EUROPE / BEG OF BONES

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2009年の「LAST LOOK AT EDEN」に続く、再結成後4作目となるアルバム。

BURRN!誌のレビューやインタビューを読む限り70年代的なブルーズ色の強いハード・ロック・アルバムであろうと予想はしており、実際その通りの音だった。

正直この手のサウンドは個人的には趣味ではない。が、本作の出来については「なかなか良い」と認めざるをえない。

リフなどは個人的な趣味からすればいささかシンプルすぎるもののグルーヴィであることは確かだし、往年のゲイリー・ムーアを彷彿させるギター・ソロのトーンは絶品だ。

IRON MAIDENやDREAM THEATER、AEROSMITH、MR.BIGなどを手掛けたケヴィン・シャーリーによるサウンド・プロダクションも見事で、このアルバムの音は彼の仕事の中でもベスト・ワークのひとつなのでは。

一歩間違うと単なる地味な懐古趣味になってしまいそうな方向性ながら、骨太なバンド・サウンドと、ジョーイ・テンペスト(Vo)の甘さを失わない歌声がしっかりと求心力を生んでいる。

前々作「SECRET SOCIETY」収録の「Always The Pretenders」や、前作「LAST LOOK AT EDEN」のタイトル曲のようなそれ単体で強い印象を残す楽曲は収録されていないが、上っ面なポーズだけの「70年代志向」とは一線を画す、このバンドが「本物」であることを示す力作ではある。

しかしまあ、EUROPEのアルバムでなければこういう音のアルバムを買ったかというと微妙な所で、そんな「過去のサウンドへの未練」が購入モチベーションになっている人間が現在の彼らのアルバムを買うことを、メンバーは望んでいないんじゃないだろうかという気も。

BURRN!誌のインタビューでもジョーイ・テンペストが「80年代に本気で最後の別れを告げる」と言っていたし、海外のインタビューでもジョン・ノーラムが「80年代は最悪の時代だった」と発言しているので、恐らく私が望む「初期のようなサウンド」に彼らが回帰するとは想像しにくい。

ましてやこのサウンドで本国では充分な成功(初登場2位)を収めているだけになおさら。

彼らが一番輝いていたのが80年代であることは衆目の一致する所だと思いますが、狂騒とでもいうべき大成功の渦中にいた当事者としてはまた別の感想があるんでしょうね。

そういうわけで80年代を愛する私にとってはそろそろこのバンドに別れを告げるべき時が来ているのかもしれないが、BURRN!誌におけるインタビューでジョーイが「(純粋で正直なロック・アルバムを作り上げたので)今度はまた別のタイプのアルバムを作る必要が出てきたね」と発言していることに対してつい期待してしまう、それくらい私はEUROPEが好きなのです(苦笑)。

◆本作のリーダー・トラック「Not Supposed To Sing The Blues」のPV [YouTube]



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コメント

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うーん渋い

seven doors hotelなEUROPEが好きな身としては、いささか渋過ぎでThunderみたいです。でも歌声とギタートーンがもろ好みなので、これはこれでいっかぁとなってしまいました(笑)
ジョーイ歌ってて楽しそうですよね。

こんにちわ。

ヨーロッパのアルバムでは前々作がとても好きで、前作からブルーズ臭が強くなってしまって個人的には残念です。
前々作は、ヘヴィなのにVoを含めてメロディアスで、なおかつ、Gtは縦横無尽というのが本当にツボでした。

今作も聞き進めれば、良くなるかもしれないですね。最近、前作の良さにやっと気付きはじめましたので(笑

>IOさん

まあTHUNDERみたいな所を狙ってるんでしょうね。
でもやはりジョーイの歌声には何とも言えない魅力があって、「渋すぎ」にならないギリギリの所に踏みとどまっている気がします。

>hitoさん

リリース当時はまだ再結成前のスタイルに未練が強かったのであまり良いと思いませんでしたが、こうして4作続けて聴いてみると前々作の「SECRET SOCIETY」が一番いいですね。

前作はたしかに割とスルメかと。

苦笑

このバンドの2nd~4th迄を愛する自分にとって、80年代を否定されても困るのが正直なところ。
70年代サウンドを聞きたければ、70年代のバンドのアルバムを聴きますよ。

HEARTの姉妹も80年代が確か嫌いですよ

ジョーイがフェイスブックだかで「もうファイナルカウントダウンはやりたくない」とも発言してますし、イヤな思いもたくさんしたのかなぁと
それにしても26カ国のシングルチャートで1位って今じゃ考えられないですね笑

まとめてお返事

>ゆうていさん
まあ、フツーのリスナーの感覚ではそうですよね(苦笑)。


>NOV-LYNNさん
HEARTも80年代にバカ売れしてますからね。
大成功を収めるってことは我々庶民には想像もつかないストレスがあるんでしょうね。

HEARTの場合は70年代にもそれなりの成功を収めていますが。

26ヶ国で1位を獲れるくらいの普遍的な魅力のあるHR/HMチューンが今後出てくる可能性は低いでしょうね…。
本人たちはやり飽きてるのかもしれませんが。ザ・80年代みたいな曲ですしね。

再結成後のアルバム、まだ聴いてないんですけど、とりあえずキー・マルセロ時代が好きなファンが大満足するような作品ではないと受け止めてよろしいんですよね?(笑)

管理人さんがEUROPEお好きとは知りませんでしたが、言われてみれば納得です。FAIR WARNINGあたりと併せてレビューしていただけないでしょうか(笑)。

>アドル・クリスティンさん

んー、全く別物としてフラットに聴けばともかく、当時の音を期待して聴けば大満足は難しい…というか失望するでしょうね(苦笑)。

EUROPEもFAIR WARNINGも、最初の解散前までは大好きでした。
いつかレビューもしたいと思っていますが、この忙しさではいつになることやら…(苦笑)。