ROCKOMANGA! の感想

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今月のBURRN!で久々に(といってもせいぜい1年半ぶりくらい?)、喜国雅彦氏のマンガが掲載されていた。

「当方の社内的な事情により他の長期連載共々2012年5月号でやむなく終了となり、単行本化も他社(リットー・ミュージック)により行なわれたが」と書かれており、自分が買っていた「ROCKOMANGA!」がリットー・ミュージックから出ていることに初めて気づきました。

何しろAmazonの包装段ボールからさえ出していなかったもので…。

危うく積んだままになる所だったので、この機会にあらためて読んでみました。

89年から連載されていたということで、私がBURRN!を読み始めた頃には既に連載されていたので、なんとなく読んだことのないネタがいっぱいあるのではないかと思っていたものの、実際未読の回は全体の1/4もなく、ほとんど見覚えのあるネタばかり。

考えてみれば1989年~1992年より、1993年~2012年の方がはるかに長いわけで、それも当たり前。

初期こそミュージシャンネタとでも呼ぶべきものが大半を占めているが、次第に作者のエッセイ的な色が強くなっていき、正直面白いと思ったことはほとんどなかった(今読むとノスタルジーは感じますが…)。

SLIPKNOTや、奥さんが好きだというRAMMSTEINは何度か登場しているが、基本的には登場するミュージシャンはBURRN!創刊の頃からビッグだったアーティストが大半で、00年代はおろか、90年代に登場したミュージシャン・バンドさえほとんど登場しない。

そのことについては、本書の最後に収録されている作者インタビューで「キャラの立っているミュージシャンが少なくなってきた」と説明されているわけだが、この辺は単に作者が新しいミュージシャンに興味を失っていたから、という考え方と、実際キャラ立ちするミュージシャンが登場していない、という考え方の2つがあり、恐らくどちらも間違いではないのだろう。

認めたくない現実ではあるが(?)、ポップ・ミュージックが売れる上では音楽自体が良いことは前提として、ミュージシャンのキャラみたいなものが重視されるのが世の常で、そういう意味ではたしかに90年代以降、日本でHR/HMとされる音楽は、そういうキャラ立ちしたアーティストが出てこず、それもHR/HMという音楽のインパクトを弱めてしまう一つの要因になってしまったというのはひとつの事実なのだろう。

そして必然的にマンガもつまらなくなってしまった…と。

ただまあ、同じく巻末のインタビューで、ここに収録されている作品について「基本的には、原稿を渡すその日に描いていました。(中略)朝起きてから、受け渡しの10時までの間に描いていました」と言っているので、そもそもあまり真剣に描いていたとは思えないわけですが(苦笑)。

本書の一番最後には、「喜国雅彦が愛する極私的メタル・アルバム10選!」として、作者のチョイスする10枚のHR/HMアルバムが紹介されている。

読者がそれなりにコアなメタル・ファンであろうことを踏まえ、あえて王道を外したセレクトにしているようだが、それにしても基本的には80年代までに登場したアーティストによるアルバムが大半を占めており、新しいものを全く聴いていないわけでもなさそうだが、やはり過去のHR/HMが好きな人なんだなあ、と。

別にそれは人間としては当然のことで、私自身好きなアルバム10枚選べと言われたら、10代の頃に好きだったものが大半を占めると思います。

ただ、やっぱり今のBURRN!の読者ってこういう「好きなバンドの新譜が出れば聴くし、新しいバンドを聴いてみることもなくはないけど、やっぱり昔のメタルが一番だよね」って温度感の人が一番多いんだろうなあ、という印象を受けました。

描き下ろしの新ネタや、喜国氏が過去別な雑誌に描いた、未単行本化の作品なども「ボーナス・トラック」として収録されているが、一般のメタル・ファンには各年ごとの「メタル・シーンの出来事」と「この年にリリースされた代表的なメタル・アルバム」というページが一番興味深いのでは(笑)。

あと、「6コマ漫画」だから「ROCKOMANGA」というタイトルなのだということに今回初めて気づきました(笑)。
今までいかに気にも留めていなかったか、ということですが…(苦笑)。

◆出版元であるリットー・ミュージックのWebサイト
http://www.rittor-music.co.jp/books/12317105.html


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コメント

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正直ギャグ漫画としては大して面白くはないんですが(苦笑)、BURRN!を長く読んでいる身からすると感傷的になってしまいました(笑)。
以前クロスレビューがまとめられた本を読んだ時には別に何も思わなかったのですが、この本を読んで少しほろりとしました。雑誌と共に自分も年取ったんだなという感じです(笑)。

連載初期の頃のインタビューだったかコラムだったかで、もともと4コマで描くつもりだったけど、当時の酒井編集長にロックなんだから6コマで描けよと言われて渋々6コマにしたとかいう話がありましたね

>名も無きメタラーさん

たしかに感傷やノスタルジーは刺激されますね(笑)。
作者と同年代の方はなおのことでしょう。

本書もさることながら、BURRN!が30周年と聞き、10周年の表紙を未だに鮮明に憶えている身としては、やっぱり雑誌と共に歳をとったと感じますね(苦笑)。

>hkskさん

そういうダジャレはロックなんですかね?(苦笑)
まあ本書で作者は結果として良かった、と述べていますが…。

日本人に好きなバンドを選べ、と聞いたら欧州メタルが好きな人は1位は当然のようにHELLOWEENなのではないですかね(笑)?
自分も「I'm Alive」に衝撃を受けたのは今でも覚えてますよ。
今は実際にはHELLOWEENよりもいいドイツ(欧州)のバンドはたくさんあるんですけどね(BLIND GUARDIANとかEDGUYとか)。

ラブラインです。

ラブラインです。
毎日、ブログ更新お疲れ様です。
また、ブログを読みに来ます。


ラブライン

>ストラディキャスターさん

欧州メタルファンだけを対象にアンケートを取れば、きっとHELLOWEENが最大公約数でしょうね。
とはいえ今となっては良質なバンドがたくさんいるので、意見はきっとそれなりにバラけるのではないでしょうか。