BURRN!13年2月号の感想

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表紙は何やら妙にダークな雰囲気のHELLOWEEN。かなり久しぶりですね。07年11月号でアンディ・デリスがカイ・ハンセン(GAMMA RAY)と一緒に表紙なって以来ですか。

単独だと2000年の11月号以来? それ以前はほぼアルバムを出すごとに表紙になっていたのですが…。

表紙を開くと、「新年特別付録」として恒例のバンドロゴ(と一部アルバムジャケット)ステッカーが。これはリストラされないんですね…。

なんか今回はやたらと古いバンドばかりでまとめてきた感じ。90年代以降に出てきたバンドなんてARCH ENEMYとCATHEDRALとFAIR WARNINGとSLIPKNOTくらい? 21世紀になってから出てきたバンドなんてALDIOUSだけ(笑)。まあこの雑誌のメイン読者層が一番喜ぶのはこの辺のバンドなのかもしれないけど、KEELとか入れるくらいなら他に入れるべきバンドがあるような(笑)。

巻頭のHELLOWEENのメンバー全員インタビューはファンであれば楽しめる、そうでなければ長すぎる代物(笑)。まあ、巻頭インタビューなんて毎回そんなものだけど。個人的にはもちろん楽しめました。

読んでいて気になったのは、アンディの「UNARMED」嫌いとヴァイキーの「THE DARK RIDE」嫌いがあまりにも顕著すぎるということかな。どちらもいい作品なのに。

いずれにせよ今度のツアーでも「Eagle Fly Free」と「I Want Out」と「Dr. Stien」は聴かされることになりそうだ(笑)。

アンディ期HELLOWEENのディスコグラフィーを読むと、「Push」が「HELLOWEEN版” Painkiller”」だ、とか、ローランドの最高傑作は「THE DARK RIDE」のタイトル曲だとか、「GAMBLING WITH THE DEVIL」以前のHELLOWEENはちょっと自家中毒気味だったとか、当サイトで述べてきたこととシンクロする文章が多く、このバンドに関しては、日本人は皆同じように感じているんだなあ…と思いました。

とりあえず新作はなかなか良さそうで、楽しみです。

編集部の各員が2013年のHR/HMシーンの見通しについて語る「WHERE DO WE GO FROM HERE」を読むと、他の多くの編集部員が(「部署が変わってからは新譜を聴く量が激減し、シーンの状況にはかなり疎くなってしまった」という藤木氏でさえ)程度の差はあれ「新しいバンドをプッシュしよう」という姿勢を見せているのに対し、広瀬編集長だけは完全に「自分の好きだったバンド」だけにしか興味がないようで…。

すっかり「特集要員」として定着しつつあるJun Kawai氏による「テクニカル・メタル」特集は、内容はともかくとしてSLAYERやCARCASSが「テクニカル」という文脈で語られる時代が来たか…と妙な感慨を覚えました(笑)。

あと、なぜか毎年レポートされているイギリスのメロハー・フェス「FIREFEST」は今回も豪華ですね。GOTTHARDやROYAL HUNT、TEN、DANGER DANGER、TYKETTOといった比較的日本でも知名度の高い面々から、BRIGHTON ROCKやLILIAN AXE、STAGE DOLLSなんてマニア垂涎のメンツまで一度に(3日間に分かれているが)見られるなんて、この手の音楽のファンにはたまりませんね。

特に気になったのがWORK OF ARTのライヴが素晴らしかったという記述で、正直スタジオ・アルバムの完成度が高すぎるだけにライヴには期待していなかったが、ライヴが素晴らしいとなると俄然興味が湧いてくる。LOUD PARKには軽すぎるし、単独をやれるほどの知名度はないと思うので、せめて往年の大御所産業ロック・バンドの前座とかで来日してくれないかなぁ…。

てか今年のFIREFESTにもWORK OF ARTの出演が決まってるんですね。しかも再結成HAREM SCAREMとか、DAREとかEDEN'S CURSEとかECLIPSEとかメッチャ惹かれる。VON GROOVEなんて懐かしい。まだいたんだ。PROPHETってあの藤木氏イチオシのPROPHET? これもレア。てか、TREATにALIENにNATIONって、北欧メタルファン悶絶のラインナップですなぁ。これ日本でやってくんないかな。

白黒ページのインタビューではJESS AND THE ANCIENT ONESのものがなかなか強烈。GHOSTに通じるものを感じて試聴してみると、GHOSTよりもさらにレトロ感覚に溢れたサウンドで、マニア受けしそう。

THE AGONISTのライヴ・レポを読むと、「流行りの嬢メタル」という括りで安易にALDIOUSをTHE AGONISTの前座にブッキングしてしまった興行主の浅はかさに、場違いな客層の前でライヴをさせられたALDIOUSに対する同情を禁じ得なかった。

ファンはちゃんと音楽を聴いているのだ。こういうマイナー・ジャンルの音楽でビジネスをやっている側がその程度のこともわからずにいいかげんな仕事をされたら困る。どうせ大した金にはならないんだから愛を持ってファンの求めているものを理解しましょうよ。

しかし、THE AGONISTのアリッサ(Vo)のインタビューを読むと、以前このブログでも取り上げた、アネットが体調を崩したときにNIGHTWISHのライヴにゲスト参加したときの話は、恐ろしいほど強引な話だったんだなあ…とあきれました。全然曲を知らない状態から10分後(これは多少誇張があるかもしれないが)にはステージに立たされているって、どんな無茶ぶりだよ(苦笑)。それでもブート映像を観る限りカンペは持っているとはいえなんとか歌えているのが凄いが。

あとは私も足を運んだACCEPTLIV MOONのライヴ・レポートは流し読みで軽くノスタルジー(ほんの1か月ほど前のことですが)に浸る。

NICKELBACKやBULLET FOR MY VALENTINEといった、HR/HMファンの感覚では比較的イマドキでビッグなバンドのインタビューを読むと、今の音楽ビジネスがいかに大変な状況かというのがよくわかる。

平日の武道館をソールド・アウトさせるNICKELBACKが「北米ではギターを弾いてる人間がラジオのエア・プレイに入り込もうというのはもはや厳しい」とのことなのだから、そりゃ他のHR/HM系アーティストはもっと厳しいですよね。

そして現時点での最新作「FEVER」が全米3位、全英5位に輝いたBFMVが「俺達もアルバムの売り上げだけで生計を立てるのは難しい。なぜかというと、はっきり言ってアルバムが売れないからだ」と言っている。じゃあ誰がアルバムのセールスで生計を立てられるんでしょう。

そんな彼らが「今のまま、順調に進められるだけで俺は満足だよ」なんて無欲なことを言ってるのも、いささか問題。諦めちゃってるよね、完全に。ロックスターなんてもっとギラギラした上昇志向を持っててナンボだと思うんだけど。

近年日本では男が草食化しているというけど、それは日本に限らず先進国ではみんなそうなんじゃないかなあ。「成功して世界一の金持ちになって、世界中の美女を独り占めしてやるぜ!」みたいな男ってもう発展途上国にしか存在しないような気がする。それがいいことなのか悪いことなのかはここでは論議しませんが。

HELLOWEENとの「HELLISH ROCK」ツアーを控えたGAMMA RAYのインタビューもファンにはなかなか興味深い内容で、今月号は往年の「ジャーマン・メタル」ファンにとっては充実した号ですね。

レビューに関しては、まあまずHELLOWEENはマスト・バイで。彼らが大きく外すことは恐らくないでしょう。20年近くメタルを聴いてきて、最もソングライティングに安定感を感じるバンドですから。

あとは個人的にデビュー以来注目しているBLACK VEIL BRIDES。インタビューでは「パンク寄りになる」みたいな不吉なことを言っていましたが、リード・トラックのPVを観るにいい感じだったし、レビューの点数も上々(個人的にあまり幅さんの採点は当てにならないのですが/苦笑)。

他に気になったアーティストを試聴してみてブッ飛んだのがLIONVILLE。メチャクチャ良いですね、これ。WORK OF ARTのヴォーカリストが歌っているんですね。このシンガーの声、大好きです。

HOLY GRAILも試聴してみたらなかなか良かった。LOUD PARK 10で遅刻して観られなかったのが惜しまれる。

他にメロスピ系ではVICTORIOUS、メロハー系ではWHEELS OF FIREがちょっと気になるな。どうでもいいけどWHEELS OF FIREのレビュー中にある「フッキーなメロディ」という表現は初めて目にしましたが、一般的に使われているんですかね? 「フックのあるメロディ」のことを意味しているのであろうことは想像がつきますが…。

PINK CREAM 69は今回パスかなー…。ここ数作今一つ刺激に欠けるアルバムばっかりだったし、レビューを読む限り本作もあまりパッとしなそう。でも試聴してみると悪くはないんだよなぁ、やっぱり。

あとはSNAKECHARMER、広瀬編集長による92点という「釣り」に飛びつくべきか。ミッキー・ムーディ(G)、ニール・マーレイ(B)、アダム・ウェイクマン(Key)というメンバーからしてオールド・ブリティッシュ・ハード・ロックのファンにとってはなかなかそそるものがありますが…。

いずれにせよ、個人的にはなかなか気になるタイトルの多い月になりそうです。新年早々幸先がいいですね。

◆HELLOWEENの「Nabataea」のPV [YouTube]
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コメント

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BURRN!

HELLOWEENの記事、面白かったですよね。
でも、個人的にも「UNARMED」はちょっと好きじゃないです(苦笑)。
その場だったら「Are You Metal?」って言ってるかも(笑)。

HELLOWEEN絶対買いますよ!
GAMMA RAYのインタビューも面白かったし、ライブ盤の購入動機にもなりました。
GAMMA RAYのライブ盤、実はまだ買ってなくてこれから買います。

adoreさんも、もちろんHELLOWEEN×GAMMA RAYツアーは行きますよね!

メタリカがサマーソニックに来るみたいですね。BFMVも来るみたいですし。オズフェストといいハロウィン×ガンマ、白蛇といい、今年は来日が多そうです。これでメイデンも来てくれれば言うこと無しですが。

今年は

ハロウィンに始まりストラト、アヴァンタシアとスピードメタルファンには忙しい年明けです!!
ヘリッシュツアーは行けそうにないので、行かれた方のレビューを楽しみにしてます(((^_^;)

それにしてもアヴァンタシアへのエリック・マーティンの参加には驚きました。トビアスの人脈の広さはすごいですね~!

ハロウィンのインタビュー、the time of the oathやbetter than rawのレコーディングについての話がアンディとヴァイカートで言ってることが全然違くて笑いました笑
それにしてもヴァイカートのthe dark ride嫌いは異常ですね
いくら自分の意見が通らなかったとはいえ…
all over the nationもsalvationもすごいいい曲なのになあ、と
あとウリとグラポウだけは未だ、「前のギタリスト、ドラマー」扱いで距離感じました

まとめてお返事

>ストラディキャスターさん
あらら、個人的には「UNARMED」は「7SINNERS」より好きなんですけどね(笑)。
HELLOWEEN&GAMMA RAYのツアーはよほど忙しくなければ行くつもりです。
どの日に行くかは決めてませんが…。


>名も無きメタラーさん
今年は確かに来日公演多そうですね。この上メイデンまで来たらそれこそ全国のメタラーさんの資金繰りが一気に苦しくなりそうですね(笑)。


>TAKAさん
今年は順調にいけばメロディック・メタル・ファンの当たり年になりそうですね。

AVANTASIAへのエリック・マーティンの参加は意外な線でしたね。
人脈というよりは「お願い力」なのかもしれませんが、どんな作品に仕上がるか楽しみです。


>名もなきメタラーさん
同じ作業でも人によってとらえ方が違う、ということがよくわかるインタビューでしたね。
「THE DARK RIDE」の制作過程はヴァイキーにとってはよっぽど嫌な思い出になっているみたいですね。

だからこそ「前のギタリスト、ドラマー」なのでしょうけど…。

BFMVのインタビューは僕もびっくりしました。一種のジョークなんでしょうけど、事実だとすればほとんどのバンドが無理ですよね(苦笑)

マストバイはやっぱりBlack Veil Bridesですね。Amazonからまだ届きませんが、ワクワクしながら待ってます。後はHelloweenも多分買うでしょう。Ark Stormの新曲入りのベスト盤も気になりますね。

ブラックヴェールブライズのような今時のイケメンバンドの担当と言えば大野記者の印象が僕は強いです。笑

セトリが好みドンピシャなのでメイデンの来日公演が実現しなければ、僕も奥野記者と同じく全てを諦めて自害しようと思います。笑

>B!13さん

すみません、このコメントを見落としてました。

BLACK VEIL BRIDES、届きましたか? 前作とはちょっと違った、凝った作風ですが、なかなか聴きごたえのある作品だと思います。

HELLOWEENの新譜も最高なので、オススメです。

>NOV-LYNNさん

そうですね、僕もこういうバンドに興味を示すのはミーハーな大野さんだと思いますが、レビューは幅さんでしたね。
インタビュー担当が大野さんなのかもしれません(笑)。

IRON MAIDENの今回のツアーは本当に選曲が魅力的ですよね。
これで来なかったら日本中のメタラーが次々と自害してしまうのではないかと心配です(笑)。

南瓜祭開催中(笑)。

BURRN!!2月号巻頭のHELLOWEEN特集に当てられたのか、ひたすらHELLOWEENのアルバムを聴き続けています。
自分の青春時代に活躍していたバンドが現在もなお健在なのが嬉しくて仕方ないですね。
現在の処、上から順に

「Master of the Rings」、
「Keeper Of The Seven Keys Part2」、
「pink bubbles go ape」

がBEST 3ですが、今月いっぱい聴き込む予定で有りマス(^o^ゞ。

大好きなハロウィン、ガンマレイの記事入ってたので久々に買いました。ハロウィンの記事はファンからしてもちょっと長かった(笑)
今年はオズフェストとヘリッシュのツアーもあるので楽しみだ!

>ゆうていさん

イングヴェイに続いて今度はHELLOWEENですか。
「PINK BUBBLES GO APE」をチョイスする人は結構珍しいような気がしますね。
新作もBEST3に入れてもいいくらいの出来なのでは?

>ヨルン大好きさん

真面目に読んだら結構な時間がかかりますよね(笑)。
今年は楽しめるライヴが多そうで、メタル・ファン的には時間とお金のやりくりが大変そうですね。

FIREFESTはスゴイ顔触れだったんですね。
日本だったら2000人クラスのホールでやれるんじゃ?
でもチケット代を2万円にしてもバンドの渡航費・宿泊費さえも
賄えないかもw

アゴニストとアルディアスはプロモーターが流行りの嬢メタルだからって安易に組ませたんじゃなくて、スピニングが組ませたんじゃないすか?洋楽メタル・ファンにもアルディアスを宣伝しようと思って。たしかに正統派とかパワーメタル系の前座のほうがハマったでしょうが、アゴニストのファンが激しいのしか興味がないわけじゃないでしょうから、気の毒なほど場違いでもなかったと思います。

フッキーなメロディってのは笑えますね。
ライト・ブリンガーみたいなメロディかと思った。
スラッシーとかも和製英語なんですよね?

>ぶーさん

FIREFESTは毎年結構豪華なんですよねー。
たしかに2000人は呼べるかもしれませんが、おっしゃる通りバンドの数を考えると全くペイしないでしょうね…(苦笑)。

ALDIOUSとTHE AGONISTをカップリングしたのが誰かはわかりませんが、海外のバンドのファンは日本のバンドを軽視する傾向があるし、ましてやコアなエクストリーム系のバンドのファンはメロディック系のバンドをバカにする傾向があるので、ALDIOUSが二重苦になることは容易に想像がつくだろうに…と思いました。

「フッキーなメロディ」は私も同じことを一瞬考えました(笑)。
スラッシュ自体が形容詞ですから、スラッシーという表現は和製英語でしょうね。

HELLOWEENのインタビュー

長すぎてとても立ち読みできないんで、リニューアル(リストラ?)後のB誌を初めて買いました(笑)。

アンディの「UNARMED」批判を読んで、買った当時凄い気に入って毎日聴いてた自分の心は大変傷つきました(笑)。

あと、キスク時代のHELLOWEENに思い入れのない自分としては、「THE DARK RIDE」はHELLOWEENのベスト5ないしベスト3に入る傑作だと思ってるんで、ヴァイキーの発言にもちょいガッカリしました(笑)。

>アドル・クリスティンさん

あのインタビューを立ち読みで済まそうとしたら足が棒になってしまいますね(笑)。

あのインタビューを読むと、作り手の感覚と聴き手の感覚はだいぶ異なることを感じさせられますね(笑)。
誰が何と言おうと、「THE DARK RIDE」も「UNARMED」も良い作品だと思います。