THE MAGNIFICENT / THE MAGNIFICENT

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ノルウェーのプログレッシヴ・メタル・バンド、CIRCUS MAXIMUSのヴォーカリストであり、昨年はロイ・カーン離脱後のKAMELOTのライヴで代役を務めたことでも話題になったマイケル・エリクセンと、フィンランドのメロディック・メタル・バンド、LEVERAGEのギタリストであるトースティ・スプーフによるプロジェクトのデビュー作。

プロジェクトの発端は、マイケル・エリクセンが数多くの企画プロジェクトを立ち上げている『FRONTIERS RECORDS』に何か仕事はないかとメールを送ったことだそうで、そのオファーに対してレーベルがトースティを紹介したことがきっかけだという。

身も蓋もない言い方をすれば、CIRCUS MAXIMUSのアルバムがなかなか出ないのでヒマだったマイケルが小遣い稼ぎに始めたプロジェクト、という感じでしょうか。

マイケル・エリクセンというと、声質・歌唱力という点だけで言えば個人的には00年代以降に登場したヴォーカリストで1、2を争うほど好きなヴォーカリストで、そんなシンガーがメロディアス・ハードという歌をメインにした方向性の音楽をやる、ということで非常に期待していたプロジェクトであった。

そしてBURRN!誌のレビューも91点という高得点を獲得、「メロディ愛好家は借金をしてでも買いなさい」という「藤木節」が炸裂。日本盤リリース元であるスピニングには若干BURRN!誌との癒着疑惑があるので(私個人の中で/笑)、多少下駄は履かせている点数であるにせよ、質が低いということはあるまい、と思っていた。

そして実際本作は質の高いメロディアス・ハード作品ではある。JOURNEYやFOREIGNERといった80年代ロックへのオマージュであるという本作のサウンドはキラキラしたKeyによるゴージャスなアレンジに彩られたポップなメロディが満載の優れたメロディアス・ハード/ハード・ポップ・アルバムだ。

ギターのサウンドがかなり硬質でエッジが効いており、ギター・ソロも単なる間奏に留まらないテクニカルなフレーズを弾きまくっているあたり、一番サウンドの印象が近いのは初期のSHYだろうか。

ただ、LEVERAGE同様、楽曲の平均点は高いもののキメ曲に欠けるのが難点と言えば難点で、CIRCUS MAXIMUSの生んだ名曲ハード・ポップ・チューン「Arrival Of Love」のようなキラー・チューンを期待していた身としてはやや肩透かしな点があったこともまた事実。まあ、このクオリティで文句を言っていたらバチが当たるというものだが…。

ヴォーカルが最高に素晴らしいメロディアス・ハードのアルバムということで期待して買ってみたら、その期待に100%応えるものではなかったという意味ではミケーレ・ルッピのソロ・プロジェクト、MICHELE LUPPI’S HEAVENの「STRIVE」を思い出しました。

まあ、本作はそれに比べればずっと私好みで、客観的なクオリティも高く、メロディアス・ハード/ハード・ポップのファンであれば聴いておくべき一枚だとは思います【83点】。

◆本作収録「Memories」


◆こんな曲を期待していた、CIRCUS MAXIMUS「Arrival Of Love」



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コメント

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遅ればせながらあけましておめでとうございます
今年も運営頑張ってください。草葉の陰から応援しますw

このアルバム、発表前はいろんなサイトでも期待値が高かったですけど、期待しすぎた反動からか、
まあまあみたいな意見が多いという気がします。
僕の感想は、もちろん良いですけど、やっぱり期待しすぎかな?

FRONTIERS RECORDSがんばってますね。

今やイタリアのFRONTIERS RECORDSは、メロディアス・ハード・ロック製造機と化していますね(笑)
玉石混合なので、油断できないんですが…。

最近の、メロディアス・ハード・ロックの傾向としては、必殺のキラー・チューンがあまり見当たらない…というのが私の個人的な感想です。
だから、BURNN!紙で絶賛されてもすぐには手をださないようになってしまいました(笑)

この作品についても、ちょっと悩んでいますが、1曲聴いて心動かされるものはありました。
やっぱりヴォーカルがすばらしいですね。

2005年にFRONTIERS RECORDS がデニス・ワードとマイケル・キスクを引き合わせてPLACE VENDOMEというプロジェクトを作って良質な作品を作り上げたときは、本当にうれしかった。
FRONTIERS RECORDSよ、よくやったと思いました。
今回もいい仕事をしたと思います。

NOV-LYNNさん

あけましておめでとうございます。草葉の陰って、縁起でもない(笑)。

たしかに本作は期待度が高かった分、ちょっと肩透かしな印象もありますね。平均点は軽くクリアしている作品であることは間違いないと思いますが。

>ミュウさん

サウンドのクオリティは平均的に高いのになぜだかキラー・チューンがないというのはおっしゃる通り近年のメロディアス・ハードの傾向だと思います。
っていうかもう近年メロハー=FRONTIERS RECORDSって感じですけどね(笑)。

とはいえこのレーベルは(その良し悪しは別として)前向きな姿勢の感じられる、企画力のある優れたレーベルだと思います。

あらー

僕は、このアルバム物凄く気に入りました。
CIRCUS MAXIMUSの「Arrival Of Love」級の名曲はないですが、存分に堪能できました。多分、僕がLEVERAGEも好きで、キラー・チューンがなくても満足できる体質だからなんだろうと思います(笑)
このプロジェクト、単発で終わって欲しくないですねぇ。

耳馴染みが良いんで私も結構気に入っています。
キラーチューンがない、とあちこちで言われていますが「Memories」やその次のバラード「Angel」は頭一つ抜けてると思います。前者はCIRCUS MAXIMUSのメンバーが作曲した曲らしいですね。

個人的にエリクセンにはKAMELOTのようなシンフォニック系のパワー・メタル・バンドをやってほしいですね。

近年Frontier Recordsのメロディアス・ハード系の企画モノが乱発気味(?)で正直ちょっと食傷気味だったのですが、やはりチェックしてしまいましたw。

マイケルの人懐っこく澄んだ美声は、CMのIsolate以来4年ぶりですが相変わらず堪らないものですね。バラードの4がお気に入り。

まとめてお返事

>ピッペンさん
返事が遅くなってすみません。
音そのものは意外とLEVERAGEに似てないような気がしますが、いずれにせよ高品質のメロハーであることは確かですね。
売れれば続くのではないでしょうか(笑)。


>学生メタラーさん
なんとなくその2曲の評判がいいみたいですね。
キラーチューンがない、というのは私のように心のハードルを上げすぎた人間の感想だと思います(笑)。


>ハルディンさん
「FRONTIERS RECORDS」、たしかに乱発のようでいて、なかなか絶妙なキャスティングで安心のクオリティな作品を出して来るんですよねえ…(笑)。
マイケル・エリクセンの声はイイですよねえ…。こんな声で歌えると気持ちいいでしょうね。