GOTTHARD / FIREBIRTH

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交通事故によって看板シンガーを喪うという悲劇を乗り越え、ほぼ無名に近いスイス人シンガー、ニック・メイダーを新たなフロントマンに迎えてリリースされた新生GOTTHARDの復活アルバム。タイトルはやはり不死鳥伝説みたいなものを踏まえたものか。

パッと聴きの印象は、やや地味。ニックの故スティーヴ・リーを思わせつつもよりハスキーな歌声もあってか、このバンドのもつブルージーな面が強調されている感じ。

その分、個人的にはこのバンドの魅力ポイントであったヨーロピアンな叙情味をたたえたメロディアス・ハード的な側面はあまり表に出ておらず、また、このバンドのアルバムに必ず存在する「元気系」の曲にインパクトが薄い(#12あたりが2~3曲目に来ていればまた印象が違ったかも)ために全体的な印象はいささか渋め。

まあ、スティーヴの死という悲劇からまだそれほどの月日も経っていないだけに、あまり能天気な楽曲を書く気にならなかったためにこういう作風になったのかもしれないが、それはすなわちスティーヴの死という事実を未だ振り払えていないということを示しているのではないか(無理もないことではあるが…)。

ただ、一方で、現在の彼らがそういう感傷的な状態であればこそ、バラードの#6、#13の出来が素晴らしくなったのかもしれない(#13はスティーヴに捧げられた曲)。

GOTTHARDというバンドがスティーヴ・リーを欠いてなお「良いバンド」であり続けることができることを証明する内容ではあるが、スティーヴ・リー時代を超えた、と断言できる人間はそれほど多くないのではないだろうか。

ニュー・バンドという形ではなく、「GOTTHARD」という「ブランド」を今後も使用し続けることを選択した以上、スティーヴ・リー在籍時と同等のクオリティを保ち、それを超えることを目指す責任を、残されたメンバーたちは負っている。

◆本作収録「Starlight」のPV [YouTube]




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コメント

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曲調もジャケットも地味で、追悼盤の意味合いが強いですね。しょうがないと思います。僕も半分お香典のつもりで買いました。ただ新ボーカルはしっかり歌えてますし、バンド活動を途切れさせなかったことは彼らの強さだポジティブにとらえています。管理人さんもこのアルバムは採点対象外ですね。

>名も無きメタラーさん

私の香典感覚と、あとはUNISONICとのカップリング・ライヴに備えた予習用に購入しました(笑)。
こういうアルバムに採点をするのはちょっと罰当たりかなと。

香典

私も9月の予習+香典で購入しましたよ。本当の方向性は次作で決まりますね。今はまだ”忌中”だと思うんで・・・。このツアーではあまり新作からは演奏してないみたいですね。ベスト的選曲で回っているようなのでかなり期待してます! もう今から鼻血出そうぢゃ!(笑)

お香典と期待半々で買いました。次のアルバムでこのバンドなりに弾けられるかで、僕は判断しようかなと

シークレットスフィアの新作はリレコ盤ですが、あの細い声で魅力的だった曲をルッピがどう歌うかが楽しみです

>godhand89さん

購入理由が同じですね(笑)。
まあ大筋の方向性はデビュー以来あまり変わっていないバンドだと思うのですが、今回は「いつも通り」の気持ちで作ったアルバムではないと思うので、次作で本領発揮、と考えるのが普通でしょうね。

ベスト選曲のライヴは楽しみですね。
果たしてLOUD PARK09で見たスティーヴ在籍時のライヴのインパクトを超えられるか。