BURRN!12年6月号の感想

burrn1205.jpg

先月号でいくつかの企画が終了、コラム等も大半が最終回を迎え、その後のリニューアル内容が注目されていた今月号。

結果だけ見ると、ページ数は先月号と同じ160ページながら、レイアウトを調整・変更して更なる内容の削減を推し進めた感じ。

基本的にはインタビュー、ライヴ・レポート、ニュース、新譜レビューという、HR/HM専門誌として最低限の機能に絞り込まれている。

よく言えば贅肉をそぎ落としてシェイプアップした、という言い方もできますが…。

コラムとかはともかく、特集までなくなったのはちょっとどうなんでしょうかね。

こうなると完全に雑誌作りに企画性の介在する余地がなくなり、編集部員はひたすらアーティストのインタビューをして、ライヴに行ってレポートを書き、新譜を聴いてレビューする、というルーティン・ワークだけで誌面づくりをすることになるわけですよね。

最近はあまりパッとした特集がなかった気はするものの、私がBURRN!を読み始めた頃は結構読んでためになるというか、HR/HMに対する理解や知識が深まる特集も多かったんですどね。

上記のようなリニューアルにどのような意図があるのか、普通であれば編集長のコラムでその狙いなり展望なり言い訳なりが表明されるはずですが、なんと編集長コラムまでなくなってしまったので、それらを知る術もなく。

まあ、最近の広瀬編集長のコラムはどう読んでも現在のHR/HMシーンに対する熱意と希望を失った人の文章で、違和感を覚える(というかやる気を疑う)ばかりだったからなくなってせいせいした、というのが本音ですが。

ただ、この誌面だと、完全にオピニオン・リーダーやトレンド・メーカーとしての機能は失われますね。

まあ、元々BURRN!はあまりトレンド作りは上手くなくて、この雑誌にそういうセンスがあればメロスピもゴシックもメタルコアももっと日本でビッグになれたと思うし、欧米のような「メタル復権」もあったかもしれないと思うんですが。

良くも悪くも「売れそうなものをプッシュする」というよりは、編集部員個人の嗜好で「個人的に好きなものをプッシュする」というのがBURRN!の特徴で、それはまあ編集方針としてはある意味「硬派」で好感が持てる部分でもあったのですが、そうなると編集部員の顔ぶれが固定化し高齢化してしまったために時代やマーケットとどんどん感覚が乖離してしまうという弊害が生まれ、動脈硬化の末にたどり着いたのが今回の一連の「リストラ」ということなのではないでしょうか。

まあ、私個人が必要とする機能は残っているので差し当たって困ることはないのですが、これだけあからさまに内容が薄くなって値段が据え置きってのはどうなんですかね。

まあ、こうしないと続けられなくて休刊せざるをえない、ということであれば仕方がないから私は買いますが、私とは異なる考えの人もきっといるでしょうね。

インタビューは、EUROPEやBLIND GUARDIANなども興味深かったものの、一番考えさせられたのはSONATA ARCTICAのものかな。

彼らが「脱スピード・メタル」したのはROLLING STONESのような年寄りになるまで演奏し続けていきたいから、というトニー・カッコの発言にはちょっと愕然としましたね。

そりゃまあステージを駆け回りながらテンポの速い高音域の歌を歌うのが楽なことじゃないってのはわかるけど、今からそんな楽して長く続けよう、なんて守りの姿勢でどうすんの。

「UNIA」のようなプログレッシヴで難解な方向性も「難解な曲が素晴らしく聞こえるのはソングライターの頭の中だけ、最悪の場合、曲があまりに“芸術的”すぎて、曲を書いた人間にすら理解できなくなるとかね(笑)」と言っていたのには苦笑(それが自分たちの作品のことだとは言わなかったが)。

ただ、「こんなにとことん突き詰めて作業するスタイルのどこに意味があるんだろう、もう少し楽にやりたい」と思い始めたという下りを読んで、この人の関心はもうバンドのクリエイティヴィティの限界に挑むことよりは、バンドの経済活動の面におけるサステナビリティ(持続性)に重点が移っているんだな、と感じずにはいられませんでした。

そりゃバンドの音楽からマジックが失われるのも当然だよな…。まあ、楽にやってもそれなりのものは作れてしまう才能があるからこそ、なんだろうけど…。

別にライヴでやれ、とは言わないから、書こうと思えば書けるんならまたメロディック・スピード・メタル・チューンを書いてほしいなあ。他アーティストへの提供、って手もありまっせ、カッコさん。

今月はクロスレビュー・タイトルが表紙のスラッシュのほか、合計6タイトルと多い。

ACCEPTとEUROPEは既に購入済みですが、残りのGOTTHARD、SONATA ARCTICA、WIG WAMもまあ、聴いてはみたいかな。

あとはFIREWINDと…メロスパー的にはPATHFINDERとREINXEEDあたりかな…。

最近は死ぬほど忙しくて全然音楽も聴けてないんですが…。

どうでもいいことながら、先月号でも感じましたが、広瀬編集長は点数インフレの提灯レビューをやめたみたいですね。
こっちが本音に近いんだろうなぁ。でもその方が信頼できるというか、参考にはなるかも。

◆発行元であるシンコー・ミュージックのWebサイト
http://www.shinko-music.co.jp/main/ProductDetail.do?pid=2175011206
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

元藤木信者による感想

思ったより違和感は感じませんでした。

Adoreさんの言う通り、無駄を削いでシェイプアップした印象ですね。

時代に適応したと前向きに考えています。

今月は北欧ネオクラシカル愛好家としてはSONATA ARCTICA1択。

しかし存続第一とはROCKではないなぁ(--;)。

BURRN!!もトニー・カッコも大人デスネ。

ここのところ「silence」をヘビロテしています。

「WOLF & RAVEN」なんかもう最高ですよ。

トニー・カッコにはあんな感じのをまた1つお願いしたいところですm(__)m。

同じように感じました。
これだけ仕事が減れば編集員の残業時間は減るだろうし、コストはグッと減りますよ。それでいて、価格は変化なし。

コアな読者はかなり不満があります。
昔酒井氏が読者から価格を下げてくれと言われたとき、あれだけビッシリ詰まってて650円は安いと反論してましたが、確かに内容は分厚かったと思います。
そういえば海外のミュージャンもBURRN!の文字数の多さに驚いてたしなぁ。

SONATA

SONATA ARCTICAのインタビュー記事笑えましたね。
BLIND GUARDIANも載ってたので迷わずレジへ。

トニー・カッコは年齢ばかり気にしてますね(笑)。
「UNIA」も、”作曲者すら理解できない”ってあんたがやったんでしょ(笑)!って感じですね。
1曲はスピード曲が欲しいのが本音ですが。

BLIND GUARDIANはすでに輸入盤持ってて聴きました。
ハンズィ・キアシュが「ベスト盤の選曲のためにもう一度全部聴き直した」というのが印象的でした。
”手を抜かない”と言うか、いい意味で頑固なんですよね。
そこが個人的にブラガを好きになる理由ですね。
国内で発売されてるベスト盤は結局、解説付けてオビ付けて国内仕様盤として売ってるだけですね。
持ってるのと全く同じです。

マイ・マストバイはSONATA ARCTICAとPATHFINDERですね。
PATHFINDERは特に期待できます。
SONATA ARCTICAはマサが85点も付けてるにもかかわらず、またもや約1名点数の低い人が(苦笑)。
本音なんでしょうけどね。個人的にはあまり印象がよろしくないです。
もう少し見積もってくれ!<広瀬編集長!

なんだか、雑誌の厚みも内容も薄くなった感じで、15年以上購読している僕としては残念というか。。。
まぁ、様々な雑誌が休刊しまくっているこのご時世では仕方ないのかもしれませんが…。
こうなってくると、「読み物」としてより「目を通す物」になってしまったなぁと思い、寂しい限りです。

改革断行(憶測です)

・2012年3月、雑誌の独自性を確保するための改革に着手。
・改革の目玉は「広告主要望の排除」。
 (インタビューページの確保、レビュー点数の操作、レビューのボーナストラックアピールなど)
・広告撤退による収入減は誌面改革で対応。
・といっても具体策としては「価格維持&ページ数削減」
 (間接コラム廃止、企画記事はメタリオンへ移行 など)。
ってところでしょうか。他にもいろいろあったとは思いますが。

ピッペンさんのいうとおり「読み物」としての魅力をどのように維持していくのか、編集部も試行錯誤していくのでしょうね。

今の若者の感覚の場合、650円の雑誌って高いんでしょうか?
40代おやじ的には価格が上がっても「読み物」を楽しみたいところです。

今月の雑誌レビューも楽しめましたよ。89点(笑)

トニー・カッコは本当に惜しい人ですね……。疾走曲どころか「メタル」としてのカタルシスが望めなくとも随所のメロディセンスにははっとさせられることが今でもあるので余計に。
BLIND GUARDIAN の音楽は既に聴いているとはいえ、"Valhalla"の再録などは本当に気になりますね。初期の曲は「ライヴ音源のほうがいいな」と思うこともあるので。
地味に PARADISE LOST のインタビューに、毎回音楽性を変えつつ本当にぶれないななどと思わされました。

僕的には最近の特集も知らないことの方が多いので楽しめてましたが(サウンドハウス、アナログ盤は除く(笑)特別企画系はメタリオン行きなんですかね…
最近のメタリオンadoreさんはお好きじゃないみたいですが、野球用品のカタログを眺めるのが大好きだったので楽しめてます(笑)
小学校の時読んでた月間メジャーリーグもリニューアルしてまもなく休刊になったのでBURRN!には踏みとどまって欲しいです

ACCEPT、H.E.A.Tかなり強力ですね。ボーカル変わって前より良くなった気がします^^

リニューしたけど・・・

コスト削減とはいえ、何か妙につまらなくなっちゃったかなぁという印象ですね。特集は意外と読み応えのあるモノがあったりするので何気にB!誌を読む際の楽しみの一つでしたが、削除されたのは残念です。

久々に来日したDARK TRANQUILLITYのライヴレポを読む限りでは今回のライヴの評判は良かったみたいですね。あとマーティン・ヘンリクソン(G)がドレッドヘアをやめていたのは驚き。新メンバーかと思いましたよw。

SONATAの新作は・・・何かとアレなインタビューやレビューから過度な期待は禁物でしょうか。

こんにちわ。
同じような方がいらっしゃったので、うれしくなって書き込みですが、ブラガのインタビューはよかったです。ファンなのもありますが、ハンズィの話はいつも繰り返し読んでしまいます。
ミートローフは、詩は書かないのに詩人ですねぇ。読者に需要があるかわかりませんが、興味がわきましたよ。
あと、ユニソニックの2人のインタビューも、相当ノリノリというか、機嫌の良さが感じられましたね。良い本音トークだと思います。

明らかに情報量が減って値段据え置きって感じですね~w
今まで惰性で買ってた人々が卒業する良い機会かも。
それにしても、この御時世にカラー広告をバンバン出してる
Hydrant Musicって何者なんでしょう?
ホームページを見ても会社の詳細や連絡先がずっと「建設中」で
いかにも怪しいんですがw

BURRN!に代わるような媒体がない、というのが国内のメタル業界の弱小ぶりを現してる気がします。
Grindhouse MagazineとかRockin' Onとかにもメタルが載ることはありますが、それらの雑誌をいまさら読む気になるかというと微妙ですしね。
編集長含め編集委員を一新するなどしないと、紙面はぱっとしないでしょうし、購買層の「卒業」は防げないと思います……

Accept、Firewind、Pathfinderあたりは自分も買います。楽しみです^^

YG誌は基本ギター雑誌だし、WE ROCKは日本のバンドをメインに乗せてるんでジャパメタ好きとしてはありがたいですが髪質無駄に良すぎてバカ高いしでライバルがいませんね良くも悪くも


MY MATERIAL SEASON前作はXにデス要素加えたっぽい感じでしたので新作も期待です

まとめてお返事

>ゆうていさん
まあ、「変わった」というよりは「減った」という感じなので違和感はさほどないかもしれませんね。
SONATA ARCTICA、アルバムに何曲かは「SILENCE」に入っていたような曲が欲しい所ですね。


>読者Aさん
内容が薄くなったのに価格が据え置き、というのが表面的には一番の問題かもしれませんね。


>ストラディキャスターさん
トニー・カッコはまだ若いのに堅実ですよね。
性格的にはミュージシャンより銀行や保険の仕事のほうが向いているのかもしれません(笑)。

それに対してBLIND GUARDIANは確かに全力で自分たちの音楽に取り組んでいる感があって、その点はすごく印象がいいですね。


>ピッペンさん
まあ、正直な所リニューアル前も個人的には「目を通すもの」だったりしたのですが(苦笑)。
とりあえず休刊せずに、まとまったメタル情報を届けてくれるだけでよしとすべきなのかもしれません…。


>実はX回目の投稿です さん
いい加減普通のHNを名乗られたらいかがですか?(笑)

この雑誌が売れない時代に広告主排除というのは自殺行為だと思いますが、ひょっとしたら広瀬編集長はある意味もうこの雑誌をたたみにかかっている、一種の自殺を狙っているのかもしれませんね。

89点というのはこの感想(レビューじゃありません)に対する点数ですか?
高得点をありがとうございます(笑)。


>ノームさん
せめて疾走せずともトニー・カッコのメロディ・センスが生かされる曲を望みたいですね。
BLIND GUARDIANは初期はかなり荒削りでしたから、再録では完成度が上がるでしょうね。
もっとも、荒削りな所もまた魅力になりえるのが音楽のマジックなのですが。


>B!13さん
なるほど、カタログ雑誌もまた良し、というタイプなのですね(笑)。
小学校のときに「月刊メジャーリーグ」…野球少年だったんですね。


>ハルディンさん
まあ、コスト削減して面白くなるなら最初からそうしているでしょうね(苦笑)。

DARK TRANQUILLITYのライヴは初期こそイマイチな評判でしたが、その後はCHILDREN OF BODOMとか、やたらと強力なバンドとカップリングで来ていたために見劣りしていただけで、決して悪くはなかったのだろうと思っています。


>hitoさん
BLIND GUARDIANのインタビューは自らの音楽に対する愛が伝わるインタビューでしたね。
ミートローフは、ちょっとBURRN!に載るアーティストとは毛色が違っていて、印象的なインタビューだったと思います。

UNISONICは…訳し方が他のアーティストと違うような気がします(笑)。


>ぶーさん
ハイドラント・ミュージックは怪しいですよね(笑)。
BURRN!における高得点率の高さも含めて(笑)。


>cthuさん
BURRN!に代わる媒体はないですが、でも多分他の国もメタル専門誌についてはそんなに多くの選択肢はないことが多いんじゃないでしょうか。

「卒業」というと美しいですが、まあ単に「離脱」ですよね。
cthuさんがPATHFINDERというのはちょっと意外でした。


>NOV-LYNNさん
ヤングギターの音楽レビューは当然ながらギターが大きな尺度になっていて個人的にはあまりアテにならないし、WE ROCKは基本邦楽メタル・バンドのファンクラブ会報誌をまとめたようなものだと思っているので、BURRN!の代替には全くならないですね~(苦笑)。

誌面は巻末のレビューが少し見やすくなった気がしますが、全体的に味気ない作りになりましたね。

今月はACCEPT(購入済み)、KREATOR、PATHFINDER、REINXEEDが楽しみです。後はトミー・レインエクシードが全面プロデュースしたCHARLIE SHREDとPELLEKもマストバイですね。プロデューサー業にも手を出すとは本当にこの人は多才だなあ、と。

ソナタって……。

脱スピードメタルしてたんですね……。

まぁ、エクリプティカとサイレンスくらいしかまだ聴いた事はないんですけどね。

ただ、脱スピードメタルという意味では同じ北欧のNOCTURNAL RITESを思い出しました。

彼らは脱スピードメタルをしてもかなりのクオリティを維持していましたよね。

それもadoreさんが90点なんて点数を点けちゃう位でしたし。

ソナタのこういう現状を聞くと、ニルスの才能や偉大さがどれほどのものだったかを考えさせられます。

>学生メタラーさん

そうですね、たしかになんか味気なくなったとは思います。
必要最低限なものしかないという感じですね。

CHARLIE SHREDはREIN XEEDのファンだったら楽しめそうですね。

>Shuさん

SONATA ARCTICAは脱メロスピしてダメになったバンドの代表格と思われているんじゃないですか(笑)。
なまじ初期に素晴らしいアルバムを作ってしまっただけに…。

「ECLIPTICA」と「SILENCE」しか聴いていないというのはある意味幸せかもしれません(笑)。

>adoreさん

じゃあこれからサイレンス以降のアルバムを聴けば幸せから転落するでしょうね(笑)

というかもう「ダメになった」と言われちゃうようなバンドになってしまったんですね……。

今のソナタも・・・

個人的には今の方向性もツボですが、細かいうえに平板な歌メロが多くなりました。
そこは誰しも残念に感じているのでしょうね
プログレとかクイーン的コーラスとかシンフォアレンジが好きなので、ウニアもデイズ・オヴ・グレイスも
特に複雑だと思うことなく聞けました(笑)
逆に昔のメロスピ路線を「幼稚」、「薄っぺらい」といってた人が、今の彼らを気に入る例もありますので

トニーも高音出すのがしんどいならボイトレすればいいのに・・・
プログレやりたいなら下手なリズム隊(笑)は変えた方が・・・

ちなみに3rd,4thまではメロスピしてますので安心してください(笑)。

>Shuさん

3rdまではオススメできますね。
メロスピ路線にこだわらなければ、それ以降のアルバムも楽しめるかもしれません。

メロディ・センスは相変わらず優れているので…。

>名も無きメタラーさん

たしかにSONATA ARCTICAのメンバーはプログレ路線には不向きですね(苦笑)。
だから新作ではシンプルな音楽性に方向性を変えたのかもしれませんが…。

トニーが気にしているのは音域というよりは体力的な問題なのではないでしょうか。
要はあまりくたびれたくないのでしょう(苦笑)。