VEILED IN SCARLET / IDEALISM

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メロディのクサさという一点においては日本はおろか世界でも最高水準のメロディック・デス・メタル・バンドと言っても過言ではないSERPENTの中心人物だったKEIJA(Dr, Key, B)を中心としたニュー・バンドのデビュー作。

同じくSERPENTのギタリストだったHIROKIも在籍しており、ほとんどSERPENTの「復活作」といってもいいような作品である(#1、#3、#6, #8ではSERPENT初期のGだったAKIも参加)。

音楽的にもほぼSERPENTそのままで、恐ろしくクサい美旋律を紡ぎ続けるリード・ギターのメロディが終始鳴り響き、楽曲にドラマを生む。

唯一SERPENTとの違いを感じさせるのはVoで、ややブラック・メタルめいたシャウト型のデス・ヴォイスだったKEN(SERPENT)と異なり、よりデス・メタル然とした低音のグロウルを聴かせるSHUNのスタイルの違いのみがSERPENTとの違いと言っても過言ではないだろう(ツイン・ギター体制になっていることは、ライヴではともかくレコーディング音源ではあまり違いを感じない)。

個人的にはもともとギターの奏でるメロディが強烈過ぎるがゆえにVoの存在感が希薄なことがSERPENTの弱点だと思っていたが、今回低音型のVoになったことで一層その傾向が顕著で、「これだったらインストでもいいのでは…」と思ってしまう場面もしばしば。

逆に言えばそれだけギターの奏でる泣きのメロディがそれだけでお腹いっぱいになれるほど充実しているということなのだが…。

音質のチープさも残念な所で、せっかくの美旋律の洪水が、本来発揮されるべきスケール感とドラマティックさを演出できずにいる観があってもったいない。

まあ、それを差し引いてもSERPENTの音楽に惹かれていた人間であれば必聴だし、スタイルを問わずクサメロ愛好家を自認するような人であれば一聴の価値がある。

クリーン・ヴォイスなど、メタルコア的なモダンな要素を一切取り入れず、オールド・ファッションとも言えるメロディック・デス・メタルのスタイルにこだわっている不器用さも個人的には好感が持てる。【81点】

◆本作のトレーラー音源 [YouTube]



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コメント

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こんなに脱退前のバンドまんまの音楽をやるならなんでSERPENT辞めたんですかね?
SERPENTも活動休止っぽいですし汗

昨年発表のSerenity In Murderのデビュー作は未聴でしたらぜひどうぞ。
たしかバーンにもインタビュー載ってました

>NOV-LYNNさん

まあ、音楽的なこと以外の問題があったからSERPENTとしては続けられなくなったんでしょうね。
あのまま順調に続けていればもう少し注目度が上がったのではないかと思うのですが…。

SERENITY IN MURDER、評判いいですね。
MY MATERIAL SEASONと並んで興味のある日本のメロデス・バンドです。

クサ過ぎ注意

自分のブログの方でも、このアルバムの記事をまとめてる最中です。
adoreさんの仰る通り、音質や低音Voのマイナス点は感じるのですが、それを遥かに上回るクサメロの魅力にまんまとヤラレてしまったクチです(笑)
SERPENTに引き続いて個人的には名盤認定の作品でした。

>ヒゲ・スカイウォーカーさん

まとめてる!
すごいですね。私のブログは基本的にどれも一発書きです(笑)。

色々と難点はあれど、このクサメロの魅力はそれらを補って余りあるものがありますね。

SERPENT時代から変わらぬ激クサぶりは健在ですね。ここまでくると「デスVoいらなくね?」って感じもしますが・・・w。
曲がいいだけにこのチープな音作りは残念ですね。

>ハルディンさん

たしかに「デス声」いらなくね? ってのは本作に限らずメロディック・デス・メタルというジャンルが誕生したばかりの頃から存在した意見ですが、翻ってインストのメタル・アルバムを聴きたいかというと、そうは思わないんですよね(笑)。