings Of Metal (MANOWAR)
04. Stormbringer (DEEP PURPLE)
05. The Bard's Song (BLIND GUARDIAN)
06. Rebellion (GRAVE DIGGER)
07. Bed Of Nails (ALICE COOPER)
08. Bad To The Bone (RUNNING WILD)
09. Master Of The Wind (MANOWAR)
10. Fear Of The Dark (IRON MAIDEN)
11. Wishmaster (NIGHTWISH)
12. Master Of Puppets (METALLICA)
13. TAKE TO THE SKY (オリジナル)

ドイツのバンドであるBLIND GUARDIAN、RUNNING WILD、GRAVE DIGGERが取り上げられているあたりはドイツ出身ならでは。ドイツで人気の高いMANOWARが取り上げられているあたりも含めて、「ドイツっぽい」選曲と言える。

彼らの音楽がどんなものであるかについては、ここで文章によって表現するより実際に聴いてもらったほうが手っ取り早いだろう。

◆彼らが注目を集めるきっかけになったMETALLICA「Battery」のカヴァー [YouTube]


◆女性シンガーの存在がフィーチュアされたNIGHTWISH「Wishmaster」のカヴァー [YouTube]


なお、本作にはボーナス・トラックとしてハンズィ・キアシュ(BLIND GUARDIAN)がゲスト参加した彼らのオリジナル曲「Take To The Sky」が収められている。

元々彼らはカヴァー・アクトなどではなく、実際にギターなどが弾けるメンバーが集ったオリジナル曲をプレイするバンドであるだけに、下手なメタル・バンド顔負けの勇壮でカッコいい楽曲に仕上がっているので、本作で彼らに興味を持った人はぜひオリジナル・アルバムにもトライしていただきたい。

というか、むしろカヴァー曲についてはイロモノっぽさが際立ってしまうような気もするので、個人的には痛し痒しな企画盤だと思います。

◆彼らのオリジナル曲「Lost Forever」[YouTube]

疾走感のあるサビがカッコいい。なお、この曲は本作に含まれていません。




※追記:VAN CANTOについて補足

ドイツはマインツのパワー・メタル・バンドJESTER’S FUNERALのVoだったステフことステファン・シュミットによって2005年に結成されたこのプロジェクトは、当初必ずしもシリアスなものではなく、レコード契約が得られるとも思っていなかったようだが、自主レーベルからリリースしたデビュー・アルバム「A STORM TO COME」が話題となり、他のメンバーが在籍していたDEADLY SINやFADING STARLIGHTといったバンドを脱退し、このバンド一本でやっていくことを決意している。

『G.U.N/Sony BMG』と契約した彼らはTV出演やWACKEN OPEN AIRへの出演によってさらに知名度を高め、前作におけるBLIND GUARDIANやRHAPSODY OF FIREに影響を受けたと思しきクワイアをメインにした作風から、より「口リフ」をフォーカスしメタル度を高めたセカンド「HERO」にはBLIND GUARDIANのハンズィ・キアシュ(Vo)もゲスト参加。チャーリー・バウアファイントによるプロデュースもあってよりタイトな仕上がりになっている。

『G.U.N』のレーベル閉鎖に伴って『Napalm Records』に移籍して発表されたサード・アルバム「TRIBE OF FORCE」はGRAVE DIGGERのクリス・ボルテンダール(Vo)、SONATA ARCTICAのトニー・カッコ(Vo)、RAGEのヴィクター・スモールスキ(G)など豪華なゲストを迎え、オーケストラとの共演も果たした力作で、本国ドイツではナショナル・チャートの83位にランクインする成功を収めた。

その後BLIND GUARDIANの「AT THE EDGE OF TIME」やTARJAの「WHAT LIES BENEATH」にコーラス隊としてゲスト参加したり、WACKEN OPEN AIRにGRAVE DIGGERが出演した際にコーラスとして客演したりと幅広く活躍、RPGゲーム『Runes Of Magic』とのコラボPVを制作するなど活動の場を広げている。

ちなみに彼らがドラマーだけは普通のドラマーを起用しているのは、ドラムをクチでやると、どうしてもヒップホップのヒューマン・ビートボックスのようなものになり、メタル的なダイナミズムが演出できないから、とのこと。

◆文中で紹介したRPGゲームとのコラボPV「Magic Taborea」[PV]

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コメント

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ダビダビダビ・・・

日本デビュー盤とその前の輸入盤を興味本位で聞いていましたが、このバンド(集団?)は面白いですね。

ダンディギダンディギとかヌメヌメヌメとか、
メタルのリフやバッキングを口でこう表現するか~と感心しながら聞いておりました。
数多くやっているカバーも忠実にコーラスで再現していて楽しめましたが、オリジナルも結構いいですよね。

こういうのがLOUD PARKに来てくれるとフェスが面白くなると思うんですが。

初めてPV観た時は「あ、ドラム以外楽器いらないのね(笑)」と衝撃でした。
あのエフェクトをかけたギターみたいな音はどうやったら出せるんでしょうね…。

個人的にカヴァー曲より「Speed Of Light」のようなオリジナル曲の方に魅力を感じます。
http://www.youtube.com/watch?v=Shw3lYC6DsY

俺も正直知りませんでした。
ハンズィが出てるなら聴いてみようかな?
音楽ってうんちくより聴いた方が早いしね。
そもそも自分達も元々はドコドコのツーバス聴いて一目惚れ(一聴惚れ?)したわけだし。

ハンズィといえばブラガのベスト盤ですが、まだ国内盤の情報が出てないので少し気になってます(笑)。
ビクター、早くリリースしてくれ(笑)!

最初のばてり~ば~ってり~にちょっと笑ってしまいましたが、なかなかおもしろいですね。ギターソロもあるし、リフの表現もおもしろい!でも、オリジナルはカッコよかったです。カバー曲はイロものっぽさ全開になりますが、世に出るために必要だったかもしれませんね。

まとめてお返事

>Dさん
擬音の表現というのは言語によってだいぶ変わりますから興味深いですよね。
たしかにLOUD PARKで観てみたいバンドかもしれません。


>学生メタラーさん
あのギターソロはたぶん、何らかのエフェクターをマイクにかけているのではないかと思っています。
私もこのバンドはオリジナルの方がカッコいいと思うので、むしろオリジナルの「バンド・バージョン」を聴いてみたいです(笑)。


>ストラディキャスターさん
> 音楽ってうんちくより聴いた方が早いしね。
こういうサイト/ブログの息の根を止めるひと言ですね(笑)。


>MACCOさん
世に出るための道具としてはだいぶカヴァーの曲数が多めですが(笑)、私もカヴァーをきっかけにオリジナルのカッコよさを知ったので、やはり必要悪(?)だったということなんでしょうね。

>あのギターソロはたぶん、何らかのエフェクターをマイクにかけているのではないかと思っています。

あれ、エフェクターほとんどかまさずに全部声ですよ。ライヴ映像見ましたけど、まったく変わらないです。
そもそもボーカルにかけられるエフェクターは、あそこまでワウっぽい音へと弄れるものはないので、やっぱりほぼ声オンリーなのではないかと。

>cthuさん

お詳しいんですね。
てっきりトーキング・モジュレーターみたいなものを使っているのかと思ってました。

おもしろいですね

オリジナル曲、かっこいいですね。
こういうのはCDより是非ライブで見たいです。来日してくれないかなー。

>てっきりトーキング・モジュレーターみたいなものを使っているのかと思ってました。
右側後ろのボーカルの人の足下にエフェクターボードみたいなものがみえるので、ギターソロっぽく聞こえるところだけなにかやってるかもしれませんね。

>ねこまたぎさん

たしかにライヴで観ると面白そうですね。
ただ、これだけで2時間とかはキツそうなので、何か相性のいいバンドの前座で観れたらな、と思います。

ギター・ソロ・パート、人間の口から出るとは思えない音がありますよね。
とはいえテレビとか見てると世の中には信じられないようなことができる人がいるので何とも言えませんが。