QUEENSRYCHE / FREQUENCY UNKNOWN

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QUEENSRYCHEを実質「追放」されたジェフ・テイトだが、QUEENSRYCHEというバンド名は自分一人のものである、と主張して裁判を起こし、その判決が出ていないグレーな時期であることをいいことにQUEENSRYCHE名義でリリースしたアルバム。

ジャケットのアートワークを見ると、「FQU(ファック・ユー)」と読めるワードによるパンチが描かれており、ジェフが自分を追放したメンバーに対する気持ちがストレートに伝わってくる。アルバム・タイトルはこのデザインありきで付けられたのだろう。

QUEENSRYCHE名義を名乗っているものの、メンバーは楽曲ごとに流動的で、ジェフ以外でレギュラー的に参加しているのはQUEENSRYCHEのツアー・キーボディストだったランディ・ジーン(Keyが使用されていない半数の曲には不参加だが)、「リズム・ギター」としてクレジットされているクレイグ・ロシセーロ(元FORBIDDEN)くらいのもの。

ベースは本作を含め近年のQUEENSRYCHEのアルバムのプロデュースに関わってきたジェイソン・スレイターが半数以上の曲でプレイし、ルディ・サーゾ(元QUIET RIOT, WHITESNAKE他)や、Keyでもあるランディ・ジーンが残りの曲をプレイしている。

ドラムはサイモン・ライト(元AC/DC, DIO他)とポール・ボスタフ(元FORBIDDEN, SLAYER)、そしてセッション・ドラマーであるエヴァン・ボーティスタが分け合ってプレイしている。

当初は固定メンバーによるレコーディングを目指していたようだが、結果的にはうまくいかなかったようで、このようなソロ・プロジェクト的な形での制作になってしまったようだ。

ソロ・プロジェクトらしく(?)ゲストはそれなりに豪華で、元JUDAS PRIESTのK.K.ダウニング(G)、NIGHT RANGERのブラッド・ギルス(G)、Y&Tのデイヴ・メニケッティ(G)、元MEGADETHのクリス・ポーランド、KING’S Xのタイ・テイバー(G)、元HURRICANEのロバート・サーゾ(G)などがギター・ソロを弾いている。

QUEENSRYCHE名義でのアルバムを発表するだけでも充分他のメンバーに対するあてつけなのだが、リリース時期ももう一方のQUEENSRYCHEに合わせて、むしろ少し早めに出してくるあたり、いやがらせもここまで徹底しているとむしろすがすがしい(笑)。

恐らくバンド形式ではない形で録音することになったのは、複数の人間で分業した方が早く完成させることができ、先にリリースすることができるから、という理由なのではないかと個人的には勘繰っています(笑)。

実は、ほぼ同時期に発表された先行シングルを比較したとき、もう一方のQUEENSRYCHEの「Redemption」より、本作の#1「Cold」の方がリフが印象的で良く聴こえ、もしかするとこっちの方が音楽的にはイイんじゃないの…? などという疑惑(期待と言うべきか)を胸に聴いてみたのですが…やっぱり近年のQUEENSRYCHE的な音楽で退屈でした(苦笑)。

ただ、参加メンバーはみな名のある実力派揃いだけあって、プレイ自体はなかなか充実しており、演奏自体のパワーによって、フックに乏しい楽曲に幾分勢いが生まれているのが救いではある。

もう一方のQUEENSRYCHEにとって最大の嫌がらせができるとしたら、本当は本作で初期QUEENSRYCHEの音楽性を再現してみせることだったと思うが、やはりそれはジェフにはできなかった(もしくはやりたくなかった)ようで、せいぜい過去の名曲のリメイクを収録するくらいが限界だったようだ。

そのリメイク音源は、オリジナルはおろか、良好とは言えない本作の本編の音質と比べてさえも随分とチープなプロダクションで、スケール感が削がれていることおびただしく、このQUEENSRYCHEに全盛期の素晴らしさを再現することができないことだけを証明してしまっている。

まあ、ジェフの目的が過去の名曲を汚し、冒涜することだったとしたら、それは達成されているのかもしれないが。【75点】

◆本作収録「Cold」のPV(?)[YouTube]



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コメント

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感想

ジェフには曲の書けるパートナーが必要そうですね(^^;。

誰かジェフにティモ・トルキを紹介してくれないかなぁ?

久保剛史と申します

久保剛史です。
わかりやすいですね!
また見に来ます。

久保剛史朗から一言

久保剛史朗から一言。

いつも更新楽しみにしています。

久保剛史朗

QUEENSRYCHEの音楽は、ジェフ・テイトのハイトーンボーカルがあってこそ…と思っていたので、
いつの日か和解して、また一緒にという…一縷の望みを抱いていましたが、今回の新譜のタイトルで、完全に諦めがつきました。

メンバーに向けての憎悪を、こういう形で表すなんて、大人げないのも甚だしいですね。
悲しいの一言です。

メタル・ジェントルマンです。
いつも更新楽しみにしています。

METALGATEのメインサイトのレヴューページには確かQUEENSRYCHEも掲載されていたと思うのですが、果たして管理人さんはどちらのアルバムを「QUEENSRYCHEの新作」として紹介されるのでしょうか?!
興味深いですね!

メタル・ジェントルマンでした。

大久保剛史です。

大久保剛史です。
ブログの更新いつもお疲れ様です。
また、読みにきます。

大久保剛史

素晴らしい作品を作って、たくさんの人に聴いてもらうという形でも自分を追い出したメンバーを見返すことが出来ると思うのですが、これじゃ、往年のファンの人にも「やっぱり最近の作品がつまらなかったのはコイツのせいだったんだな」と思われても仕方ないですよね。

明らかにアレとしか思えないタイトルの時点でげんなりしましたが、あまりにイマサンな内容でさらにげんなりしました(苦笑)。この程度なら自身のソロ名義でやってりゃいい話なのに、この期に及んでバンド私物化(というか単なる金銭欲?)の思惑が見え見えでもう嫌になってきますね・・・。

まとめてお返事

>ゆうていさん
きっとジェフ・テイトはティモ・トルキが書くような曲には興味がないのでこういうアルバムになるのだろうと思います…。


>happychildsさん
ジェフ・テイトがここまで大人げない人だとは思っていなかっただけに、ちょっとガッカリですよね。
ちょっと客観的になれば、自分のやっていることがどれだけ醜いことか、想像がつきそうなものですが…。


>メタル・ジェントルマンさん
最近このブログに多い謎の書き込みのパロディですか(笑)。

もうこのバンドは本家サイトで扱うのはやめようかと思ってこのブログで扱ったわけですが、もし今後本家サイトで扱うとしたら裁判の結果が出て、正式にQUEENSRYCHEの名義を獲得した方でしょうね。

もっともそれがジェフ・テイトの方だったら、もう新作を買うこと自体ないと思いますが…(苦笑)。


>名も無きメタラーさん
まあ、あの駄作連発の原動力がジェフであることはほぼ確実ですね…。
これでいきなりメタル・ファンが喜ぶようなアルバムを作ったら、ここ20年のQUEENSRYCHEのアルバムはいったいなんだったんだ、という話ですが(苦笑)。


>ハルディンさん
まあ本作は実質的にはジェフのソロみたいなものですからね…。
QUEENSRYCHE名義で出したのは、本当に単なる他のメンバーへの嫌がらせでしかないと思います。