PATHFINDER / FIFTH ELEMENT

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前作デビュー・アルバムがメロディック・パワー・メタル・マニアの間で好評を博したポーランド出身バンドのセカンド・アルバム。

基本的には前作の流れを汲むメロディックでエピックなパワー・メタル・アルバムだが、前作に比べるとシンフォニックなアレンジはやや控えめになり、アグレッシヴな要素やプログレッシヴな要素が目立つ作風となっている。

ドラマーがカミル・ルースからキャスパー・スタコヴィアクなる人物にチェンジした影響か、ブラスト・ビートも随所に導入されており、そのことが本作に対するアグレッシヴでエクストリームな要素を増強した、という印象を強化している。

しかし、残念なことに彼らが今回目指したという「もっとエクストリームでファストなアルバムに仕上げたかった」というヴィジョンを実現するにはシンガーが弱く、デス声もどきのか細いシャウトや素っ頓狂なスクリームが作品にB級な印象を与えるのみならず、彼らの美点であるメロディックな要素を台無しとまでは言わないにせよ、大きく損なってしまっている。

音楽学校できちんとした音楽教育を受け、テレビや映画、ゲームなどのBGMの作曲を手掛ける中心人物、アルカディウス・E・ルース(B)の作曲能力は高く、楽曲の構成力やアレンジ力においては今回も非凡なものを感じさせるだけに、Voの力量不足が惜しまれる一作である。

日本盤ボーナスである、アメリカの歌手であり女優であるシェールの89年のヒット曲(全米3位、全英6位)「If I Could Turn Back Time」は原曲の良さもあり、楽しめる仕上がり(やはりVoの無意味なスクリームが邪魔ですが/苦笑)。

前作発表時に公開していたマイク・オールドフィールドの「Moonlight Shadow」といい、彼らのポップ・ミュージックに対する趣味は私に近いかも(私の世代だとシェールのヒット曲というと断然「Believe」ですが)。

ちなみに、日本盤ライナーノーツによると、彼らのマネージャーは今はなきドイツの老舗インディ・レーベル「NOISE」レーベルのオーナーとして「ジャーマン・メタル」世代のメタル・ファンにはよく知られるカール・ウォルターバックだそうなので、ぜひこのバンドの音楽的ポテンシャルをフルに引き出すことができるヴォーカリストを見つけ出してもらいたい…というより、まずは現ヴォーカリストの成長を願うべきですかね。

まったくどうでもいい話ですが、リュック・ベッソンが監督した本作と同名の映画は、評論家たちにはこき下ろされた作品ですが、個人的にはかなり好きな映画です(笑)。【78点】

◆本作収録「Elemental Power」 [YouTube]


◆本文でもふれたCHERの「If I Could Turn Back Time」のカヴァー [YouTube]




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コメント

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SONATAと同時発売

SONATAと同時発売ですが、個人的にはこのPATHFINDERの方が好きですね。
メロスピ狂だからなんでしょうか(笑)?
たしかにVoは良くないですね。線が細すぎます。
ただ最近メロスピ(というかメタル全体)の人気が下がってきてるので、
こういうバンドこそ頑張って欲しいですね。

>ストラディキャスターさん

「メロスピ」というスタイルが好きならSONATAよりこのバンドでしょうね。
私もメロスピを再び盛り上げるのは、こういう東欧出身バンドだったりするのではないかという期待は持っているのですが。

自分もあの映画大好きです。サントラ買うぐらい。プレステで出たゲームは微妙でしたが。
ミラ・ジョヴォヴィッチが凄く可愛いんですよね。「バイオハザード」では別人みたいになってますけど(苦笑)。

こんなに聴いててニヤニヤがとまらないのは、
アクアリア以来です。(笑)

ドラクエ出たら、部署変わらんと、体が持たないか、、、

私は今作結構好きです。Vo変わったシークレット・スフィアも早く聴きたいな~。でもノクタが一番待ち遠しい!!
話は変わりますが、NHKでtakamiy見た、おったまげた。
新譜では、フリーダムコール、3rd「Eternity」に続いて、日本盤が出ないとなぜか傑作臭が漂うというジレンマ、、、
最初からアップテンポで好印象、後半にちょっとダレる気もするが、臭さを撒き散らすジャーマン、今では貴重な素晴らしいバンド。
上記輸入盤と共にポチッたのが、ウォーブリンガー、2011年作、日本盤はかなり遅れて発売、輸入盤は尼で当時1300円程、この価格差までくるとさすがに日本盤は厳しい。作品は緩急をつけながら所々でスピード感を出し、ザクザクと刻みつけるスタイルで野心的。
バーニング・ポイント、前作、前々作とは異なり、最初からストレートなスピードチューンで攻めるサプライズ!!
途中からミッドテンポ主体でダレるが、途中、途中でアップテンポなナンバーを入れるあたりがニクい、前作「Empire」も良かったが高揚感は今作が上。
ルカのラプソディ、上記BPと同じ解説は和田氏、文面内容は雲泥の差、肝心な作品に至っては、正直心に残った曲があまり無かったかな、但しクオリティは高い。
ナイル、期待通りの作品、次回作は逆にその期待を裏切って欲しくもある。テクニカルで比較的聴き易いブルデス、構成も文句のつけようが無い、そこを良い意味で裏切って欲しい。
キャンドルマス、最終叙事詩と銘打った今作、気合の入りようが半端ない!!1曲目からビンビン伝わってくる、ドゥーム・メタル界にはまだまだ必要な存在。
アルテミス、メロスピファンが望む形式のスピードチューンが多くて良作!!良い意味で吹っ切れたか、、、解説は藤木氏、肩書きはMETALLION?
ところでadoreさんは飽和状態から二極分化へのMETALLION読みましたかという野暮な質問は今回やめます(笑)
名盤紹介で藤木氏解説のBLUE BLOODは分かるのですが、ZIGGYの「KOOL KIZZ」、幅さん、これネタでしょ!このアルバム持ってるけど、、、
リンキンパーク、最初は美容室で流れる音楽だな、コレと思っていましたが、ところどころで彼ららしい展開があり、思いのほか良い作品と感じました。
ザ・カタリスト程のキメ曲は無いが、これこれでいいんじゃないかなぁ。オフスプは今回はヌルーです。

まとめてお返事

>名も無きメタラーさん
よもや映画ネタの方に食いついてくださる方がいたとは(笑)。
あれ面白いですよね。エリック・セラの音楽もフューチャリスティックで秀逸でした。

ゲームの映画化、映画のゲーム化はどちらもパッとしないことが多いですね。
ミラ・ジョヴォヴィッチは…たくましくなりましたね(笑)。


>Loki Holstさん
AQUARIAのようにアルバム2枚で消えてしまわないことを願うばかりですね。


>フィンさん
ドラクエを理由に部署異動できるなんて素敵な会社にお勤めですね(笑)。
METALLION、藤木氏移籍第一弾(?)だし買ってみようかという思いもあります。

幅さんは昔からZIGGYの「KOOL KIZZ」を推していたような記憶があるので、心底好きなのでしょう。

ちなみにPathfinderも映画のタイトルにあります。
関係ない話ですいません。。。

>けー坊さん

ハリウッドものな割にB級な感じの映画ですね(笑)。

関係なくはないですよ。いつかどこかで「フィフス・エレメント」が好き、ということを告白したいと思っていたので、この記事において映画の話は重要なトピックです(笑)。

関係ない話ですが…

記事の本文や、コメントを見て気になったので「フィフス・エレメント」レンタルして見てみました。(CDは買ってません(笑)
想像してたよりB級でしたが、面白かったです。オカマのDJがうるさかったですが(笑)
彼の出演作結構見てますが、やっぱりブルース・ウィリスはコミカルな映画、役が似合いますね。ミラ・ジョヴォヴィッチはシェクシーで可愛かったです。

>B!13さん

わざわざレンタルしていただいたんですか(笑)。
でもまあ、B級とはいえお金はかかっていてスケール感はそれなりにあるし、娯楽作品としては結構悪くない映画だと思います。

オカマのDJ、ルビーは良くも悪しくも印象的なキャラクターでしたね。

そして上のコメントでも書いた通り、関係ない話などではないのです。
ぶっちゃけ本作のタイトルが「フィフス・エレメント」でなければ、多分この作品はレビューせずにスルーしたと思うくらいですから(笑)。