BURRN!13年10月号の感想

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表紙は「SUMMER SONIC 2013」で来日したMETALLICAのジェイムズ・ヘットフィールド。この雑誌がライヴ風景の写真をジャケットに使うことは珍しいですが、恐らくこういう形でしかOKが出なかったのでしょう。

昔の『BURRN!』だったら「そんなら表紙にしねえよ!」と言えたのかもしれませんが、今はなかなかそうも行かないのか、近年ちょいちょい「定番フォーマット」から外れた写真が表紙を飾るようになっていますね。

METALLICAのインタビュアーは先々月号で久々に「誌面復帰」を果たした、元『BURRN!』副編集長にして最後の『MUSIC LIFE』編集長だった増田勇一氏。

ジェイムズがMOTORHEADの、ラーズがGIRLSCHOOLのTシャツを着ているあたり、「俺たちは今でも初心を忘れてないぜ」アピールなんでしょうか。

とりあえずラーズの『BURRN!』に対する「毎号ちゃんと違う人を表紙にしてね!(笑)」という言葉に苦笑せざるを得ませんでした。外タレ本人にさえそう思われているのかよ。

続くCHEAP TRICKのインタビューも増田氏で、元身内とはいえ、現在は外部フリーライターに過ぎない増田氏の大フィーチュアぶりはいったい何があったのでしょうか。

その後、例年になく「メタル度」の高かったSUMMER SONIC 2013に出演したバンドのライヴ・レポートに続き、同時期に来日していたAEROSMITH、およびTHE WINERY DOGSのライヴ・レポート。

今年の来日ラッシュを象徴するライヴ・レポート波状攻撃に続くのは、来年10月号で30周年を迎える『BURRN!』誌の「創刊30周年カウントダウン企画」。

1年前からカウントダウンって長過ぎねーか? 3号くらい前からやれば充分だろ、とも思いましたが、まあ、1年前から始めておけば、向こう1年間、この雑誌の好きな懐古趣味的な記事を続けられる大義名分になるわけで、まあそういう魂胆なのではないかと勝手に思ってます。

『BURRN!』が創刊された84年のアルバムや来日公演の紹介記事はまさにその懐古趣味が端的に表れているわけだが、ここに紹介されているバンド群を見て、「やっぱりこの時期のバンドは偉大だったな」と思えるかどうか、が『BURRN!』の読者であり続けられるかどうかの分かれ道なのではないかという気がします。

そして、おそらく長年の読者にとって一番興味深いと思われるのが、広瀬編集長と増田氏による対談記事でしょう。

私のように20年近く読んでいる読者でさえ知らない話(読者になる前の話なのだから当然ですが)が満載で、このブログの感想を楽しみにして下さっているというようなタイプの「BURRNウォッチャー」的な人にとってはいろいろ思うところのある記事なのではないかと思われます。

『BURRN!』の部数が一番多かったのが、HR/HMバブルだった86~92年ではなく、97年だった、というのは単純に事実として驚きだし、創刊当時からこの雑誌の問題は「どのアーティストをどれくらい扱うべきか」ということだったんだなあ、とあらためて考えさせられました。

正直この対談記事を読んでいると、どうも現在に至る問題の多くが酒井康前編集長に押し付けられている観がありますが、日本でHR/HMの王道とされているような音楽を好むようなタイプの人にとって、酒井氏の偏狭な「HR/HM美学」というのは相性が悪くなかったというのもまた事実なのではないでしょうか。

長年ファンをやっていて思うのは、HR/HMというのはルックスから音楽性に至るまで、何事につけても「変化」を嫌うタイプの保守的な(ある意味真面目な)人が好む音楽だというのが個人的な印象でもあるので…。

後はまあ、個々のインタビューにも興味深いものはあるけど、今回ピックアップしたいのは、時折興味深い内容のティモ・イソアホ氏によるコラム「TALES FROM THE DARK」。

今回のテーマは世界最大級のメタル・フェスティヴァルとして名高い『WACKEN OPEN AIR(以下W.O.A)』。

来年で25周年を迎えるというW.O.Aはここ8年連続でソールドアウトしており、今年の開催直後に売り出された来年のチケットは、どのバンドが出演するかもほとんど明らかになっていないのに75,000枚が発売から48時間以内に売り切れてしまったという。

それはもはやW.O.Aが単なるフェスではなく、「ライフスタイル全体を表すもの」だからという記述があるが、そういう意味ではLOUD PARKはそういうものには全くなれていないなあ、という感想を持たざるをえない。

日本でもフジロックやROCK IN JAPANには少なからずそういうニュアンスがあるような気がしますが、LOUD PARKはおろかSUMMERSONICにもそういうニュアンスは薄いように思われ、出演するアーティストの魅力=イベントの魅力になってしまっている観が否めない。

その理由は運営元であるクリエイティブマンのせいなのではないかと思ってここまで文章を書いてきましたが、冷静に考えると、会場内で宿泊するオーディエンスが多いか否か、というのが大きいのではないかという意外とつまらない結論に自分で辿り着いてしまってちょっと落胆している今現在(苦笑)。

アウトドアで宿泊すると、いろいろ面倒はあるし、体力的にもしんどいけれども、やはり体験としてはスペシャルなものになるんですよね。W.O.Aも「見渡す限りどこまでもキャンピング・サイトが果てしなく連なっている」そうだし。

まあ、とにかく私が言いたかったのは、「フェスの魅力ってのは単純にアーティストのメンツだけじゃない、イベントとしてのムードそのものにあるんだよ」ということで、LOUD PARKに対して「メンツが微妙だから行かない」なんてのはメタラーとしてもったいないですよ、ということです。

あと今月号で印象的なのはCARCASSの大フィーチュアぶりですね。台割としては後ろの方とはいえ、8ページカラーでの掲載に加え、ビル・スティアー(G)の参加しているGENTLEMANS PISTLESも、フジロックでのライヴ・レポートとインタビューでカラー4ページの扱い。

そしてクロスレビューのトップも、なんとDREAM THEATERを押しのけてCARCASSの新譜が抜擢されている。まあ確かに(個人的には予想外に)優れた出来の作品ではあありましたが…。

今月のマストバイは、購入済みのそのCARCASSの新作、GALNERYUSのセルフ・カヴァー第2弾を除くと、DREAM THEATERくらいか。

あとは再録ベストを聴いてみたいANNIHILATOR、試聴サンプルがいい感じだったGLAMOUR OF THE KILL、WIG WAMのティーニーがギターを弾いているというJORNの新作なども興味深いし、北欧メロハー・ファンとしては「TNTの黄金時代作品に匹敵する」というNIVAは要チェックだし、メロスパーとしてはOPERADYSEもちょっと気になるかな。

◆発行元であるシンコー・ミュージックのWebサイト
http://www.shinko-music.co.jp/main/ProductDetail.do?pid=2175011310
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コメント

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CARCASSの新作いいですよね。LOUD PARKではやっぱり"あの人"が飛び入り参加するのでしょうか(笑)。

97年活気ありましたね~。音楽・ゲーム・アニメ・家電・テレビ番組などこの頃がピークだったのかもしれません。

The Winery Dogsのインタビューでポートノイにドリムシ絡みの質問をしていたのが印象に残った。
彼の言うとおりドリムシが「停滞」していたのならマイキーが抜けたのは正解だったのかも。
現に前作は近年のヘヴィで暗めな路線じゃなくてよかったよ。
かといってヘヴィで暗めが嫌いってわけでもないが。

A7Xから捨てられてからまたDTに戻りたいって言ってきたことは
もうファンには知られているのにいまさら強がりを・・・・。
B!誌も実はドリムシがあまり好きじゃないのかね。

10月号

DREAM THEATERめちゃくちゃ楽しみです。
なぜ今頃にセルフタイトルをつけたのか、考えた末に結論はまったく出ませんでした(笑)。

97年と言えばメロスピ新世代バンド登場の年ですね。
HAMMERFALL、RHAPSODY、そしてSTRATOVARIUSの躍進、この年はメロスピのファンにとっては何気に嬉しい年ではなかったですかね。

CARCASS評判いいので私も買ってみようと思ってます。
にしても17年のブランクがありながら新作を出すという情熱に感心します。AT THE GATESも活動再開してるけどこっちはその気ないのかしら

あとびっくりしたのが『BURRN!』誌が私と同い年だということ(笑)
昨今厳しい出版業界ですが末永く続いて欲しいものです。

まとめてお返事

>名も無きメタラーさん
LOUD PARKのCARCASS、どうせ同じ会場にいるんだったら参加してくれるといいですね。

97年あたりは、たしかにCDやゲームはよく売れていましたね。
BURRN!の部数も、そういうマーケット全体の話と無縁ではないのだろうと思います。


>ヘヴィメタルスライムさん
まあ、実際DREAM THEATERの前作(まだ新作出てませんが)は、出来は良かったですが、音楽的に新機軸は何もありませんでしたね。
マイキーがいたら新機軸が打ち出されたのかどうかはわかりませんが。

BURRN!編集部ににDREAM THEATERが大好き!という人はいないような気がしますね。


>名も無きメタラーさん
セルフタイトルは、マイキーに対する嫌がらせじゃないですかね(笑)。
お前がいない状態こそ「DREAM THEATER」なのだ、ということを示したかったのではないかと思います(笑)。

後から見ると97年は欧州メタルにおけるターニング・ポイントとなった年でしたね。
BURRN!ではほぼスルーされていたので当時は気づきませんでしたが…。


>C.O.Biwakoさん
CARCASS、17年のブランクがあったとは思えないほどの仕上がりではありました。
AT THE GATESは、ラストアルバムの評価があまりにも伝説化してしまったので、新作を出しにくいんじゃないですかね…。

BURRN!誌と同い年ということは、もうすぐ三十路ですね(笑)。
どこまで共に人生を歩むことになるのか、生暖かく見守っていきたいですね(笑)。

二重作巡査です。

二重作巡査です。
更新お疲れ様です。
ブログを拝見いたしました。
また、拝見させていただきます。

二重作巡査

「変化」を嫌うタイプの保守的な人が好む音楽

「変化」を嫌うタイプの保守的な人が好む音楽、個人的にはそんなジャンルは死して当然といった感想です。HRから現代メタルへの発展を考えれば、私は決してそんなジャンルではないと思っています、あくまで個人的に。このブログはいつも楽しみに拝見させていただいていますが、より多くの人にHMに親しんでもらうことを理念としているのならば、もっと間口の広いスタンスを提示してほしいと私は思います。要するに、最近のメタルに対する管理人さんの感想が聞きたい!もっとそっちもレビューしてほしい!ということです。

>メタル太郎さん

おっしゃることはとてもよくわかります。
実際、メタルほど細分化という形で変化してきたジャンルはそうはないと思います。

一方で、これだけ細分化してもHR/HMという音楽の本質的な部分にブレがないのは、保守的なリスナー(=プレイヤー)の多さがプラスに作用していると思っています。

実際の所、このサイトやブログをお読みになっていればお気づきかもしれませんが、私自身がかなり保守的なリスナーで、最先端のメタルを薦めるというよりは、王道感がある(と、私が考えている)メタルをこそ多くの人に聴いてもらいたいと思っていますし、保守的なタイプのメタルこそ実は一番間口が広い、幅広い人たちに受け入れられるポテンシャルがあると信じてこのサイトを運営しています。

私はある程度意識的に新しいバンドを聴いてみようとしていますが、それらも音楽的には伝統を踏まえたバンドが中心です。

自分が楽しめないものを聴くほど暇ではないですし、やはり好きではないものは他人に薦められないので、私個人のキャパシティの限界は感じつつも、私の好きな音楽を通じてHR/HMに魅力を感じ、親しんでくれる人が1人でも2人でも現れてくれるといいな、と思っています。

ドリスの横チチ

30周年カウントダウンを1年前からは僕も早えーよと思いました。そしてadoreさんの切れ味鋭い「まあ、1年前から始めておけば、向こう1年間、この雑誌の好きな懐古趣味的な記事を続けられる大義名分になるわけで、まあそういう魂胆なのではないかと勝手に思ってます。」の毒吐きには笑えました(笑)
対談等の企画は面白かったです。先代の時代のBURRN!は読んだことないですが、ラジオでの言葉を聞いて想像してた通りのガンコな人なんですね。流行を追っかけ過ぎもダメですが、もう少し柔軟に幅広く載せてれば・・・みたいなことは考えちゃいますね。「ヌーノ・ベッテンコートがキャップかぶって髪結わえてるから表紙はヤダ」のくだりは笑えました。

あとはブルース・ディッキンソンとM・シャドウズはロン毛より短髪の方がいいなとかM・タックの二の腕ムッチリしちゃったなとかドリスの横チチ素晴らしいねなど写真だけでも面白かったです。

僕は今月はガルネリとコンチェルトの2枚がマストです。Glamour Of The Killは前作まではいわゆるエモ声が耳についてイマイチでしたが、ラジオで聴いた新曲では声が少したくましくなったように聞こえたのでこれも買おうと思います。

>B!13さん

先代のBURRN!…当時は僕もまだHR/HMを聴き始めたばかりで「そういうもの」だと思っていましたが、たしかに今思うとすごく了見の狭いスタンスでした。

当時はHR/HMというジャンルそのものにまだ勢いがあったし、HR/HMかどうか微妙なヘヴィ・ミュージックそのものが少なかったので、それでもさほど違和感はありませんでしたが…。

ただまあ、坊主だろうとキャップ被っていようと、それくらい許してやれよという気がしますけどね(笑)。

ドリスの横チチはノーマークでした。後で二度見してみます(笑)。

GALNERYUSはともかく、CONCERTO MOONは最近すっかり存在感が薄くなってしまったので、こうしてちゃんとファンがいるのを見ると他人事ながら安心しますね(笑)。

BURRN!10月号の感想

今更ながらという気もしますが、11月号の感想の記事が出る前に。

パラパラとページを捲り、まず最初に目に付いたのが、サマソニのBREAKING ARROWSのSETLIST。シャムシェイドは一度も耳にしたことが有りませんが、熱狂的シャムシェイドFanの知り合いに猛烈Pushされて駄目元でアルバムを買ってみたところ、好みの音楽性では無かったのですが意外と気に入っております。

そのBREAKING ARROWSの記事ですが、Never Stop Dreamin'が一番盛り上がったそうですね。自分の中で全く印象に残っていなかった曲なので、ただ驚くばかりです。

そもそもSETLISTを眺めたときに好きな曲はBreaking To Piecesの1曲だけ(笑)というところに、己の感性の異質に呆れてしまいますな┐('~`;)┌。

あとはWINERY DOGSのinterviewで、マイキーが幸せそうで良かったです。

我らがFAIR WARNINGの来日レポでは、フロアは6割ほどしか埋まっていないだと・・・。全盛期を知る者としてはなんだか悲しい気分になるところなんですが、4までしか持っていない自分には哀しみに暮れる資格も無し(;_;)。

マストバイはDREAM・THEATER。DVD付スペシャル・エディションが税込3,480円だそうですが、私はHMVで通常の輸入盤を1,500円で購入しました。

感想としては広瀬編集長と同じで、感心はするけど感動はしません。取り敢えず及第点はクリアしていますけど。②THE ENEMY INSHDEが一番良かったですが、前作のBREAKING ALL ILLUSIONSの域に達していませんね。

>ゆうていさん

私はSIAM SHADEのアルバムは全部聴いていますが、BREAKING ARROWSは未聴なので、恐らく来週のLOUD PARKで初めて彼らの音楽に接することになりそうです(寝坊さえしなければ、ですが…/苦笑)。

FAIR WARNINGの人気の凋落は、ファンにとっては胸が痛みますね。近年のアルバムの出来を考えると無理もないですが…。

DREAM THEATERは私もスペシャル・エディションには手を出さず、国内通常盤を購入しました。