ANDRE MATOS / THE TURN UP THE LIGHTS [BONUS DISC]

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本サイトでANDRE MATOS名義での3rdアルバムとなる「THE TURN UP THE LIGHTS」をレビューしたわけですが、ボーナス・ディスクは評価の対象外としております。

ということであっさり片づけてもいいのですが、日本の演歌である「氷雨」をわざわざ取り上げているということで、これはアンドレとしても「ツッコミ待ち」だと思いますし(?)、あえてここで取り上げてみようかと思います。

1曲目は彼がキャリアをスタートさせたバンドであるVIPERの名曲「AT LEAST A CHANCE」のカヴァー。一種のセルフ・カヴァーという感じでしょうか。

アルバム本編の練られた楽曲に比べるといかにも稚拙な印象も受けますが、このメロディのインパクトは今なおなかなかのものだと思いますし(もっとも、この音源が初聴の方にどう響くかはわかりませんが…)、「むしろこの路線のままでいいよ」という方もいるかもしれません。

2曲目はQUEENSRYCHEの名作「OPERATION:MINDCRIME」収録の名曲「I Don’t Believe In Love」のカヴァー。

私は「THE TURN UP THE LIGHTS」を聴いて、「THE WARNING」から「EMPIRE」までのQUEENSRYCHEを思わせる作風だと感じたので、なんとなく納得のカヴァーでした。

ただ、こうして直接カヴァーしているのを聴くと、やっぱりオリジナルの完成度には及ばず、あの頃のQUEENSRYCHEはアレンジから音作りまで本当に完璧で、やっぱり凄いな、とあらためて感じました。現在のバンドの泥仕合っぷりは残念ですが…。

ちなみにこの曲は、当初あまり良さがわからなかった「OPERATION:MINDCRIME」を好きになる取っ掛かりとなった曲で、きっかけはベタですが失恋でした(恥笑)。

「愛なんて信じちゃいない 今も昔もこれからも。
愛なんて信じちゃいない。心を痛める価値がないさ」

こんな歌詞にグッと来ちゃうあたりが未成年(まだギリギリ18歳だったかな? いずれにせよ大学生活始まって間もないころでした)ならではの甘酸っぱさですね(笑)。

3曲目はRADIOHEADの「Fake Plastic Trees」のカヴァー。まだUKロック然としていた2nd「THE BENDS」からのシングル曲で、シングルとしてのヒット規模はさほどでもないものの、ファンの間では非常に人気の高い曲で、かなり多くのアーティストにカヴァーされているようだ。

私は「ブリット・ポップ世代」なので周囲にこの手のバンドを愛聴している友人も多く、必然的にRADIOHEADも聴いていました(「KID A」まで)。

しかしいわゆるUKロックというのは、当時流行っていた他のロック、いわゆるグランジ/オルタナティヴや当時メロコアと呼ばれていたパンク・ロックと比べても個人的には退屈に感じられる音楽だったというのが本音です。

とはいえ、あらためてこうして聴いてみると雰囲気モノめいた印象は変わらないものの、これはこれで悪くないかな、と思えるようになったのは年齢を重ねたせいか、あるいはシンフォニックなアレンジによるものでしょうか。

そして日本人にとっての目玉は何と言っても4曲目の「氷雨」。

アンドレが来日時にカラオケボックスで聴かせてもらって感動した曲だそうで、アンドレがその後聴いたレコーディング音源はテレサ・テンによるカヴァー・バージョンのよう。

調べてみるとこの「氷雨」という曲は1977年に佳山明生という歌手のシングルとして発表され、その時はヒットしなかったものの、1982年に再々発盤としてリリースすると、1983年のオリコン年間5位にランクインする大ヒットになったらしい。

たしかになんとなく幼心に聴いたことはあったものの、日本人でありながら、正直この曲に一番なじみがありませんでした(苦笑)。

アンドレの日本語の発音は「やや上手いガイジン」レベルですが、まあ健闘している部類でしょう。こうして聴くとこの手の演歌はメタルのパワー・バラードに通じるものがありますね。

ただ、かつてアンドレは「いつか演歌のカヴァー・アルバムを作りたい」みたいなことを言っていたけど、1曲で充分かな…という感じです(苦笑)。

◆1988年のブラジルのTV番組における「At Least A Chance」のパフォーマンス [YouTube]

すごい映像が上がってるな…。演奏ハシり過ぎだろ(笑)。


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コメント

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恋の空騒ぎのOP

その昔ANGRAの1stに収録されていたケイト・ブッシュの「嵐が丘」のカバーが気に入り、ケイト・ブッシュのアルバム(1st~6th)を買い集めました。

またケイト・ブッシュのカバーにチャレンジする気は無いですかね。

たしか2ndアルバムのインタビューで「魔物語」の「バビューシュカ」をカバーしたいような事を言っていたハズ。

演歌泣ける

QUEENSRYCHEの完コピは無理だったようです。
氷雨は泣けました。
なかなか堂に入ってますね。

VIPERのこと

VIPERの映像は、こちらも是非。
http://www.youtube.com/watch?v=qgHOQYQyRbM
2nd「Theatre of Fate」のなかでも随一のクラシカルな名曲「Prelude To Oblivion」が、まるでパンクバンドのような荒々しい演奏に…
しかもこのシチュエーション…何というか巧まざる笑いを誘います。

もっとも、VIPERはライヴアルバムの「Maniacs in Japan」や再結成後のライヴ映像を見ても、だいたいこんな感じなので、元々はこうしたラフなスタイルの方が持ち味なのかもしれません。

そういえばその昔、4th(多分)「Coma Rage」が出た時、B!誌のレビューで「ANGRAが芳醇な美酒なら、アンドレの抜けたVIPERは酒粕」みたいなことを書かれてたような。
まあ、メロコア化(?)の進んだ「Coma Rage」はVIPER好きの私でも数回聴いてお蔵入り状態ですが…

まとめてお返事

>ゆうていさん
ケイト・ブッシュは独自の世界が炸裂していて、ハマる人はハマりそうですね。
今のアンドレはANGRAの1stの頃に比べてだいぶ声が荒れているのでケイト・ブッシュはつらいんじゃないですかね…。


>ストラディキャスターさん
オマケとして考えればなかなか楽しめるカヴァーですよね。


>メタリアン666さん
たしかにこれはパンク・バンドの演奏ですね(笑)。その後R&Rというかパンク路線に進んだだけあって、元々そっちの志向もあったのかもしれませんね。

酒粕云々の話は私もなんとなく記憶しています。レビューだったかどうかは定かではありませんが…。