VAN HALEN / A DIFFERENT KIND OF TRUTH

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1998年の「VAN HALEN III」以来14年ぶり、オリジナル・シンガーであるデイヴィッド・リー・ロスが歌うアルバムとしては実に28年ぶり(「グレイテスト・ヒッツ」を除く)のニュー・アルバム。

ゲイリー・シェローン(EXTREME)が歌った「VAN HALEN III」は個人的にはノーカンな印象なので(すまぬゲイリー)、「BALANCE」以来って感じかなぁ。

「BALANCE」のリーダー・トラックだった「Can't Stop Lovin' You」なんて「高校時代のせーしゅんの一曲」みたいな感じなので、そう考えるとなんかうわぁ、って気分になりますね。

ましてや、彼らのことをデビュー当時から愛している、あるいは「Jump」でファンになりました、なんて人にとっては感無量なのではないでしょうか。

ライヴ等はたまにやっていたとはいえ、これだけ長いことスタジオ・ワークから遠ざかっていると、さしものVAN HALENと言えどちょっと錆びついてるんんじゃないの? などと思っていましたが、これが予想以上に良い出来で驚きました。

もうこのギターとドラムの音が聴こえてきた時点で問答無用のVAN HALENって感じですわ。やっぱこの兄弟は凄い。

楽曲もね、個人的にはデイヴ在籍時のVAN HALENって割と曲の出来がバラついている印象があったんですが、今回はなかなかどうして粒が揃っている。

「Ain't Talkin 'bout Love」とか「Jump」、「Panama」みたいな一撃必殺のキラー・チューンはないかもしれないけど、平均点だけならデイヴが参加したアルバムの中でもかなり上位に来るのでは。

まあ、曲をストックする時間はたっぷりあった、というのはあるかもしれませんけどね。
サミー・ヘイガー在籍時に書いた曲で、「こりゃサミー向きじゃないな」なんて理由でボツにした曲でも、デイヴが歌うならアリだった、みたいな曲もあるのかもしれませんし。

いずれにせよ、相当緻密に作り込まれてて複雑なのにこれほどダイナミックなロック・サウンドとして響かせることができる、いやむしろ大味な印象さえ与えることができるというのはデイヴ・リー・ロスがいるVAN HALENの稀有な個性だと思います。

もう結構な年齢なのに、まるで落着きを感じさせないエネルギッシュなサウンドで、やはりこのバンドは特別だと感じましたね。

マイケル・アンソニー(B)の不在は、とりあえずコーラス・パート以外ではほとんど感じませんが、まだ若いウルフギャング・ヴァン・ヘイレン君がマイケル・アンソニー以上にベースが上手いとは思えないので、むしろライヴでメンバー・チェンジの影響を感じることになるのかな。

まあ、たとえそうであっても来日公演が実現したら観に行きたいと思っていますが。

◆本作のリーダー・トラック「Tattoo」のPV [YouTube]


◆本作収録「China Town」のライヴ映像 [YouTube]





蛇足ですが、広瀬編集長はBURRN!本誌の記事でも、本作のライナー・ノーツ上でも「自分はサミー・ヘイガー在籍時の方が好きだ」ということをほのめかしています。
いや、ほのめかすも何も、常々BLACK SABBATHについてオジー時代よりもロニー時代が好きだと公言していて、サミー・ヘイガー在籍時をロニー時代のBLACK SABBATHに例えているんだから割とあからさまですかね。

実際の所私もそう(サミー時代の曲が好き)なんですが、そういうメロディアスでキャッチーなサウンド、ありていに言うと歌謡曲的なサウンドを肯定する編集方針が日本におけるHR/HMをダサいものにしてしまったんじゃないかなあ、などと思ってしまいました。

まあ、私も基本的に歌謡曲指向というかメロディ重視派で、学生時代は「日本人に歌謡曲の心がないロックはなじまない。メロディが乏しいロックが好き、なんて言ってる連中は『ロックなサウンド』が好きな自分に酔ってるだけのポーザーだ」くらいのことを考えていたので、その編集方針については「共犯者」なわけですが(苦笑)。

今でもその音楽的好みの基本線は変わってませんが、年を取ってかつてほど音楽にこだわりを持たなくなった今の方が、こういう自分の嗜好から少し距離のある音楽も素直に楽しみ、評価できる気がします。

ちなみにこれくらいのビッグなバンドの新譜になると、会社でも年配の先輩との昼飯時の話題に上ったりするわけですが、ポップスを中心に洋楽を聴いてきたリアルタイム世代の人にとってVAN HALENは「『Jump』1曲だけの一発屋」という印象らしくてビックリしました。

「だって他にヒット曲知らないぜ」と言われると、まあ確かに日本ではそうだったのかもしれませんが…。

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コメント

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van halenに限らず、洋楽バンドの曲なんて1曲でも一般に知られてるだけでもマシだと思いますよ。パープルでさえ「Smoke~と「Burn」くらいしか知られて無いし、エアロに至っては、バンド名は有名でも日本で有名な曲は「Miss a Thing」くらいでしょう。洋楽を聞く日本人でキッスやメイデン、メタリカの曲を1曲でも分かる人って実際どのくらいいるんでしょうねぇ。
その意味ではヘイレンはまだ善戦してる方なんでしょうね。

Van Halenって世間からは一発屋って認識だったんですね。

ちょっと驚きです。

僕だってJUMP位しか知りませんでしたからしょうがないのかもしれませんね……。

前にTSUTAYAで一度1stを試聴をした事があったんですが、あんな分厚い音を70年代で出してたのが衝撃的でした。

JUMPやPANAMAだけを聴いて「このバンドは凄い」と思ってる内は彼らの「本当の凄さ」なんか全くもって分かっていなかったと思うと、凄く恥ずかしいです(苦笑)

>名も無きメタラーさん

DPは「Highway Star」や「Black Night」も比較的知られている気がしますが、まあたしかに洋楽のバンドの曲は一般層にはほとんど知られていませんね。

80年代に青春を過ごした人はMTV全盛期だったので比較的80年代の洋楽には詳しいことが多いですが、それでようやく「Jump」は知っている、というくらいなんでしょうね。

>Shuさん

世間というか、たまたまその先輩はそう思っていたというだけのことですが、まあそういう認識があっても不思議ではないくらい「Jump」の知名度は突出しているかもしれませんね。

でも、VAN HALENの凄さは「Jump」1曲でも(全てではないにせよ)充分伝わると思いますけどね。

確かにシェローンはVAN HALEN であってVAN HALENじゃないw

配信シングルのTATOOを聴いてイマイチだったんでどうしようかと思ってたんですよ。VAN HALENでもハズレはあるだろうし買ってみますかww

PS:息子の名前ですがウォルフガング(もしくはヴォルフガング)のようです。アマデウスから取ったそうです。

初期VAN HALENというのは、1984以降のVAN HALENやデイヴのソロに比べてわかりやすいポップさや華やかさはさほどなく(当時カヴァー曲が多かったのはそれを補うため?)
ノリの良さや土臭さとあのギタープレイでカッコ良く聞かせるものだと僕は思っているので、その意味では“あの時代のVAN HALEN”が戻ってきたと言え、
もう少しフックがあればと思いつつも概ね楽しく聴いています。

デイヴによればこのアルバムは1975~1977年に作った楽曲で構成されているということなので、“あの時代のVAN HALEN”だと感じるのも当然ではあるんですけどね。
その意味で次作がどうなるのか見えてこないのが少し気になるところ…新作が出たばかりでそんなことを気にしても仕方ありませんけど(笑)。

>メタルめんたいこさん

正直「Tatoo」は本作の中でもパッとしない曲だと思ってます。
アメリカ人にはまた別の感じ方があるのかもしれませんが…。

ドイツ語読みではたしかに「ウォルフガング」ですね。
オランダ系であるヘイレン家の意識ではそっちに近いかもしれません。

ただ、日本盤のオビやライナーノーツでは「ウルフギャング」という英語読みで表記しているので、一応当ブログではレコード会社の「公式表記」にならってみました。

>OBさん

なんというかVAN HALENのサウンドというのは、個々の楽曲の出来以前にVAN HALENの音、として気持ちよくなれる気がするんですよね。

1975~1977年に作った曲というのが事実なら、VAN HALENの音は古びてないんだなあ、とあらためて感心してしまいますね。

こんにちは。
私の青春の1曲がデイヴ時代のSomebody get me a doctorでして、adoreさんとの世代の違いを感じますね(笑)。
今回の新譜は、キラーチューンが1曲でも欲しかった所ですが、満足しています。
China townが気にいっております。

満足しつつも、ファンというのは贅沢なもので(笑)、次回作では、サミー時代に成長をみせた、エディの作曲能力をいかしたメロディアスなものをデイヴにも食わず嫌いなしで歌ってみてほしいものです。(サミーのような美声は無理でしょうけど)

ゲイリー時代の1枚は、ほとんど聴かずじまいでしたが、
来日公演は、かなり良かったと思ってます。
どちらの歌も歌ってくれましたから。(Unchangedの時は震えました、次回は是非デイヴの本物を聴きたいです)

新譜を聴きつつ、デイヴ,サミー時代の今までのアルバムを皆おさらいしなおそうと思ってます。
仰る通り、年を重ねると、幅が広がるというか、
私の場合は、大人になってからサミー時代になったので自分的には丁度よかったように思います。

>KYさん

「Somebody Get Me A Doctor」というとセカンドですね。
そのときに私は2歳ですから、VAN HALENはおろか、ロックという音楽の存在すら知りませんでしたね(笑)。

まあ、本作は概ね納得のいく仕上がりですが、さすがに最高傑作とまで言い切れる人はそんなに多くないと思いますので、ファンであれば「もっとやれるでしょ」と思いたくなりますよね(笑)。

ただ、サミー時代風の曲はデイヴだと音域が狭くて作りにくいのかもしれませんね。

VAN HALENを語る

VAN HALENの新作中々評判が良いみたいですね。

私も広瀬編集長やAdoreさんと同様に、サミ-時代の方が声もメロディーも良いので好みですな。

ただ、サミー時代はあくまでもBON JOVIやエアロスミスと同じ土俵であるメロディアスなアメリカンロックなのですが、独特のグルーヴというかVAN HALENならではの個性、格好良さを味わうならやっぱりデイヴ時代でなんでしょうね(^^;)。

VAN HALENといえば、世間一般では1st「VAN HALEN」か「1984」だと思いますし、広瀬編集長の一押し「5150」もまた良い作品ですが、私の好みはアルバムだと「BALANCE」で、曲だと「RIGHT NOW」です。

Adoreさんの好きなアルバムと曲を良かったら教えていただけませんでしょうかm(._.)m?

>ゆうていさん

私の好きなアルバムはベタですが「1984」と「5150」です。ただ、「F.U.C.K」も何気にかなり好きですし、個人的な思い出と結び付いているという意味では「BALANCE」も捨てがたいです。

そして実は最近一番ハマっているのはなぜか「OU812」だったりするんですが(笑)。

いずれにせよやはりサミー時代というか、ゆうていさんが仰るところの「BON JOVIやAEROSMITHと同じ土俵」で勝負しているアルバムが好きですね。

曲も悩みますね。「Jump」「Dreams」「Right Now」「Can't Stop Lovin' You」…どれも名曲ですが、あえて今日の気分で2枚組ライヴ盤に収録されているバージョンの「Dreams」の音源が至高、と言ってしまいましょう。

たぶん、「1984」以前の作品を挙げたほうが通っぽいと思われるんでしょうけど…。

KYさんの

「Unchanged」は、Oh!「Unchained」では?
すみません、凄く好きな曲なもので..m(_ _)m

>amarifitさん

あっ!すみません!つっこんでいただいてありがとうございます!逆にほっとしました(笑)。


私も凄く好きなんですが、間違えるなんてアハハですわ。

いろんなサイトで「ここにマイケルのコーラスがあれば・・・」みたいなレビューを目にしますが、そんなに重要なモンなんですか?
牛丼に紅ショウガがないような状態なのか、それとも肉がないような状態なのか
訳わかんない例えですいません(笑)

でもとりあえず、サミー・ヘイガーがボロクソに言うほど悪くなさそうですね

>NOV-LYNNさん

マイケルのコーラスの重要性…牛丼で言うなら紅ショウガ以上、肉未満という感じでしょうか(笑)。

新作、最高傑作ではないかもしれませんが、なかなか悪くないですよ。