BLACK VEIL BRIDES / WRETCHED AND DIVINE : THE STORY OF THE WILD ONE

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前作発表後、iTunesでの配信オンリーのEP「REBELS」(BILLY IDOLの「Rebel Yell」やKISSの「Unholy」のカヴァーを収録)を発表、さらに大ヒット映画『アベンジャーズ』のサントラに新曲「Unbroken」を提供した。

そしてアメリカのメタル雑誌『REVOLVER』主宰のGolden Gods Awardで最優秀新人賞、イギリスの『KERRANG!』誌でもベスト・ニュー・カマー賞を受賞するなど、着実に頭角を現しつつあるBVBのサード・アルバム。

本作はコンセプト・アルバムで、ライナーノーツによると「統一化された教会政府が科学と創造力を取り上げることで社会を滅ぼしつつあり、この独裁的な政権が若者たちを薬づけにし無気力にしている――。そこで“暴れ者たち(The Wild Ones)という名の難民たちが、子供たちにありのままの自分たちになり、反乱を起こすよう煽動する、というストーリー」だという。

もちろん単に歌詞にテーマがあるというだけではない。デビュー・アルバムではエモやメタルコアなどモダンなロックの要素が強く、前作ではよりストレートなハード・ロックにスタイルを変えていたが、本作ではストリングスやクワイアをふんだんに取り入れ、よりドラマティックな音楽世界を築き上げている。

もともとバンド自体の世界観にシアトリカルな要素があるだけに、こういうサウンドもなかなかハマっている。

個人的にはコンセプト・アルバムなんて30過ぎて充分な人生経験とキャリアを積んでから作っても遅くないと思うし、前作のようなイキのいいロック・アルバムをガツンと叩きつけてほしかったという思いもある。

しかし、現在の彼らを支えていると思われる若いファンにとっては普通のロック・アルバムを出されるよりも、このような特別感のある作品によってバンドのアーティスティックなポテンシャルを示してくれる方が嬉しいことなのなのかもしれない。

そして実際の仕上がりはファンの期待に充分応えるもので、歌メロのフックも充分だし、リード・ギターのフレーズがなかなかよく練られていて、コンセプト・アルバムにありがちなまだるっこしいパートがほとんどない。

二部構成19曲に及ぶ大作ではあるが、それはインタールードやSE的な小曲が曲数にカウントされているためで、通常のヴォーカル・ナンバーは12曲。個々の楽曲は4分以下のコンパクトなもの多いため、ダレることもなく聴きとおせる。

個人的にはリーダー・トラックである#18「In The End」と#13「Days Are Numbered」が特にお気に入りだが、楽曲のクオリティは総じて高く、若さに似合わない安定感に思わず外部ソングライターの存在を疑うほど(笑)。

こういう作り込まれた作品によってバンドの新たな可能性を提示した彼らが、今後どのような飛躍を遂げるのか、興味深く注目していきたいと思っています。

◆本作のリーダー・トラック「In The End」のPV [YouTube]


◆EP「REBEL」収録「Rebel Yell」のMV [YouTube]


スティーヴ・スティーヴンス(G)の出世作でもあるオリジナルが好きだったのでつい貼ってしまいました。この映像を貼ったことに深い意味はありませんが、ライヴもカッコよさそうですね。祈・来日! 単独だと私のような三十代は浮いてしまいそうなのでむしろフェス希望で(笑)。

なお、CDにはDVD付のデラックス・エディションと通常盤があります。




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コメント

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大好きなバンドですけどコンセプトアルバム、パンク路線という前評判に不安がいっぱいでしたが、期待を軽ーく上回ってくれました。
コンセプトアルバムといえば歌メロが取っつきづらい、10分以上の無駄に長い大作など、いいイメージがありませんでしたが、このアルバムはサイコーです!!!
パンク路線と言う表現は、#6#18のようなノリノリ(死語)でアゲアゲ(死語)な曲のことを言ってたんでしょうね。プロデューサーもその筋の人ですし。
外部ソングライターは恐らくいるでしょうね(笑)3枚とも路線が違うのにいい曲ばっかりですもん(笑)DVDでは「今回の曲はプロデューサーと一緒に創った」とは言ってました。
ビリーアイドルの「Rebel Yell」ってチルボドがカバーしてて知りましたが、めちゃくちゃカッコいい曲ですよね。

>B!13さん

まあ、やけにストリングスやコーラスのアレンジがこなれているので、それなりのプロが手助けしているのだろうという感じはしますね。
いずれにせよアウトプットとしての音楽がカッコ良ければ文句はないのですが。

ビリー・アイドルの「Rebel Yell」は私もB!13さんくらいの年齢(たぶん)の頃に80年代ヒット曲のオムニバスで聴いて「カッコいい!」と思いました。
COBのカバーはやや微妙でしたが…(苦笑)。

最近になってAmazonで今作のアルティメットエディションが売られてるのに気が付き購入しました。CD本編に3曲のボートラと40分程の短編映画「Legion Of The Black」が付属した仕様です。

ボートラ3曲は歌詞を何となく読む限り本編から外された未発表曲だと思います。YouTubeを見るとこの3曲の他にも日本盤で出たオリジナルアルバムを買っただけでは手に入らない曲がけっこうあるのでまとめてレアトラック集を作って欲しいなと。

「Legion Of The Black」は役者が出演して演技はしますがセリフは一切無いですしストーリーがシンプルなので見る前の日本語字幕がないという不安は消えました。ただ、「I Am Bulletproof」の次にいきなりCDではクライマックスの「Lost It All」が来たりとCDとは曲が流れる順序が異なってます。今作から公開されてるPVはこの映画の場面を切り取った感じですね。

ブックレットには最新のライブ写真が載っててとてもカッコイイので絶対に来日して欲しいです!!adoreさんは浮くかもしれませんが(笑)単独でたっぷり観たいです。

>B!13さん

アルティメット・エディションが発売されているのは知っていましたが、購入はしていませんでした。
映画も日本人が理解できるものということであれば、ファンにとってはたまらないアイテムですね。

アメリカでの人気が上がっているだけに、日本との温度差が大きくなると、来日させにくいバンドになってしまいそうなのが気がかりな所ですね。