HOLY KNIGHTS / BETWEEN DAYLIGHT AND PAIN

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00年代初頭のメロディック・パワー・メタル・バンド・ブームの頃に今はなき「SOUNDHOLIC」レーベルから日本盤も発売されたイタリアはシチリア島の中心都市パレルモ出身のシンフォニック・メタル・バンドの、約10年ぶりとなる「復活」アルバム。

当時はこの手のバンドにいささか食傷しつつあった時期なので、「ああ、またぞろラプソのフォロワーね」という一言で片づけてしまい、そのクサメロのセンスに光るものは感じつつも、あまり個人的な評価の高いバンドではなく、デビュー・アルバム一枚を残して消えてしまったことについて疑問も、惜しむ気持ちもさしてなかったというのが正直な所である。

しかし、当時のムーヴメントの盛り上がりが嘘のように沈静化した今(10年ひと昔、とはよく言ったものですね)、彼らの名前にすら一種の「懐かしさ」を感じてしまったため、つい本作を購入してしまった。

ところが聴いてビックリとはこのこと、「これがあのHOLY KNIGHTS?」と思わずCDのパッケージを確かめてしまうほどに高品質のシンフォニック・パワー・メタル・サウンドが飛び出してきた。

メンバーが変わっているのか…? とも思ったが、西野幸一郎氏による日本盤ライナーを読むと、デビュー作当時とVoやDrのメンバーのクレジットは変わっているものの、それは前作における彼らの名前表記がいわゆる「芸名」だったためで、本作に関わっているメンバーは全て前作でプレイしていた人間のみだという。

どうやらメンバーはそれぞれこの10年間様々な形で音楽活動を続けてきたようで、それらの活動を通じて得られた成長が本作の充実ぶりに反映されているということなのだろう。

デビュー作ではいささかチープな印象を放っていたKeyによるオーケストラ・アレンジは、わざとらしいまでの派手さこそなくなったものの、上品なものとなり、歌メロのクサさも抑制されたことで、逆にサウンド全体のスケール感が格段に増している。

そして、何よりも素晴らしいのがパワー・メタルとしての突進力が格段に増していることで、これはDrの力量の飛躍的な向上、そしてバスドラを大きめに録音したプロダクションの勝利であろう。とにかく本作の疾走パートの力強さは疾走マニアであれば必聴の気持ち良さだ。

なぜ今このタイミングで、特に売れた実績もなく、失礼ながらハイセンスとは言い難い名前のバンドを復活させる気になったのかは全く不明だが、このバンド名で復活してくれたからこそ私などは本作を手にしたわけで、そういう意味ではありがたい「復活」である。

ボーナス・トラックはアニメ「機動戦士ガンダムX」のOP曲だったROMANTIC MODEの「Resolution」という、イタリアのメタル・バンドらしい(?)、かなりアニヲタな選曲(ちなみに日本語で歌っている)。

いや、久々にこの手の音楽を聴いて胸が熱くなりましたね。それは半分ノスタルジーかもしれませんが、本作がメロディック・パワー・メタル・ファンであれば一聴の価値がある作品であることは間違いないと思います【83点】

◆本作のトレーラー映像 [YouTube]


◆本作の日本盤ボーナス「Resolution」[YouTube]



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コメント

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マークしてなかった

このバンドは全く知らなかったけど、YOU TUBEで聴いてみたらけっこういいですね。
また、昔聞いてたバンドが復活して成長していると喜びもひとしおですね。

余談ですが、この前初めてディスク・ユニオン新宿HEAVY METAL館行きましたよ(笑)。
きっかけはFREEDOM CALLの「LAND OF THE CRIMSON DAWN」が国内盤発売が見送られたことで、輸入盤買いに行こうとしたんです。

普段は渋谷パンク/ヘヴィメタル館なんですけど、新品だと限定盤しか置いてなくて、オンラインで在庫調べたら新宿HEAVY METAL館に通常盤があったんです。カヴァーの付属CDはいらないので。
お茶の水は行った事あるけど、普段山手線乗らないので、行く用事がなかったけど、せっかくなので行ってみました。

意外とフ1つのロア自体は狭いんですね。もっと広いと思ってました。渋谷/パンク・ヘヴィメタル館の半分ぐらいですよ。
でも奥に長くて、所狭しとギチギチに並んでるのは「やっぱりさすが新宿」と思いました。それが2フロアですからね。

気に入ったので気が向いたらまた行ってみます。
ニアミスしたら(お互い名乗る事もないでしょうけど)よろしくお願いします(笑)。

HOLY KNIGHTS…まさかの「復活」ですか。
個人的な印象では、同時期に同じSOUNDHOLICから日本盤がリリースされたフィンランドのREQUIEMあたりと並んで、南欧・北欧から続々現れたメロスピ・バブルの代表的存在といった感じですね。
HIGHLORDにINSANIA (STOCKHOLM)、ZONATA、DREAMTALE、DOMINE、THE STORYTELLER、HEIMDALL、DARK FIRE…好きだった、一度は青春を託し(かけ)たあのバンドたちは一体どこへいってしまったのでしょうか(私がフォローできていないだけかもしれませんが)。
「なんでメロスピすぐ消えてしまうん?」と、節子に成り代わってつぶやきたい気分です。

しかし、このHOLY KNIGHTSや、いつぞやのFORGOTTEN TALESのように突如復活する可能性もなくはないので、気長に待ち続けることにしましょう…

Voが上手くなっていたので自分もメンバーが変わったのかと思いました。

本家ラプソディーや同郷のエインシェント・バーズと共にシーンを盛り上げてもらいたいですね。

まとめてお返事

>ストラディキャスターさん
相変わらず通常盤へのこだわりが強いですね(笑)。
ディスクユニオン新宿HM館は1~2か月に1回くらいしか行ってませんが、あの狭い店内でニアミスしたらお互い「邪魔だなコイツ」としか思わないでしょうね(笑)。


>メタリアン666さん
代表的存在と言えるほどもてはやされたかどうかはともかく、当時あの手のマニアであれば名前くらいは記憶に残っているバンドですね。
泡沫的なバンドがすぐに消えてしまうのはメロスピに限らないと思います。
むしろ列挙されているバンドの中にはぼちぼち活動しているバンドもいるので、メタル・バンドというのは本当に好きでやっている人ばかりだけに、概して粘り強いとさえ思っています。


>名も無きメタラーさん
なんとなく近年イタリア復興の兆しがありますね。
気のせいかもしれませんが(笑)。

別件でのコメントをしたついでに気にかかる記事があったので・・・僕はアニオタなのです。さっそくResolutionのカバーをyoutubeで探してみました。
さすがイタリア人、日本語がうまい(笑) イタリア語と日本語の発音が近いのはご存知でしょうか。カタカナ発音・ローマ字読みでいいから楽なのだそうです。あのディオもイタリア系の出自だそうですが、心なしかカタカナ発音のケがあると思いませんか?
またイタリア人の気質やカンタービレなどにそれを波及させた音楽文化からして「あなたがいるから」という歌詞内容も歌いやすかったのではないでしょうか。

イタリア人と言えばベルカント、声帯そのものからくるカツンとした音色は演歌的になってしまう日本人にとって異質の男らしさですね。
日本でこの曲をカバーしている遠藤正明も、ムキムキの筋肉を後ろ盾に日本人離れした男くさい声を出しています。彼はLAZYでVo.を務めた影山ヒロノブ(当時は景山浩宣)の弟分で、EARTHSHAKERの西田昌史のソロバンドで客演したこともあるんですよ。
パワーボイスとハスキーボイスの競演がそれは見事でした。

それはそうと、今後はよくこのブログで勉強させていただこうと存じます。

>八貝由さん

探すまでもなくこの記事に貼っていますが…(笑)。
イタリア語と日本語の親和性については初耳でした。フィンランド語の発音が意外と近い、という話は聞いたことがありましたが。

コメントの内容からして八貝由さんは私より年長でメタル歴も長そうなので、勉強になるとは思えませんが、今後ともよろしくお願いします。

私も一聴して「これがあのB級クサメタルバンドなのか?」と驚きました。
「Awake」が特にクサくて良いです。
今のところ、この手のバンドでは今年一番の出来かと思います。

今月末にはVISION DIVINE、8月にSECRET SPHERE、そして今秋にはTRICK OR TREAT(ここまで全部イタリア勢 笑)と日本のGALNERYUS、BALFLAREの新譜が出るのでまだまだ今年も楽しみです。
9月末には新生KAMELOTの新譜(「THE BLACK HALO」の頃に回帰したコンセプト作とのこと)も発売するそうですよ。

>学生メタラーさん

出来が今年一番かどうかはともかく、成長によるインパクトの大きさはたしかに今年一番かもしれませんね。

SECRET SPHEREは私も楽しみですね。GALNERYUSもまぁ外しはないでしょう。

KAMELOTはもう少し昔に回帰してほしいですが(笑)、10月に発売がずれ込むという話もありますね。