アイドル界にメタル旋風?

AKB48のブレイク以来、かつてのモーニング娘。ブーム以来の少女アイドルグループバブルに沸いているJ-POPシーンですが、去る3月7日、その手の少女アイドル・ポップ関連の作品で、メタル・ファンにもちょっと気になるタイトルが2作同時に発売されました。

ひとつは、先日その楽曲PVがワールドワイドな注目を集めている、ということをこのブログでも取り上げた、アイドルグループ「さくら学院」内の「重音部」ユニットBABY METALの新曲「いいね!」と京都出身の「新世代ヲタイリッシュ・デス・ポップ・バンド」を標榜するメタルコア系バンド「KIBA OF AKIBA」のスプリットCD。

babymetal_kibaofakiba.jpg

スプリットCDなんてものはこれまで一般に単独では音源販売が難しいインディーズのバンドなどがやる企画で、およそ女子アイドルユニットが発売するものではないというのが通念だっただけに、なかなか斬新な企画。

BABYMETALの新曲「いいね!」は先日の「WOMAN’S POWER」で披露されていた楽曲で、ユーロ・ダンスにへヴィなギターを入れたようなポップな曲調にデス声が絡み、中間部ではヒップホップ風のブレイクダウンと、メロディック・デス・メタル的なへヴィ・パートが挿入されるカオスな楽曲。

「WOMAN’S POWER」で聴いたときにも感じましたが、この楽曲にフィーチュアされているデス・ヴォイスのグロウルは相当に極悪で、いったい誰がこの声を出しているのか気になります。

しかし、「そういうプロジェクト」とはいえ、女の子によるアイドル・ポップにデス声が使われるとは…。1990年前後、デス・メタルが台頭してきた時期、こんな時代が来るなんて誰が想像したでしょうか。

スプリットしているKIBA OF AKIBAは、昨年法政大学の学園祭にBLOOD STAIN CHILDのライヴを観に行った際、開演前のSEとして使用されていたことでその存在を知ったのですが、なかなかフックのあるKey入りのメタルコア・サウンドを聴かせるバンド。

彼らは歌詞などで自らオタクであることを標榜していますが、この手のコア系のサウンドにまで「オタク」が進出してきたという事実に、もはやオタクはマイノリティではなく一般人に包含される属性になったのだなあ、と感じます。そりゃ電通もオタク研究シンクタンク「オタクがラブなもの研究所」なんてものを設立するわけだ。

ボーナス・トラックとしてBABYMETALが、キバオブアキバの楽曲で、前述の学園祭の際に私(と連れ)の耳をとらえた曲である「君とアニメが見たい」を「君」である女子側の視点を入れてカヴァーした音源、および逆にキバオブアキバが、BABYMETALが知名度を上げるきっかけになった「ド・キ・ド・キ☆モーニング」をカヴァーした音源という、お互いの楽曲を「交換」した音源が追加収録され、こちらも面白い仕上がり。

なお、初回特典として付いてきた「カオティックバトルイリュージョントレカ」は「キバオブアキバの応援」という果てしなくどうでもいいカードでした(笑)。

◆BABYMETALの新曲「いいね!」のPV [YouTube]

2:17~あたりからのパートがイカす。そしてメインボーカルの女の子は何気になかなか歌がうまい。


そしてもうひとつは、昨年のLOUD PARK 11におけるANIMETAL USAのステージに登場し、ものすごく短い時間ではありましたが強い印象を残した(何しろ世の中に出たLOUD PARK 11関連のパブリシティの大半は彼女らの話題だけだったのですから)ももいろクローバーZのニューシングル、「猛烈宇宙交響曲・第七楽章『無限の愛』」。

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この楽曲は、1月からMBSほか、近郊U局を中心にオンエアされているテレビアニメ「モーレツ宇宙海賊」のオープニングテーマとして起用されており(ちなみにエンディングテーマはカップリングの「Lost Child」)、アートワークで彼女たちが着用している海賊風(?)の衣装は「新世紀エヴァンゲリオン」のキャラクターデザインを手がけたことで有名な貞本義行のデザインによるもの、ということでアニメ・ファンの注目を集めるものになっている。

そして、メタル・ファン的にはかのマーティ・フリードマン(元MEGADETH)がギターをプレイしているということがひとつの注目ポイントですが、個人的にはそれよりも楽曲自体がアレンジを変えればRHAPSODY OF FIREがプレイしてもおかしくないような、ドラマティックな展開を持つシンフォニック・メタル的な要素を持った楽曲であることに耳を引かれました。

私の記憶が正しければ、マーティはこの手のメタルはあまり好まなかったはずですが…「お仕事」として(あるいはネタとして)やる分にはOK、ということでしょうか。

まあ、これまで発表してきた楽曲や、メタル的な要素は皆無なカップリング曲から考えてもこの手のメタル的な楽曲が今後彼女らのレパートリーのメインになっていくことは考えにくいですが、こういうメロディック・メタル的な要素がJ-POPに取り込まれるようになったというのは、長年この手の音楽には一般人にも受け入れられる魅力があると信じてきた身にはちょっとした感慨がありますね。

こういうアプローチを「メタルをバカにしている」とか、「メタルで商売するんじゃねえ」と怒るような人も世の中にはいるのかもしれませんが、既に世俗の垢にまみれてしまった私としては「ネタにされるうちが華」と考えております。

◆猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」PV [YouTube]


◆本作の発表にともなうナタリーの特集記事
http://natalie.mu/music/pp/momoclo04


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コメント

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ももクロの「猛烈宇宙交響曲」が初披露された昨年12月のさいたまスーパーアリーナ公演では、実際にマーティーが登場してスタジオ版よりも長いギターソロを弾いているのですが、これがMEGADETHを通り越して、CACOPHONY時代すら彷彿させる素晴らしさ。
↓YouTubeで確認できます。
http://www.youtube.com/watch?v=PdOH0Qy9D9w
「お仕事」や「ネタ」でも良いので、マーティーにはもっとこういうソロで、その唯一無二のトーンを聴かせてほしいところです。

メタルっぽいHNの割に、私がコメントするのはこんな記事の時ばかりですねw

メタルもオタクもそうですが、もはやマイノリティという属性は消えつつありますよね
拡散と浸透というやつなのかもしれませんが

モーレツ宇宙海賊を観ました

モーレツ宇宙海賊のOPを観ると、意外に本編の内容とmatchしていますし、何だか中毒性が有りリピートを繰り返してしまいますね。

又、貼られているYouTubeのマーティ・フリードマンのguitar SOLOは素晴らしいです。

壮大な曲調からして、Yngwieのネオクラシカルギターなんかもわりとハマるのではないでしょうか?

ただママチャリを漕ぎ捲る、ももクロのMVは痛すぎると思ってます。

猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」MV
http://nicomoba.jp/watch/sm17078387/f?cp_webto=watch_mfri&guid=ON

声優ファンの自分としては、OPのももクロの[無限の愛]よりも、モーレツ宇宙海賊イメージソング(又9話ED)・小松未可子の[Black Holy]をお勧めしたいですね。

主人公の声優が唄っている普通のアニソンなので、メタル色は皆無ですが(笑)、良い曲なんですよこれが。

http://www.youtube.com/watch?v=y9SHrwHecpg

全くの偶然から

最近このBABY METAL を知った者です。
あまりにもタイムリーなので書き込みさせていただきました。

あちこちで良い、悪い、いろいろ言われていたのですが、個人的にはこれも有りだなと思うのと同時にちょっと惜しい気もしました。
この曲のサビの部分のアレンジをメロスピっぽくすればもっと食いつく人が出てくるのではないかと思います。

こういう子たちがよりでかくなるために、メタルを聴く人達にもアプローチしているというなら、ひょっとしたら日本のメタル市場は我々の気がつかないところで結構大きな物になっているのかなと感じました。

視聴した瞬間気に入り、配信初日にBABY METALの曲をダウンロード購入してしまいました(笑)。でも、トランスメタル寄りという邪道?なメタルより、メロスピ風なももクロの紹介曲の方が生粋のメタラーにとってはウケが良いかもしれませんね。

漫画/映画のデトロイトメタルシティがクローズアップされていた時は「メタルをバカにするな」と思いましたが、今回は僕もネタになってむしろ面白いなという気がしています。この調子でデスとかドゥームとか取り入れた楽曲も作ってほしいです(笑)。

まとめてお返事

>メタリアン666さん
マーティのギターはこういうドラマティックな音楽と相性がいいと思うので、こういう仕事にはぜひ関わってもらいたいですね。


>人さん
少なくとも趣味嗜好でマイノリティとされる時代ではなくなった感じですね。
それが良いことなのかどうかはわかりませんが。


>ゆうていさん
1:30あたりのギターのフレーズはネオクラ風なので、既にハマっているのではないでしょうか。
ももクロの魅力はこういう痛いPVを堂々とやれる屈託のなさにあるのではないかと個人的には思っています。

声優が歌うようなアニメの曲にはむしろ最近のJ-POPにはない魅力がありますね。


>ありおっちさん
メロスピっぽい曲は他にあるので、この曲についてはこういうアプローチをしてみたのでしょう。

日本のメタル市場は決して大きくないと思いますが、世の中的にメタル的な要素が受け入れられる空気にはなってきた、ということなのではないでしょうか。


>ruchiniumさん
私がBABYMETALのライヴで聴いたメロスピ曲は、このももクロの曲よりはるかにメロスピしてたので、個人的にはそちらのリリースを楽しみにしています。

彼女たち自身にデス声が出せるわけではないので、デスメタルの要素を取り入れるのはこの曲くらいのアプローチが限界なのではないでしょうか。

FAIR WARNINGのBEST、、、

この記事を読むと、プロレス末期の頃を思い出します。一時、アイドルや狂言師までマットに上がりました。ただし今回は、良い意味で盛り上がって欲しいです!
adoreさんプッシュのBLESSED BY A BROKEN HEARTを聴きました。尼でUSBメモリーを購入する際に送料無料にする為、かなり安い輸入盤をポチッと。普段は少し苦手なロック、B誌でも本人たちはロックと連呼していたものの、ただのロックにあらず、しっかりメタルしてました。良かったです。
DAMNATION ANGELS、序盤の途中、途中で疾走パートがあって一安心、それが無ければ厳しかったかも、、、
ボートラ紅でクライマックスのアカペラのシーンがなんとも、、、
RAGEはDESTINYが最高、でもしばしば以前聴いたフレーズがちらちらと。パンテラのCOWBOY FROM HELLを思わせる場面も、ただしRAGEとしての音楽にはなっていたのでGOOD!!
SOULFLYは最初は結構盛り上がったが、全体を通じて聴くと、うーんとなる。が、前作と今作を1つとして考えると趣があって良いかも。
ところでadoreさんはミンストレリックス聴かれますか?
評判は良いみたいなので、是非チェックしたいと考えているのですが、行きつけのCDショップには在庫無の為、またポチッとすることになるかも。
これからHYDRANTの新譜2枚、パストーレとコンスフィアラシィを聴く予定です。

>フィンさん

まだロクに始まってもいないのに末期症状は勘弁してほしいですね(笑)。
今はAmazonって全品送料無料じゃないんですか。
でもまあ結果としてBBABHを気に入っていただけたなら良かったです。

DAMNATION ANGELSはちょうど先ほどレビューしました。ちと微妙ですね。
MinstraliXも購入しましたが、レビューするかどうかはちょっと悩んでます。

わたしは「無限の愛」を夜中一人で車を運転しているときにラジオで初めて聞いたのですが(文化放送の「フライデースーパーカウントダウン」)、泣きました。涙腺をやられました。マジです。そのあとマーティがギターを担当していると知り、あのヘンなガイジンにしてやられたと愕然としました(笑)。

楽曲自体は確かにラプソっぽいですね。でもわたしは、彼女たちのヴォーカルのヘタさ加減が、却ってB級メタル臭さを放っているのではないかと思っています。ラプソの曲をカイ・ハンゼン、あるいはラーズ・ラームケがもし唄ったら、こういう感じになるのではないでしょうか(半分冗談、半分本気です)。バックの上手さと、フロントのヘタさは、一部のバンドに見られる「良さ」ではないでしょうか。大槻ケンヂ(ヘタなヴォーカル)と橘高文彦(上手いギタリスト)の「踊る赤ちゃん人間」を聴いたときの印象と似ています。

わたしも「メタルをネタにするんじゃねえ」党の一員ですが、この曲にはやられました。彼女たちの唄がヘタで本当によかったと思います(明らかな褒め言葉です)。

>Endeさん

涙腺をやられるって、そういう曲ですかね?(笑)
しかもマーティをヘンなガイジンって(笑)。

筋肉少女帯といえば、そういえば大槻ケンヂが彼女らの楽曲の歌詞を手掛けていましたね。

まあたしかに技術的な意味で歌の上手いお嬢さんたちじゃありませんが、赤い子はなかなか魅力的なメタル・シャウターになれるポテンシャルを感じます(笑)。

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