ALIEN / ALIEN (1988)

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毎日暑いですね。

こう暑いと暑苦しいコテコテ/ゴリゴリのメタルより、涼しげな音楽を聴きたくなるのが人情というもの。

そしてそんな寝苦しい夜にオススメなのが北欧メロディアス・ハード。

今回は、数ある北欧メロディアス・ハードの中でも最高傑作のひとつと疑わない、ALIENのファーストを取り上げたいと思います。

いつかはこの作品について書きたい…と思っていつつ、これまで何となくその機会を逸していましたが、今年25周年記念リマスター盤がリリースされたので、この機会に書いてみたいと思います。

ぶっちゃけ、ちょっともったいぶる気持ちもあったんですよね。だってこれが最高峰だから、これ取り上げちゃったらもう後がない、みたいな(笑)。

というわけで本題ですが、88年にリリースされたスウェーデンのメロディアス・ハード・ロック・バンド、ALIENのファースト・アルバム。

バンド名もジャケットもセンス皆無ながら、リリース当時、本作収録の「Only One Woman」が本国スウェーデンのチャートで6週連続No.1に輝く大ヒットを記録、本アルバムも現地ではかなりの成功を収めたらしい。

ちなみにその「Only One Woman」はカヴァー曲で、オリジナルはグラハム・ボネット(元RAINBOW, M.S.G., ALCATRAZZ, IMPELITERRI他)が、母国オーストラリアで活動していた頃にやっていたポップ・グループTHE MARBLESのヒット曲のカヴァー。ギタリストであり、リーダーでもあるトニー・ボルグが大のRAINBOWファンということで、きっとグラハムのルーツを辿って「発見」したのではないかと思っています。

本作が成功したことで、EUROPEの成功以後「第二のEUROPE」を探していたレコード会社はこのバンドをアメリカ進出させることを目論む。

その結果、本作は「U.S.A.バージョン」として、ジャケットのアートワークを変更、収録曲を一部差し替え、リミックスを施し、さらにVoをオリジナルのジム・ジッドヘッドから、後年北欧の渡り鳥シンガーとして名を馳せる、当時まだ駆け出しのピート・サンドベリに歌い直させたアルバムを「Virgin」からリリースさせた。

こちら↓がU.S.A.バージョンのジャケット。
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(なぜピート・サンドベリが歌い直すことになったのか、その辺の経緯をご存じの方がいたらぜひ教えてください。前任のジム・ジッドヘッドがその後ソロ・デビューしているので、ジムが本作の成功を背景にソロ活動のためにバンドを離れたため、その後の活動を見据えて、あらかじめ新しい顔を迎えてアメリカ・デビューしようとピートを獲得し、歌い直させたのではないか、と推察しているのですが…)

個人的にはその「U.S.A.バージョン」は、音質こそ向上しているものの、オリジナルに収録されていた名曲がカットされているために受け入れ難かったのだが、今回リリースされた25周年記念盤は2枚組仕様でオリジナルとセットになっているので、「オマケ」と考えれば文句はない。

まあそんな前書きはさておき、とにかく本作の楽曲は素晴らしい。哀愁の北欧メロディアス・ハードの理想型が体現された作品で、捨て曲は一切ない。

それどころか、オリジナル版の前半(アナログ盤におけるA面)に収められた曲は全てが名曲クラスと言っても過言ではない(B面がつまらないというわけではない)。

ハッキリ言って、先述のヒット曲、「Only One Woman」が(哀愁が薄いという意味で)一番つまらない曲だと言いたくなるほど。

本作を初めて聴いたのは大学1年生のとき、同じ語学のクラスにいたデス・メタル・バンドをやっていた友人に借りて聴きました。

そして本作は、私が「自分は哀愁のメロディがツボなのだ」という自覚を持つきっかけになる重要な作品となったのです(それまでは単にメロディアスな音楽が好き、くらいの認識で、特に哀愁にこだわってはいなかった)。

BURRN!誌の広瀬編集長も本作収録の「Go Easy」を絶賛していましたが、まさにこの曲は「北欧メロディアス・ハード」の理想型じゃないですかね。ギター・ソロ前の「Remenber!」というシャウトを聴くたびに鳥肌が立ちます。

あえてもう1曲キラー・チューンを挙げるなら、個人的には「I’ve Been Waiting」におけるむせかえるほどの狂おしい哀愁がたまりません。

陳腐な表現ですが、珠玉の哀愁メロディが満載された極上の北欧メロディアス・ハード作。北欧メタルが好きだという自覚がある人は、本作を聴かずに生きていてはいけません。【91点】

◆本作収録「Go Easy」のPV

まったく曲にマッチしていない80年代ならではのダメクリップだが、曲は最高。


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コメント

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Go Easy、凄く良い曲です。

メロディアスハード自体Fair WarningやJourney位しか耳にしていないのですが、自分の知らなかったバンドの良い曲を聴くと、メロハーってやっぱり良いジャンルなんだなぁと感じますね。

このアルバムの曲もっと試聴してみます。

私も氷山ジャケのリマスター盤ゲットしましたよ^^25周年記念じゃないやつですけど(^^ゞやっぱり北欧メロハーファンには必須アイテムですよね~♪「I’ve Been Waiting」や「Go Easy」もイイ曲で好きですけど「Only One Woman」も私的には大好きなバラードです☆本家の「Only One Woman」よりも、こちらのVerの方が好きです♪一部、笑っちゃうような歌詞がありますけど。。。(笑)ホント素晴らしいアルバムです!

いや~これほんと素晴らしいですよね。初めて聞いたメロディアスハードがこれだったので中々他の作品に手を出せないくらいですw
僕的にはFeel My Loveも超絶名曲です!

Brave New Loveがテーマ曲に使われたホラー映画が結構面白かったことを記憶しています。

この時代の音楽って独特ですよね。うまく説明できないのですが、80年前半のように浮かれているような音楽じゃないし、90年代の音楽のように塞ぎ込んだ感じじゃない切なさというか哀愁があるというか・・・。

何これ凄い!欲しい!

いやぁ~Go Easyにやられました。
名前しか知らないバンドでしたが、こんなに良い音楽やってたんですね。
ジャケもこの音楽には合ってると思います(米盤のジャケは最悪です、なんだよこれ)。

しかし売り切れでプレミア価格になってますね。
ShyのExcess All Areasと共に早急に再発してほしいです。

大関敬助です。

大関敬助です。
今回、コメントさせていただきます。
また見せていただきます。
大関敬助でした。

あら懐かしい

まさかこんな北欧メタルマニア愛聴のマイナーなアルバムを取り上げて下さるとは∑(°∀°)。

もちろん「Go easy」は私も大好きな曲ですが、この一曲しかピンとこなかったので、私の中ではイーグルスやSTEELHEART、レイブンと同じ一曲だけは素晴らしいミュージシャン扱いですね(^^;。

ALIENの1st大好きです。
私も北欧メタル(メロスピ等ではない)に傾倒していた時期があり、かなりアルバムを集めました。
BISCAYA、CLOCKWISE、FORTUNE、GLORY、MADISON、PROUD、SILVER MOUNTAIN、220VOLTなんかは特に好きです。

最近出たアルバムではSTRATOSPHERE「Fire Flight」が良いですよ。
SILVER MOUNTAINっぽい、いかにも北欧メタルな楽曲をヨラン・エドマンが歌っています。
adoreさんのサイトでも是非取り上げてほしいアルバムです。
http://www.youtube.com/watch?v=f8cE5fTdjys

まとめてお返事

こんな古い作品のレビューに意外な反響が。

>Shuさん
「Go Easy」はかなりわかりやすい名曲ですね。
他の曲もなかなかの秀曲が揃っているのでぜひ。


>Emilyさん
「Only One Woman」の元曲はただのポップスですから、HR/HMファンにとってはこちらのバージョンの方が親しみやすいですね。


>へたれ学生さん
北欧メロハーの名盤ですね。
「Feel My Love」もイントロからサビまで印象的なフック満載の名曲だと思います。


>名も無きメタラーさん
80年代後半はHR/HMに限らず、ポップ・ミュージック全般にマジックがあったと思います(産業的すぎると批判する人も多いですが)。
「Brave New Love」が映画に使われていたという話は聞いたことがありますが、ホラーだったんですか。


>Mark.Nさん
このアルバム、内容の良さに対して昔から入手困難だったんですよね…。
どこか日本盤出してほしいと思いつつ、何気に「EMI」からのメジャー・プロダクトだけに日本のEMI(現在はユニバーサルに合併)が出す気にならないと無理なんですよねえ…。


>ゆうていさん
「Go Easy」はたしかに一番わかりやすい曲ですが、その他の曲も名曲ばかりだと思うんですけどねえ…。
STEELHEARTは私も「She's Gone」1曲だけだと思ってますが…(笑)。


>学生メタラーさん
私もBURRN!の特集記事などを参考にその辺は聴きましたね(FORTUNEとCLOCKWISEはリアルタイムですが)。

STRATOSPHERE、リリース当時から気になってはいました。
様式メタル寄りでなかなか良さげなのですが、サンプルを聴く限り、ちょっとメロディが弱いかな…という印象が。
機会があったら聴いてみます。

サ高住ケアあおぞら と申します。

初めまして。サ高住ケアあおぞら と申します。
とてもいいブログですね。また閲覧しに来ますので、これからも更新頑張ってください!

by サ高住ケアあおぞら

このアルバム日本盤出てないってマジですか・・・?

>Shuさん

本文中で触れたU.S.Aバージョンは当時日本盤が出ていたはずです。
オリジナル盤は多分国内盤は出ていないのではないかと…。
何せ私が小学生の頃にリリースされたものなので定かではありませんが。

とりあえず今回の25周年記念盤は国内盤は出ていません。

いい音楽だと思いますが、まあ、たしかに売れるかどうかは微妙な所なのでやむを得ないかもしれませんね。

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>中山洋さん

たしかに本作にはかなりの思い入れがありますね。
北欧メロハーを語る上で避けて通れないアルバムだと思います。

しかし86年うまれで本作やSTORMを聴いているというのはなかなかのマニアですね(笑)。