QUEENSRYCHE / QUEENSRYCHE

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看板シンガーであるジェフ・テイトおよび彼の妻によるマネージメントとの関係の悪化が限界に達した残りのメンバーが、CRIMSON GLORYのVoだったトッド・ラ・トゥーレを迎えてRISING WESTというバンドを結成。

しかし、紆余曲折の末、ジェフ・テイトを「追放」し、そのRISING WESTが「QUEENSRYCHE」というバンド名を使用して活動する形になった。

本作は、そのジェフ・テイトを除くメンバーたちによる「新生」QUEENSRYCHEによる初のアルバム。

元々ファンの望む「EMPIRE」以前の路線に回帰するとアナウンスされており、実際その通りの、「THE WARNING」から「EMPIRE」にかけてのプログレッシヴなムードを感じさせるメタル・サウンドが展開されている。

ただ、プログレッシヴとは言っても、多くの楽曲は3分台~4分台のコンパクトなものであり、演奏技術を誇示するような場面などもなく(もともとそういうバンドではなかったが)、あくまで雰囲気レベルの話である。

個人的には、ジェフ・テイト加入以前にはJUDAS PRIESTフォロワー的なピュアな正統派メタル・バンドとしてスタートした彼らだけに、そういうもっとストレートなメタル・サウンドを期待していたりもしたのだが、まあ、往年のファンがQUEENSRYCHEと聞いてイメージするのはこんな感じ音のだろう。

プロデューサーに往年の名作を手掛けたジェイムズ“ジンボ”バートンを迎えていることも功を奏したのか、長いことこの路線から離れていたにもかかわらず、過去のムードを上手く再現した作風ではある。

しかし、だからと言って「満足!」とまでは言えないのは、単純に楽曲のクオリティが全盛期に及んでいないからなのだろうなあ。

これが当時のメイン・ソングライターだったクリス・デ・ガーモ(G)の不在によるものと断ずるのは簡単だが、仮にクリスがいたとしても恐らく全盛期ほどの輝きは取り戻せなかったに違いない。あれは、あの時代、あの年齢だからこそ生み出すことができた奇跡なのだろうと思う。

本作のサウンドはイマドキの日本のメタル・ファンにとってはいささか地味なのではないかという気がするが、サビが印象的な#6、ムーディなバラード調の#8、共に印象的なイントロで始まるメタル・チューンの#9、#10など、中盤から後半への流れはなかなか良い。

ジェフ・テイトの後任という大役を務めることになったトッド・ラ・トゥーレは、ライヴ映像などを見るとむしろブルース・ディッキンソン(IRON MAIDEN)に近いフィーリングを感じるが、本作ではなかなか巧妙にジェフ・テイトに似せた歌唱を披露しており、器用なシンガーであることを示している。【80点】

◆本作収録「Fallout」のPV [YouTube]




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コメント

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QUEENSRYCHE

サウンドを全盛期に揺り戻したのが良かったですね。
まさにこんな感じの音を期待してましたよ。
できれば、リリースごとにこのぐらいの完成度であってほしい。

ん~、肝心の曲がイマイチな感じがします。プリーストの「Angel of Retribution」を聴いた時のような感じを持ちました。でも、これから傑作を作ってくれそうな予感もしますね。

オープニングで「おお!全盛期のQUEENSRYCHEっぽい!」と凄いテンション上がったんですが、2曲目が地味で盛り下がってしまったので、ここで強烈な一発をかましてほしかったです(笑)。
個人的には4曲目がクールでいいかなと。これはいかにもQUEENSRYCHEぽい。

自分は今まで聴いたメタルアルバムでオペレーションマインドクライムが一番いい作品だと思っているので、今作を「全盛期並のアルバムだ!」とまで言う気はありませんが、少なくとも「QUEENSRYCHEの新作」として納得できる作品にはなっているとは思います(前作は正直「これQUEENSRYCHEの名前で出す意味あるの?」と疑問を抱きました)。

まとめてお返事

>ストラディキャスターさん
QUEENSRYCHEファンが望むのはこういうサウンドですよね。
私は欲張りなのでさらなるレベルを期待してしまいますが(笑)。


>名も無きメタラーさん
全体的にちょっとインパクトが弱いような気はしますね。
でもまあ、ここ20年の間に作ってきたアルバムの仕上がりを考えると上出来なのかもしれません。


>アドル・クリスティンさん
たしかにしょっぱなにガツンと来るメタル・チューンが1曲あるとだいぶ印象が変わったのではないかという気がします。
#4はたしかにオペマイっぽいですね。