VERSAILLES / VERSAILLES

versailles05_sp.jpg

そのルックス同様に豪奢なシンフォニック・メタル・サウンドによって、ヴィジュアル系のファンのみならず、メタル・ファンにも支持の高いVERSAILLESの、活動休止宣言後に発表されたラスト・アルバム。

コンセプトの明確なバンドだけに音楽的に大きな変化はなく、デビュー以来貫いてきた彼ら流のシンフォニック・メタルがここでも展開されている。

ただ、前作からメタルというよりはややV系寄りのサウンドが目立つようになっていたが、本作もその流れを汲み、メタル然とした楽曲とV系っぽいダークな曲が共存している。

とはいえ、彼らのコンセプトである「薔薇」をタイトルに冠した先行シングル#2「Rose」が典型的なシンフォニック・パワー・メタル・チューンであるように、あくまでこのバンドの立ち位置は「メタル」なのだろう。

あるいはそのことがこのバンドの一般レベルへのブレイクを妨げ、このバンドを短命に終わらせてしまったのかもしれないが…。

まあ、ちょっとV系寄りの楽曲も別に悪くはないし、#2、#3、#9、#10といったメロディック・パワー・メタル系の楽曲のカッコよさは言わずもがな。

バラードの#7あたりからの後半は、あざといほどに「バンドの終わり」を感じさせる歌詞が立て続き、このバンドに強い思い入れを持つファンたちの涙を誘うことだろう。

#10「Truth」で歌われる「でも信じてみたかった 奇蹟を、夢を、可能性を」という歌詞にある「奇蹟・夢・可能性」というのが「メタル・サウンドで成功すること」だとしたら、「やっぱりそれは無理だったのか…」とやるせない気分になってしまいますね。

アルバム冒頭を飾る#1「Prelude」はインディーズ時代にリリースした初のフル・アルバム「NOBLE」収録曲の、アルバムのラストを締める#11「Sympathia」は彼らの初音源であるEP「LYRICAL SYMPATHY」収録曲のリメイクで、これを手抜きと見るか、なにがしかの意味を見出すかはこのバンドに対する思い入れの深さによって変わってくるかも。

正直メンバーもいい年だし、メンバー・ショットのPhotoshop補正も年々キツくなっていただけに(苦笑)、この路線をあと何年続けられるかということは危ぶんではいましたが、まさかここまであっさり終わってしまうとは残念です。

とはいえ、音楽的には一切パワーダウンを見せることなく活動を停止するその様は潔く、本作の仕上がりはまさに有終の美と呼ぶに相応しいもの。

キレイにまとめれば「薔薇は美しく散る」ということですね。

完全に蛇足ですが、本作の初回限定盤には、彼らがメジャー・デビュー後に発表してきた全てのPVと、デビュー・シングル「Ascendead Master」の3バージョンに分割して収録されていたショート・ムービーが全て収録されており、これまでそれら観たさに限定盤や、バージョン違いを購入していた私のような人間にはちょっと納得のいかない(笑)、しかし未見の人には非常にお得なボーナスDVDが付属しています。【85点】

◆本作収録「Rose」のPV




スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

少し前の僕のリクエストを聞いて(?)インディーズ時代のアルバムのレビューも書いて下さり、ありがとうございます。気になってたので今度見つけたら買おうと思います。

今作は、ダウンロード限定のシングルや、先行シングルとそれぞれのカップリング、過去曲のリメイクを収録してるので熱心なハニーであればあるほど損した感じもするかもしれませんね…僕は全曲新曲として楽しめましたが(笑)

#4のGACKTっぽいモダンな曲~#5の「V系ロック」的な曲の流れで不安になりましたが、トータル満足です。

KAMIJOさんには、音楽的に共通点もある後輩の摩天楼オペラ(先週ライブ行きました)に曲を提供して欲しいですね。

>B!13さん

私がリクエストに応えるのは常に結果論です(笑)。
たしかに本作はトータルでは良作だと思いますが、熱心なハニーたちには納得いかない商品かもしれませんね。

たしかに#4は歌い方からしてGACKTっぽいですね。
元々フォロワーだったわけですし。

メンバーたちが今後どうしていくのか興味深く見守りたいと思います。

初コメント失礼いたします。

正直自分の個人的な好みとしては、NOBLE・JUBILEEのほうが好きなんですけども。

巷で言われてるほど悪いアルバムじゃないな・・・って思いました。
むしろ、凄く良かった気がします・・・。
KAMIJOさん、HIZAKIさんの10分こえの大作とかが入ってなくてちょっとがっかりしたんですけど、あんな凄いの毎回入れられるわけないですよね・・・・(哀)

先行シングル自分全然聴いてない状態でこのアルバム聴いてなかったら感想違ったのかなぁ・・・なんて。


あ、リンク貼るの自由とのことでしたので僕のブログにリンクはらせていただきました。

これからもMETALGATEの更新楽しみにしています!

>ジャスミン茶さん

はじめまして。
いや、客観的にはというか、初めて彼らの音楽を聴く人にとってはフツーにいいアルバムだと思いますよ。

ただまあ、長年のファンにとっては過去のリメイク曲の存在とか、おっしゃる通り大作がないこととか、その辺にやっぱり全力投球で作りました、って感じがなくて、むしろ「店じまい」って感じが伝わってくるのが残念と言えば残念ですかね。

それでもまあ批判されるようなデキではないと思うのですが。

スピッツは私も好きです(好きでした、かな?)。
いいバンドですよね。

おお・・・わざわざコメント返信ありがとうございます。
ですよね。はじめて聴いたのがこのアルバムだったら普通に多分びっくりしますよね。

自分だったら、こんなバンドがいたのか!って・・・・感じに・・・。

時間がなかったのかなぁ・・・なんて、勝手に妄想したりして大作がないことについては無理矢理納得しました。

スピッツはベースの人がアイアンメイデン、ギターの人がレインボー、ドラムの人がラウドネスに影響受けているので実はメタル!ではないんですけど・・・ちょっとHRHMともつながりがあるんですよ・・・。
まあ、音はまんまロキノン系ですが・・・・。

>ジャスミン茶さん

コメ返しは個人ブログではフツーじゃないですか?(笑)

スピッツのリズム隊がメタラーなのは結構有名な事実ですよね。
個人的にはスピッツの音楽はロキノン系だとは思ってません。
ロキノン系というのはもっと下手クソなバンドのことをいうと思っています(笑)。