STRYPER / NO MORE HELL TO PAY

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正規のスタジオ・アルバムとしては2009年の「MURDER BY PRIDE」以来となる再結成後の第3弾となるアルバム。

ただ、前作から本作のリリースまでの間に、往年のHR/HM名曲のカヴァー・アルバム「THE COVERING」(2011)、および自身の80年代における代表曲の数々を再録したリメイク・ベスト・アルバム「SECOND COMING」(2013)のリリースを挟んでおり、本作を聴くとそのどちらも過去のHR/HMに対する回帰を暗示していたことが理解できる。

再結成後の彼らが発表してきた新曲は、中途半端にアメリカのモダンなロックの影響を感じさせる中途半端なサウンドで、個人的には煮え切らないものを感じていたが、アルバムのアートワークの雰囲気で予感していた通り、本作はそういう私のような80年代の彼らのサウンドを求めるファンにとってかなり溜飲の下がる、メタリックな音楽性である。

80年代路線への回帰といっても、かつて彼らにヒットをもたらした「Honestly」や「Always There For You」のようなポップ・ソングは収録されておらず、「SOLDIERS UNDER COMMAND」以前の、やや無骨さを残したメタル・サウンドが全編で展開されている。

このことについてマイケル・スウィート(Vo)はBURRN!誌のインタビューで「ハードなエッジの効いたアルバムにしたかったんだ。僕が言うところのフラフ(fluff/フワフワしたもの)が少ないアルバムにね」と語っているが、まさにそのビジョンが具現化された作品と言っていいだろう。

もちろんハードといっても、あくまでも衰えを知らないマイケル・スウィート(Vo)のシルキー・ヴォイスによるメロディックなヴォーカル・ラインが主役であることは言うまでもない。

アルバム冒頭から2曲立て続けにミドルテンポの曲が続いたり、楽曲によっては悪い意味でアメリカンなセンスが混入していたりと、必ずしも日本のメロディック・メタル・ファンがもろ手を上げて歓迎するような音楽とは言い難い一面もあるが、少なくとも再結成後のアルバムの中ではベストな仕上がりである。

本作はチャート・アクション的にも全盛期に匹敵する全米35位を記録、文句なしの完全復活作と言えるだろう。

アップテンポかつ叙情的な#8「Te Amo」が個人的にはとてもツボです。【82点】

◆本作のプレビュー映像 [YouTube]


◆本作のタイトル・トラック「No More Hell To Pay」のPV [YouTube]


◆本作収録「Sympathy」のPV [YouTube]


◆PVは存在しないもの、個人的にはイチオシの「Te Amo」



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コメント

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これだけのクオリティであればファンとしては満足できるでしょうね。
再結成後に「あれあれ?」ということはけっこうあるじゃないですか。
少し前に新作がリリースされたCARCASSのように(そこまでバンザイではないけど)、聞き続けていこうという気持ちにさせてくれますね。

大満足!

これはadoreさんも絶賛か?と思ってましたが、そうでもなかったですね(笑)

個人的にはこのアルバムで今年のNo.1が決まりました。

冒頭2曲はミドルでいやな予感がしましたが、3曲目から疾走してくれて安心しましたよ。アルバムトータルの流れとしてみれば良い曲順でした。
Te Amoはキラーチューンですよね。
こういう曲は80年代の彼らでは作れなかった曲ですね。

なんやかんや言っても、大好きですstryper。

>ストラディキャスターさん

本作は再結成アルバムの中でもまずまずの部類に入るでしょうね。
ここに立ち戻る前にだいぶ遠回りをしたような気もしますが(苦笑)、全米35位という成績は、「らしい」音楽をプレイすればちゃんとファンが評価してくれることを証明していますね。

>Mark.Nさん

STRYPERは好きですが、個人的にはそこまでハマりきるほどの存在ではないのです…(笑)。
ただ、初期のこのバンドが好きな人にとってはたまらないアルバムだろうな、と思います。