DAMNATION ANGELS / BRINGER OF LIGHT

damnationangels01.jpg

2006年にイングランド中北部、サウスヨークシャー州の都市、ドンカスターで結成されたシンフォニック・メタル・バンドのデビュー・フルレンス・アルバム。

2009年にCRADLE OF FILTHの作品を手掛けたことで知られるスコット・エイトキンスをプロデューサーに、アートワークにMANOWARやTURISAS、KORPIKLAANIなどを手掛けたヤン・イルンドを迎え4曲入りEP「SHADOW SYMPHONY」を発表している。

本作はその「SHADOW SYMPHONY」収録曲(#5~#8の、四部構成の組曲になっている)に新曲をプラスする形で制作されており、再びプロデュースにはスコット・エイトキンス、アートワークにはヤン・イルンドを迎えている。

イギリスはHR/HM発祥の地であるにもかかわらず、80年代中期以降はすっかり日本人が言うところの「正統派」HR/HM不毛の地と化していたが、近年ではPYTHIAやASCENSIONなど、これまで最も英国が苦手としていたタイプの(?)メロディック・メタル系のバンドが次々とデビューしており、新たな時代の動きを感じさせる。

ただ、本作の音に関しては「UK出身のシンフォニック・メタル」という以外に特筆すべき点が見当たらない、というのが正直な所。

もちろんシンフォニック・メタルというサウンドの方向性は私好みだし、細めのハイトーン・シンガーを擁してSECRET SPHEREやLABYRINTHあたりに通じる繊細なムードを醸し出しているあたりも個人的にはツボなのだが、楽曲がどうにもフック不足。

メロディの煽情力も弱いし、疾走パートも少ないので高揚感やメリハリにも欠ける。そして演奏力も今ふたつ(特にDr…)、といった感じだし、にもかかわらず#2、#10と10分級の大作を2曲も収録していたりして、聴いていて集中力が途切れる、いや、ありていに言えば眠くなる場面もしばしば。

ただ、アジアっぽい雄大なメロディとアレンジを取り入れた#10「Pride(The Warrior's Way)」はなかなかいい雰囲気で、エンディングに登場するYoko Hallelujah(かのPRINCESS GHIBLIに参加していた人ですね)による日本語歌唱も味があって悪くない。

Key奏者(太めの女性)が「ピアノ」とクレジットされていて、実際ピアノが登場する頻度が高いのあたりも個人的にはポイント高いのだが、現状では「原石」以上の評価は難しいな…。優男風のVoと、オーケストラ・アレンジを手掛けている中心人物っぽいギタリストは結構ルックスも悪くないので、うまいこと磨けば光りそうなんだけど。

なお、本作の直接的な購買動機になったXの「紅(Kurenai)」のカヴァーは、うーん、日本語の発音とDrソロが厳しいかな…(苦笑)。【75点】

◆本作収録「Pride(The Warrior's Way)」[YouTube]



スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

またXのカバー(笑)?って思ってしまいました。

先日近所のタワレコにてやたらシンフォニックな「紅」が大音量で流れていて気になっていたんですが、多分このバンドのものですね。タワレコでプッシュされているんでしょうか。 少し興味が湧いていたのですが、adoreさんのレビューを拝見する限り、あまり期待しすぎないほうがいいですかね...(笑)

メタルにハマったきっかけがXだっていうのもあるんでしょうが、興味は湧くけど厳しくなりますね。

聖飢魔Ⅱのトリビュート盤位知名度のあるバンドでXのトリビュート盤作ってって欲しいですね(ガルネリがSilent Jealousyとか・・・)

摩天楼オペラの新作時間が有ればレビューお願いします

この「Pride」って曲カッコいいですね。他の曲もこんな感じなのですか?そうであればアルバムを購入しようと思うので・・・。

まとめてお返事

>名も無きメタラーさん
たしかにXをカヴァーする例が増えてきましたね。
国際的な知名度も上がっているようですし、日本人向けに手っ取り早い話題作りになるからじゃないですか?
私のようにXをきっかけにメタル好きになった人もかなり多いと思いますし。


>ハッチさん
シンフォニックな「紅」…。
たどたどしい日本語だったとしたらこのバンドでしょうね。
日本語が流暢だったとしたら摩天楼オペラのものかもしれません。


>B!13さん
X JAPANのカヴァー・アルバムを作るとなると、レコード会社やYOSHIKIの意向が強く働いて注目度の高いV系バンドと、モダン系のアメリカのバンドばかりが参加し、メタル・ファンにはあまり「美味しくない」アルバムになりそうな気がします(苦笑)。

摩天楼オペラのレビュー…。
日本のバンド、特にV系のバンドのレビューはちょっとナーバスになりますね。
決して悪くないと思いましたが、ファンの方が読んで嬉しくなるようなレビューにはならないかもしれません…。


>名も無きメタラーさん
本文にも書いた通り、この「Pride」という曲が本作のベスト・チューンですね。
まあ、他の曲もこの曲からアジアっぽいオリエンタルなアレンジを抜いたようなサウンドではありますが。

まだ未熟ですが、「いい雰囲気」はあるバンドなので興味が湧いたら聴いてみるのも悪くないかもしれません。

その昔ブルーブラッドにハマった身としては、こうしてXがカバーされると嬉しいですね。

紅のギターソロは血がたぎる。

そういえば先日METAL GATEに貼られていた無限の愛のYouTubeの動画が削除されてしまいましたね。

マーティにはメガデスに復帰して欲しいと、改めて強く思いました。

割とこのアルバム良かったですよ。(個人的には#2の大作が)
ただ安定してるぶん面白みには欠けるかと思いますが。
新VoはREINXEEDのカヴァー集でゲストで歌っていた方のようです。
「紅」の日本語の発音に関しては結構上手いと思います。
それを言ったら日本人の英語だって到底褒められたものではないですし(苦笑)

もう一つの英国出身バンドASCENSIONのがインパクトがありそうですね。

>ゆうていさん

単なる日本のレコード会社からのサジェスチョンではなく、Xの音楽が本当にアーティストの心をとらえた結果としてカヴァーされたのだとしたら、ファンとしては嬉しいですね。

私がギター・ソロの魅力に気付いたきっかけも「紅」でした。

マーティのMEGADETH復帰は、単発のライヴだけとかであればともかく、恒久的なものとしては難しいでしょうね…。

>学生メタラーさん

なかなか魅力のあるバンド、アルバムだとは思いつつ、やはり総合的にAクラスとは言いがたいのでこういう評価になってしまいますね。
年をとるとB級なものを愛しにくくなるので、本当は学生メタラーさんのように若い方にこういうサイト・ブログをやってもらったほうがいいのだろうと思います(笑)。

確かに外人さんにしては日本語の発音を頑張っていると思いますが、やはり日本人の耳で聞くと…ですね。
そういう意味で、英語圏以外のアーティストが英米で成功しにくい理由もなんとなくわかってしまうのですが。