DREAMSTORIA / DREAMSTORIA

dreamstoria01.jpg

MinstreliXやDRAGON GUARDIANなどでの活動で知られるLeo Figaro(Vo)による新しいプロジェクトのデビュー・アルバム。

本作における音楽的なキーマンはセッション・ギタリストとして知られる綿貫正顕氏で、綿貫氏はZARDや愛内里菜、WANDS、倉木麻衣、FIELD OF VIEWなどの作曲を手掛けたり、稲葉浩志(B’z)や愛内里菜、ZARDのツアー・ギタリストを務めたりなど、所謂「ビーイング系」周りの活動実績が知られているプロフェッショナル。

とあるイベントの打ち上げで綿貫氏と面識を得たLeo Figaroが綿貫氏にデモを送ったことからこのプロジェクトは始まったという。

元々ウリ・ジョン・ロートやマイケル・シェンカー、イングヴェイ・マルムスティーン、橘高文彦といったギタリストに影響を受けたハード・ロック畑の人間である綿貫氏は、本作の音楽を実現するにあたって、自身のメイン・ギターであるフライングVではなく、ウリ・ジョン・ロートのスカイ・ギターに着想を得た完全オーダー・メイドな29フレットのギターを使用している。

(ギターについてあまり詳しくない方のために補足すると、一般的なギターは21~24フレットであり、フレットの数が多いほうが高い音が出る)

本作の基本的な音楽性はいわゆるメロディアス・ハードで、これまでLeo Figaroが関わってきたメロディック・パワー・メタルではないが、私を含め、その二つのジャンルのファン層はかなりクロスオーバーしているはず。

かつてBURRN!編集部で「メロディアス・ハード担当」的な存在だった藤木氏はビーイング系の音楽を高く評価していたが、実際ビーイング系の音楽というのは多分にメロディアス・ハードと近似したAOR/産業ロック的な要素の強い音楽であるだけに、この手のサウンドを実現するにあたって綿貫氏はまさにうってつけといえよう。

高音ギターをフィーチュアしたメロディアス・ハードといえば、日本のHR/HMファンであれば容易にFAIR WARNINGがイメージされ、実際ライナーノーツの中で解説を手掛ける和田誠氏もそれを指摘している。

実際、曲によってはFAIR WARNING的なエッセンスも強く感じられるが、必ずしもあの路線一辺倒というわけではなく、曲によってはROYAL HUNTやPRAYING MANTISなどを思わせる楽曲もあり、個人的には90年代ヨーロピアン・メロディアス・ハードの「良いとこ取り」的なサウンドであると感じた。

日本人が海外のバンドの路線を模倣すると陥りがちな縮小再生産品のような印象もあるのは事実だが、世代的に90年代メロディアス・ハードに胸躍らせてきた私のようなリスナーであれば、この透明感あふれる叙情的なメロディアス・ハードの世界はなかなか魅力的なはず。

デニス・ワード(PINK CREAM69、UNISONIC)によるミックス/マスタリングの効果もあり、サウンド・プロダクションが国産HR/HMとしてはかなり良好という点もポイントが高く、Leo Figaroのシルキー・ヴォイスもパワー・メタル的な音楽性よりもむしろこの手のサウンドの方がマッチしている。

近年メロディアス・ハード的な音楽が欧州を中心に再び盛り返してきている印象だが、このプロジェクトもまた、その世界的なメロディアス・ハードの復興の一翼を担う存在と言えるかもしれません。【82点】

◆本作のサンプル音源[YouTUbe]



スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

>人さん

カバー・アルバムやらベスト・アルバムやら「商品」はちょこちょこ出ていて、来日公演などもあったのでそんな気がしてませんでしたが、オリジナル・アルバムとしては私がまだ学生だった「JUST PUSH PLAY」以来なんですねー。

そろそろラスト・アルバムになってもおかしくないキャリアですし、買ってみようかな、と思っています。

狙い撃ち(^Д^)

ビーイング系や90年代メロディアス・ハードで青春を過ごしたおっさんである私をピンポイント狙い撃ちですか(笑)?。

これはチェックせずにいられない。

とりあえず試聴出来ると良いのだが。

>ゆうていさん

その嗜好であればまさに狙い撃ちですね(笑)。
この記事で紹介しているYouTube映像も含め、視聴ができるとしたらネット上でしょうね。
リアル店舗でこのアルバムを試聴機に入れている店はまずないと思いますので(笑)。

購入しました

アートワークの素晴らしさに惹かれて視聴してみたところ、どストライクなサウンドだったので購入しました。
結果、名盤でした。
Leo氏のこれまで関わってきた音楽とは若干趣が異なり、かなり80sナイズドされてる印象です。
個人的には90sメロハーというよりEUROPEなどの北欧メタルっぽい印象です。
keyのキラキラ感や旋律に品(?)があるからでしょうか。メロディ自体は音程の上下が強いにもかかわらず歌謡曲っぽくないところも◎
ギターも弾きすぎず、ドラムもバタバタしないのでスピードメタルファンにはいまいちかもしれませんが、求めるものが違っていなければ名盤になるでしょう。
90点差し上げたいです(笑)。

adoreさんの紹介がなければ出会うこともなかったアルバムなので感謝も込めてコメントしました。

>Mark.Nさん

アートワークのイメージを裏切らないサウンドですよね。
Leo氏の素養ゆえでしょうが、ビーイング系のギタリストを迎えてなお、確かに歌謡曲っぽさはないですね。

気に入っていただけると、わざわざレビューを書いた甲斐がありますね。