GAMMA RAY / MASTER OF CONFUSION

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GAMMA RAYの「シングル」が日本でリリースされるのは久しぶりだ。2001年の「Heaven Or Hell」以来だろうか。

今回このシングルがリリースされたのはGAMMA RAYの人気が再び上向いてきたから、というわけではなく、既にブッキングされているHELLOWEENとの「HELLISH ROCK Part II」ツアーにニュー・アルバムの完成が間に合わず、とりあえずツアーに期待を持たせるための「つなぎ」のアイテムとして発表されたのだろう。

かつてであれば新曲2曲に、カヴァー曲2曲で充分「商品」として成立したことだろうが、この音楽不況のご時世だけにライヴ音源を6曲プラスしてボリューム感を出している。

とはいえこのライヴ音源は、昨年リリースされたライヴ作品「SKELETONS & MAJESTIES LIVE」の、「映像には入ってたもののCDには収められていなかった曲」でしかなく、このEPのために用意された音源ではないので、やはり「オマケ」感は否めない。

本人たちは「世界最長のシングル」などと言っているが、少なくとも日本盤は「シングル」とは呼び難い価格設定がされているので、そういう意味でも本人たちが狙ったほどの「お得感」はあまりないかも。

肝心の音楽についてだが、来年発売されるニュー・アルバムのタイトル曲となる予定の#1「Empire Of The Undead」はJUDAS PRIESTのエッセンスを感じさせつつ、アグレッシヴなパワー・メタルに仕上がっており、メタル・ヘッズであればイントロ・リフの時点で興奮を誘われることだろう。

続く本シングルのタイトル・トラック「Master Of Confusion」はGARY MOOREの「Out In The Fields」を思わせる(つまりHELLOWEENの「I Want Out」と同系統の)、「カイ・ハンセン流のシングル・タイプの曲」。

個人的にはここ数作同様、カイ・ハンセンのヴォーカルが90年代よりもラフなことが気になるが、楽曲自体のクオリティはさすがの安定感で、ファンであれば安心して楽しめるだろうし、ライヴで盛り上がることは確実。

カヴァー曲のうち1曲は、NWOBHMのムーヴメントの一翼を担ったバンドとしてマニアの間では知られるHOLOCAUSTが81年に発表したデビュー・アルバム「THE NIGHTCOMER」からの「Death Or Glory」のカヴァーで、かつてこのバンドの「Heavy Metal Mania」をカヴァーしたことからも、カイ・ハンセンはよほどこのバンドが好きなのだろう。

もう1曲のカヴァーは、70年代英国で人気のあったグラム・ロック・バンド、SWEETが77年にリリースした「OFF THE RECORD(邦題:明日なき青春)」に収録の「Lost Angels」のカヴァーで、70年代のブリティッシュ・ロックにもかなり影響を受けていると思われるカイ・ハンセンらしい選曲。

ただ、現在の彼らのファンってこういうのを聴いて「オリジナルを聴いてみよう」と思うのかどうかについては個人的にはやや懐疑的で、なんとなくアーティスト側の自己満足になってしまっているような観も。

日本盤ボーナスは彼らの人気曲「SEND ME A SIGN」のドイツ語バージョン「Sag Mir Bescheid」。まあ、一般的な日本人にとっては英語もドイツ語もパッと聞きでは意味がわからないことに変わりはないと思うので、ドイツ人にとってはともかく、日本盤向けのボーナスとしての価値は「?」ですが、ライヴ風のアレンジを面白いと感じる人はいる…かも。

まあ、ぶっちゃけ「HELLISH ROCK PART II」ツアーに行く予定の人向けの「予習用」アイテムですね。特にツアーに行く予定がなく、上記の「本作のみに収められた音源」に興味のない、温度低めなファンの方は来年発売されるアルバム待ちでもいいんじゃないでしょうか。

◆「Master Of Confusion」のリハーサル風景を使用したリリック・ビデオ [YouTube]



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コメント

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アルバムって来年発売だったんですね・・・。

アルバムの発売は夏くらいなのかと思ってたんですが、そうなると約四年ぶりの新作ってことに・・・。

あ、そういえばLast Tribeの三部作がユニオンで安く売ってたのでまとめて買いました。

まだ聴いてはいないのですが、仕事から帰ったら早速聴いてみようかと思います。

GAMMA RAY

このバンドに対しては最近冷めてきてますね。
HELLOWEENの最新作が良かっただけに、よけいに満足感があります。
なのでアルバムを待つとします(笑)。
音源は聴いたけど、今回はかなり良さそうですね。

>Shuさん

ツアーが結構長いのでアルバム制作の時間がとれないのでしょうね。

LAST TRIBE、Shuさんの嗜好だと最初はやや地味に聴こえるかもしれませんが、じわじわ来ますよ。
とりあえず1st収録「Black Widow」のサビで悶絶してください(笑)。

>ストラディキャスターさん

私も90年代に比べるとだいぶ冷めてきてますね、正直。
カイ信者なので買い続けますが(ダジャレではありません)、ちょっと最近ラフ過ぎるかなーという感じです。
本人はそのラフさがメタルっぽいと考えている節もありますが、個人的にはもうちょっと練り込んでもらいたいですね。

カイちゃん…ちょっと太りました?(^_^;)

曲は良いですねぇ!やはりライブが楽しみになってきました!
でもこの曲演奏して「I WANT OUT」演奏したら、似た曲ばかりになっちゃいそう。
盛り上がるから良いですかね(笑)

輸入盤z

日本盤たかっ!!
ということで、輸入盤買いました。
もう、新曲やカバーがメインというより、ライブ盤EPに新曲おまけ的な色合い。

しかし、ジャーマンメタルは相変わらずHelloweenを中心に動いているんだなぁ。と実感。

元Helloween…とも言い替えられるかな。
まぁ、ある意味伝説ですからね、仕方ないけど、そろそろ彼等を越えるバンドをみてみたい気もしますね。

Holocaustのカバーしてたんですか、すばらしいです

>へたれ学生さん

愛を感じるカヴァーです。
GAMMA RAYから抜けないB級感のルーツでしょうね(笑)。

あぁ、ツアーですか・・・。

あ、そういえば来日するんでしたね!

ライブ、行けるかなぁ・・・。

Last Tribe、地味というよりも兎に角「現代的だなぁ」という印象がありましたね。

あと、めちゃくちゃメロディック!Black Widow良いですねぇ。

でも個人的にマグナス・カールソンが歌っている「Blessed By The Dark」が一番のキラーチューンだったり(笑)

単純にリカルド・ベンソンよりも声質が好きなだけなんですけどね(笑)

>Shuさん

ぶっちゃけHELLOWEENとGAMMA RAYはライヴが凄くいい、というタイプのバンドではないと思ってますが、一度に来るとなればやはり観ておきたいですね。

LAST TRIBEはおっしゃる通り北欧のバンドとしては珍しいほどモダンなフィーリングがありますね。
マグナス・カールソンはたしかにいい声持ってると思います。ソロは全曲マグナスのVoでもいいとひそかに思ってました。
まあゲスト呼んだ方が売りやすいんでしょうけど。

全盛期程ではないが、LORDIの新譜はかなりいいけどね!!

私も1曲目のスピードチューンを視聴して、アルバム待ちとなりました。キャッチーな2曲目も悪くはないですけどね。
最近は忙しく(オンラインゲーム、仕事もね)、管理人さん曰く、コメントとは言えない書き込みが出来なかったけどw、メタルは適当に聴いています!
今年前半では、ソイルワークがかなり良かったな~。2枚組みで細部まで聴きこむにはかなり体力使うけど、完成度は高い。
最近ではプリティ・メイズ、キルスウィッチ・エンゲイジ、アヴァンタジアと聴きましたが、プリティ・メイズが圧倒的に素晴らしい、傑作である。
最初からミドルテンポの曲調が続くが、keyがかなりメロのアクセントとなっており、飽きない、そして9曲目のマザーランドの疾走でお手上げ、なんたるドラマチックな展開、必聴ですぞ。
MVPはDGM、この作品に余計な言葉はいらないだろう、とにかくカッコ良すぎ(ジャケがダサくてスルーした人、損してるよ)
我々が期待して止まない、サイト一押しのDREAMTALE(違うかw)!!
正直最初は?でしたが、なんとコンセプト作品とは、、、
疾走感こそ少ないものの、初期のチープさはどこへやら。
今作は何度も聴きたくなる作風で、これが思いのほか良い。これまでの作品の中では、インパクトは少ないものの作品として考えると、一番の出来ではないだろうか。ミックスはあのティモ・トルキ。ボートラはいつも通り疾走曲なのも良。とにかく何度も聴きたくなる作品。
GWはカテドラルとセレニティの新譜、サフォケーションを聴きます。

>フィンさん

お久しぶりですね。
PRETTY MAIDS、そんなに良いんですか。優先順位的にスルーしちゃってたけど、いずれ聴いてみます。

DGMのあのジャケットはメタルにしては珍しくクールでカッコいいと思うのですが。

DREAMTALEは…チープながら嫌いになれない音ですが、推す気にはなれませんね(笑)。SERENITYの方がはるかにオススメです。