UNISONIC / UNISONIC

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マイケル・キスクの新プロジェクトにカイ・ハンセン(G:GAMMA RAY)が加わることで一躍「注目のプロジェクト」になったUNISONICのデビュー・アルバム。昨年のLOUD PARKではHELLOWEENクラシックによって会場に大興奮をもたらしたが、果たしてオリジナル曲によってどこまでファンの期待に応えられるかが試される作品といえる。

マイケル・キスクのメタル嫌いはもはやファンの間では有名で、これまで彼が発表してきた作品から考えて、いきなり「KEEPER OF THE SEVEN KEYS Part III」みたいな作品にならないであろうことは予想していた。

そして実際そういうメロディック・パワー・メタル的な作品ではなく、いわゆる疾走系のスピード・チューンも皆無(先行シングルとして発表されていた#1「Unisonic」が強いて言えばスピード・チューンか)なので、そういう音を期待していた人にとってはやはり肩透かしな音だろう。

とはいえつまらないかと言うとそんなこともなく、最初はジャンルもよくわからないし、ちょっと地味、と感じたものの、聴き込むうちになかなか良くなってきた。

本作を注目作にしたカイ・ハンセンは、#1「Unisonic」、#3「Never Too Late」、#6「Never Change Me」、#9「My Sanctuary」、#10「King For A Day」、#11「We Rise」とかなりの楽曲に作曲で関わっている(#5「Star Rider」には作詞のみで関与)。

前3曲は比較的カイのハッピーなポップ・サイドの資質が強く出た楽曲で、近年のGAMMA RAYではあまり聴かれなかったタイプの楽曲であるが、なんかちょっとノスタルジックかつポジティヴな気分にさせてくれる不思議な曲で、やはりカイの曲とマイケルの声のコラボレーションには何らかのマジックがあるなあ、と感じさせられました。

一方、後の3曲は比較的メタル的な要素が強く出た曲で、中でも#10「King For A Day」は本作で一番メタル的なダイナミズムを感じさせるドラマティックな曲。間奏部のバッキングを聴いてGAMMA RAYの名曲「Rebellion In Dreamland」を思い出しました。この曲が一番好きかなあ。

#11「We Rise」ではギター・ソロ・パートで突如UFOの「Lights Out」と化し、まるでマイケル・シェンカーばりのソロが繰り広げられます。これは確信犯ですね(笑)。

BURRN!の藤木記者も気にしていましたが、このマイケルばりのソロはカイとマンディ・メイヤーのどちらが弾いているんでしょう? 既に9月にGOTTHARDとのカップリングで来日公演が予定されていますが、その際に確認したいですね。

私の嗜好の問題でついついカイ・ハンセンにフォーカスして書いてしまいましたが、他のメンバーが書いた曲も、飛び抜けたキラー・チューンこそないものの(カイが書いた曲にもそれはない)、なかなか良くできた曲ばかり。

デニス・ワード(B)作の#4「I’ve Tried」やマンディ・メイヤー作の日本盤ボーナス#7「The Morning After」なんかは、どちらも哀愁が効いていてかなりのお気に入り。

勢いのある曲で始まって、コンパクトな曲中心の前半からドラマティックな曲の多い後半で盛り上げて、穏やかなバラードの#12で幕を閉じる構成もいい感じだし、全体としてはまずまずの作品なんじゃないでしょうか。

良くも悪しくもありがちなHR/HM作品ではなく、一種独特のサウンドになっているのはやはり本来ロック~ハード・ロックのフォーマットにあるサウンドをプレイしようとしていた集団に、カイ・ハンセンという個性が入ってきたからこその「ケミストリー」だと思います。

このサウンドを中途半端だと感じる人もいると思うけど、少なくともこれまでのマイケル・キスクのソロやSUPERREDなんぞよりはナンボかマシなのは確かで(PLACE VENDOMEより良いと感じるかどうかはその人の嗜好による気がする)、 良い意味で様式美に陥っておらず、「何をやってもアリ」な雰囲気を感じさせる所は今後に対する期待感があっていいかも、ってのは「ファンの贔屓目」というヤツでしょうか(笑)。

ジャケットはもうちょっとインパクトのあるアートワークを用意してほしかった。【83点】

◆本作収録「Unisonic」のPV [YouTube]



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コメント

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未聴です。カイもしくはキスケファンではなかったら「つまらない」と思うかもしれない出来、ということなんでしょうかね?(苦笑) わたしは"Souls Alive"のデモを聴いてそこそこ楽しめたので、フルアルバムのほうも楽しめるかもしれませんが。

>Endeさん

んー、むしろカイやマイケルに変な思い入れのない人の方が素直に楽しめる作品かもしれません。
「Souls Alive」を聴いて楽しめたのであれば、本作は結構楽しめるのではないかと思いますよ。

もう発売してたのか……。

そして早速レビューしてますね。

とりあえず安定したアルバムという事なんでしょうかね?

UNISONIC自体ほぼ未視聴なのでアレなんですけども(苦笑)

キスクってやっぱりメタル嫌いなんですね。

去年の夏頃、守護神伝完全版をレンタルした時に歌詞カードの中でキスクのそれらしき発言があって思わず困惑したのを思い出しました。

メタル向きのボーカルの筈なのにそれが凄く残念で……。

これUNISONICというバンド目当てではなく、マイケル・キスク×カイ・ハンセン目当てで買った人もいるでしょうね。
完全にハード・ロック系ですね。

個人的にはメタルにはならないだろうと予想して、試聴だけして購入はスルーしましたが。
でも、メンバーがすごいですよね。
ハード・ロック畑としてはベテラン勢です。

この二人がそろうだけで、もう何も言いますまい・・・
絶対、贔屓目になってしまいます。
これは、しゃあないです。
まだ全て聴いていないのでこれから聴き込んでいきます。

まとめてお返事

>Shuさん
メンバーの実力や音楽的な質という意味では安定していますが、必ずしも冒険心のない、予定調和な作品にはなっていないと思いますよ。

マイケル・キスクは、「得意なこと」と「好きなこと」の不一致の不幸を体現している人だと思います。


>ストラディキャスターさん
完全にハード・ロックということもないような気がしますが、コテコテのメタルではないことは確かですね。

このメンバーを凄いと思うかどうかは、その人が通ってきた音楽的遍歴によってだいぶ温度差があると思います(笑)。


>MACCOさん
たしかに「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」に人生変えられた人間にとって、この二人が揃うことは特別な意味がありますね。

この音楽性だと、この二人のいるバンドでなければ買わなかったかもしれませんが、聴き込むとなかなか味わいの出るアルバムだと思います。

意外に良いですよね

敬愛するマイケル&カイコンビなので、ご祝儀のつもりで購入しました(笑)

意外に良いですね! 「never change me」と「the morning after」が特に気に入ってます。

マイケルが通して歌ったアルバムとしては、過去最高かも。
でも、ジャケットはいまいちかな・・・・。

>black&greenさん

ご祝儀感覚で購入した人は結構多いかもしれませんね(苦笑)。

そして「良い」と感じた人も「意外に」という感覚なんですね(笑)。
マイケルに対する期待度はやっぱり地に落ちてしまってますねー。

本文にも書いちゃいましたが、ジャケットはもう少しがんばってほしかったですね。

期待度はいつも高いんですけどね

やはりメタルなキスクを期待してしまうので・・しかもカイ・ハンセン
がギターとなれば・・。いつまでも未練がましいですけどね。

間違って、ガンマレイに加入してほしいなぁ(笑)


>black&greenさん

まあ、かつてあれだけのものを作ってしまえば、未練を捨てきれない人が多いのも仕方ありませんね。

マイケルがGAMMA RAYに加入してしまうと、GAMMA RAYのメタル度が落ちそうな気がします(苦笑)。

佳作だと思います

2週間ほど聴き込んで『レベルの揃った良いアルバム』と感じています。飽きの来ないタイプの佳作だと思いますよ。各々が曲作りをしているのも良い結果をもたらしているのでしょう。こうなるとGotthardの新譜の出来次第で9月公演の参戦を検討しなくてはなりませんね。広島か大阪か・・・。忙しい時期なんですけどね・・・。カイも同行するのでしょうかね?

>godhand89さん

レベルの揃った、というのは楽曲のクオリティにバラつきがない、ということでしょうかね?
だとしたら私も同意です。
名作というよりは佳作という表現が相応しいことも含めて…(笑)。

カイは正式メンバーですから間違いなく同行するでしょう。
私も観に行きたいと思っています。