MINSTRELIX / TALES OF HISTORIA

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2004年にTakao(G)を中心に結成されたメロディック・パワー・メタル・バンドのサード・アルバム。バンド名は「Minstrel(中世吟遊詩人)」と「Relic(遺跡・遺物)」を掛け合わせた造語。

デビュー・フル・アルバムおよび、過去音源のリメイクを中心としたセカンド・アルバムではLolaなるアメリカ人女性がVoを務めていたが、本作では、マニアの間で彼らの認知・評価を一気に高めた名曲デモ「Thirst For…」および、オークションでは数万円の値段がつくという初期音源EPを歌っていたLeo Figaroの復帰作となっている。

私の知っている初期のLeo Figaro在籍時にはもう少し欧州のメロディック・パワー・メタル・バンドからの影響がダイレクトに感じられたが、本作ではGALNERYUSとDRAGON GUARDIANを7:3の割合でミックスしたような、ある意味日本的な(主に歌メロのセンスの点で)メロディック・パワー・メタル・サウンドを鳴らしている。

スピード・チューンを中心に、プログレッシヴな要素をちりばめ、時にメロディック・デス・メタル的なエッセンスや欧州民謡を思わせるアレンジなど、この手の音楽のファンが好む要素でサウンドをまとめているあたり、やっている当人たちもこの手のサウンドが好きなのだろうな、と感じさせられる。

楽曲の平均点は高く(中でも#11はお気に入り)演奏、サウンドともインディーズのバンドとしてはまずまずのクオリティに達しており、日本のバンドにおける課題となりがちなVoも安定していて、そういう意味では安心して楽しめるアルバムに仕上がっている。

ただ、このバンドならではの個性というのはそれほど感じられず、今ひとつ突き抜けるものを感じないのも事実で、その辺りはちょっと歯痒い所。

初期に比べ安定感を増したLeoのヴォーカルも、自分の声が美しく響く声域で朗々と歌おうとした結果、やや一本調子な感もあり、それが私にとってこのバンドが突き抜けることができない一因となっているようにも思われる。

ネオ・クラシカルな美味しいフレーズを連発するギターといい、楽曲を煌びやかに飾り立てるKeyといい、本来であれば私のストライクゾーンど真ん中であるはずのサウンドで、もし90年代にこのレベルのバンドが出てきていたらきっと感涙にむせんだと思うが、シーン全体に厚みが出て底上げされた現代にあっては国内良バンドのひとつ、というか、意地悪な言い方をすればGALNERYUSの縮小再生産に思えてしまうのがもったいない。

まあ、同系他バンドとの比較の中でそのサウンドを評価するのはあまりフェアじゃないかもしれませんが、このフィールドで勝負する限り、GALNERYUSがひとつのベンチマークとなることは確かで、彼らを凌駕するか、差別化する何かを打ち出さないと「マニアの間で好評」以上の評価を獲得するのは難しいのでは。

GALNERYUSが10万枚売れる世の中であれば確実にメジャーに行けるクオリティではあるが、実際には日本にこの手のバンドがメジャーに2つも3つも存在できる余地はないと思われるだけに、このレベルに甘んじていては上に行けない…などと余計なことを考えてしまうのは、いいセンスを持っていると思えばこそ。

歴史上の著名な女性をテーマにした(なぜか「天空の城ラピュタ」のシータが混じってるけど/笑)ことに由来するというアルバム・タイトルはナムコ(現バンダイナムコゲームス)の人気RPGシリーズへのオマージュでしょうか。【81点】

◆本作のクロスフェード・サンプル [YouTube]



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コメント

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おぉ……!やってくれましたか……。

ブログ開いた瞬間「!?」となりました(笑)

まさかこのバンドのレビューをしてくれるとは思っていなかったので驚きです。

しかし、adoreさんほどの人からの評価が少し厳しめなのを見ると、摩天楼オペラと同じく未視聴ではありますが「やはりこうなるか」と予想はしていました。

やっぱり彼らほどのバンドでもGalneryusほどのクオリティや個性に追い付いていないのならこれからのし上がるのは大変でしょうね。

あと蛇足かもしれませんが、Leo Figaro復帰作は去年出したEPですよ!

1500枚限定販売でしたが、今でもAmazonで普通に買えると思います。

>Shuさん

そんな驚くようなチョイスですかね?(笑)
基本的には私が好むタイプの音楽性ですし、評判も悪くない感じだったので買ってみました。

Leo Figaroの復帰作がEPなのは知っていましたが、復帰後のフル・アルバムは本作が初ということでこういう書き方をさせていただきました。

凄く好みの音楽性なのですが…

英語の発音が酷すぎるなあと(苦笑)
前回のEPから歌詞が日本語と英語混じりになったのですが、全編日本語のが絶対イイと個人的には思っています。

前作EP収録の「Erzsebet」という曲が凄く良いので機会があったら聴いてみて下さい。

既に知っていましたか……失礼致しました。

下の方と内容が被りますが、前作のEPに収録されている「Ref:Rain」という曲が名曲「Sky Flame」を彷彿とさせる曲なのでこの曲もオススメです。

>学生メタラーさん

英語なんだか日本語なんだかよくわからないのがこの人の歌唱の特徴ですね(苦笑)。
まあ、ヴォーカルも楽器である、という考えに則ればこれはこれでアリなのかもしれませんが、歌詞を大事にする日本のメジャー・レーベルからは相手にされない気がしますね。

>Shuさん

知っていたというか、こういう記事を書くときには一応そのバンドの公式サイトとWikipediaくらいはチェックしてから書くので、正確に言えばこのレビューを書くときに知った、ですね(笑)。

NOCTURNAL LITESが聴きたい。

テイルズと聞くと、やはりナムコかラプソディですかね。これも、そろそろ購入するかな。前回のamazon送料の件、条件変更されていたとは、気づかなかったです(私もいい加減ですね)。
最近の事、UNISONICはASCENSIONと同時に購入、ファーストとしては素晴らしいんだけど、次回作もこの路線なら買わないかも。人によってはUNISONIC収録の先行EPで充分?「I WANT OUT」が入っていた分そちらのほうが、、、そんな訳は無いか、やはりこちらのほうが良い。
ASCENSIONはやはり単純に1曲目が良。DRAGONFORCEの影響や、ところどころBUNRNING IN HELLの音色を感じさせたりとある意味多彩、後半のノスタルジックな展開は正直微妙だが、全体的に悪くは無い、なんとなくデビュー当時のセレスティを想起。後半もスピード一辺倒で押しても面白かったかも。
コンスフィアラシィはヴィシャス・ルーマーズの元メンバーの作品ということで大好物な作風。好き嫌いがはっきりと分かれそうな路線ですが、後半までアグレッシブさは失われず、こういうのはやはり好きですね。
パストーレについては正直良くも無く、悪くも無。更にインパクトが増しているものと妄想していたが、前作のなんちゃってペインキラーのほうが潔くてよかった。
今月、残すは3凶、カンニバル・コープス、メシュガー、オーバーキルとなったか、、、

>フィンさん

相変わらずメロディック系からエクストリーム系まで色々聴いてらっしゃいますね。
とりあえず私はUNISONICを聴き込んでいます。

積みCDが増えているのは気になりますが、何せ時間がなく…(苦笑)。