映画『メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー』感想

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「METALLICAの映画」として話題の『メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー』を観てきました。

当初は公開初日に観に行こうかと思っていたが、学生時代にメタル好きだった友人2人に声をかけてみると「観たい」というので、予定を合わせて観に行くことにした。

しかし、お互い別の会社に勤める社会人だけに、なかなか日程が合わせられず、公開から2週間が経ってしまった。

メタルの世界ではビッグなMETALLICAとはいえ、一般人にとっての存在感はそれほどでもないだけに、映画の興行自体はパッとせず、東京ではもともと3館しかなかった上映館は2週間目にして2館になっており、社会人の勤務時間後に観られそうなのは109シネマズ木場しかなかった。

その109シネマズ木場の開始時間も、終電までの労働を常とする私にとってはなかなかハードルの高いもので、仕事を振り切るように会社を飛び出し、小走りに移動してどうにか間に合ったという感じだ(途中駅での乗り換えも結構距離があったし、駅からイトーヨーカドーの中にある映画館までもそこそこ距離がある)。

友人のうち一人は先に着いていたが、もう一人は15分ほど遅れるとのことだったので、先に館内に入り、着いたらケータイに連絡をもらって迎えに出ることにした。

いくつかの予告編が上映された後、映画が始まる。スペシャルなアリーナ・ライブという設定のもと、ちょっとしたストーリーのイントロの後、バンドの演奏が始まる。

オープニングは「Creeping Death」だ。曲が名曲であることに異論はないが、とにかく音の良さに度肝を抜かれる。

いや、これまで何度かIMAX 3Dの映画は観たことがあって(直近では『パシフィック・リム』で観た)、そのサウンドの迫力は予想していたが、これは予想以上だ。こんなに素晴らしい音響は、実際のライブはもちろん、大型家電店にあるホームシアターの体験コーナーでCDを聴いたときでさえ体験することができなかった。

この曲のプレイ中に遅れてきた友人が来たが、とてもこの曲が終わるまでは迎えに出ることができませんでした(笑)。それほどに衝撃的な音響だった。

この映画には『アメイジング・スパイダーマン2』などに出演していたデイヴ・デハーンが演じるバンドのツアー・スタッフ(いわゆるローディー?)のトリップなる青年が、バンドの大切な荷物を積んだ車がガス欠で来れなくなっているので、ガソリンを届けてこい」というお使いのミッションを受けるストーリーが、バンドのコンサートの裏で展開している。

しかし、正直な所、ライヴ・ビデオを映画として構成するためのアレンジ以上のものではなく、全体的にストーリーが意味不明であり、主人公がほぼひと言もしゃべらないこともあって、ある種ドラマ仕立ての音楽PVのようなもの、という印象を受けた。

とはいえ、ライブを楽しむにあたっての邪魔になるような退屈な映像というわけでもなく、「Master Of Puppets」から「Battery」というショウのハイライトとクロスしているシーンなどはかなりスリリングだった。

日本では大人気アイドルくらいでしか実現しない360度全方位型のステージに、パイロがド派手にバンバン上がり、楽曲に合わせて「MASTER OF PUPPETS」のジャケットを思わせる十字架が生えてきたり、ショウの途中で「…AND JUSTICE FOR ALL」のジャケットに描かれている女神像が組み上げられて崩壊してみたりと、日本ではなかなかお目にかかれない豪華なステージ・セットをIMAX 3Dの迫力で観ることができるというのも見所。

ついでに、ラーズ(Dr)の頭頂部を映し出すことを恐れない(笑)、上方からのアングルも豊富に使用したダイナミックなカメラワークも臨場感と迫力たっぷりで、この映画の狙いだったという「映画館の観客をステージに上げてみる」というコンセプトはほぼ完璧に成功していると言えるのではないか。

上映終了後、遅れてきた友人が「ストーリーがイマイチよくわからなかったんだけど、アタマから観ればわかるの?」と訊いてきたが、それに対しては「大丈夫、最初から観てもよくわからない」と二人で断言できました(笑)。

「バンドの大切な荷物」とは何だったのか、結局明かされませんしね。

まあ、本作に関してはとにかく極上のサウンドでMETALLICAを楽しめる、ということが最大の魅力じゃないですかね。いかにオーディオ・マニアな方でもさすがにIMAX 3Dクラスの音響設備が自宅にある人はまずいないでしょうし(笑)、これはやはりいつかBlu-Rayが出るのを待とう、というような代物ではなく、ライブ同様、実際に映画館に足を運ぶことで一番楽しめるものじゃないですかね。

一部の映画館では12月7日限定で「スタンディングOK、ヘッドバンギングOK、シャウトOK」な「ライヴスタイル上映」が行なわれると聞き、「シャイな日本人が映画館でそんな恥ずかしいことできるのかね?」と思っていましたが、この素晴らしさならむしろ私も立ち上がってアタマを振り、声を出したかったですね。

いつまで上映が続くかはわかりませんが、METALLICAのファンはもちろん、「音が良い」ということはどういうことかを体験したいメタル・ファンにはぜひともIMAX3D上映をしている映画館に足を運んでほしいと思います。

◆『メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー』日本語公式サイト
http://metallica-never.jp/

◆本作の予告編映像


◆インタビュー&メイキング映像


◆サマソニでコラボ(?)したBABYMETALによるプロモ映像

たしかに「IMAX 3Dで観なきゃダメ、ゼッタイ」ですね。


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コメント

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観たい!

・・・けど、上映されている一番近い場所に行くための交通費だけで往復5000円近くかかってしまうので、サントラで我慢します。
都会に住んでる方が羨ましいです(笑)。

素晴らしかった!

こんにちは。

私も観て参りました。
せこくサービスディの日を狙っていったら、これに関しては通常の料金になりますと言われ、エーなんて思ったのですが(笑)、
一緒に行った家族が「IMAX 3Dは通常料金でも絶対オトクだよ!パシフィックリム観た時もすごくよかったから、今回はMetallicaだし絶対いいよ!」と太鼓判をおしたので、期待して観たら、予想以上でした!

映画館でないとあれは体験できないですね!

観客は全部で10名だったので、ヘドバンできそうでしたが
日本人ですねー。小さく頭ゆらしたのみでした。

もう1度観たいです。

最高でした

僕も名古屋で観ました。

僕も1曲目の「Creeping Death」が始まった瞬間、条件反射的に頭振りそうになり、「いかん、ここは映画館だった」と思いとどまりました(笑)

音も最高、ステージ上の視点で映される映像の臨場感も素晴らしい!
生のMETALLICAライブは未体験なのですが、
もう体験した気になりました。
確かにこれはIMAXで見なきゃ絶対ダメですね。

周りのお客さんはメタルとか聞かなそうな普通の人もいつつ、メタルのライブ会場の如くメタルTシャツを着た人も何人もいて(自分もですが)面白かったです。

わぁ~そんなに良かったんですか~。見に行きたいなぁ。
・・・って、上映場所調べたら一番近くで家から往復7~8時間くらいかかりそうです。
残念ですが、諦めました(悲)

まとめてお返事

>名も無きメタラーさん
実際ライヴに行ったと思えば…と言いたいところですが、やはり地方の方にとってはハードル高いですよね。
都心住みが気安く「ぜひ足を運んでほしい」なんて言ってしまってなんかすみません。


>KYさん
たしかにIMAX 3Dにはサービス価格は適用されませんね(笑)。
それでも2200円払う価値が充分ある映像と音響だと思います。


>Dさん
私もついつい(軽くですが)頭を振らずにいられませんでした(笑)。
これほどIMAX 3Dで観ることを勧めたくなる映画はないですね。

私は平日に行ったからか、スーツ姿の人が多かったです(私もですが)。
意外と女性1人のお客さんもいたりして驚きましたが、彼女らは果たしてメタリカのファンなのか、主人公のプリティ・ボーイのファンなのか…(笑)。


>Zeppさん
LOUD PARKみたいな1日がかりのイベントならいざしらず、映画のために7~8時間はキツいですね~。
上映館が少ないから、やむを得ないですね…。

私は公開初日に友人とユナイテッドシネマとしまえんに観に行きました。掴めそうな迫力と音響の素晴らしさに、新たなライブの提示してきたな、さすがメタリカと思っちゃいました。ラストのバンドの大切な物に関しては、個人的にはクリフに関係する何かかなあと思いました。最後のOrionをしっとり4人で演奏する姿を観て何となくそう感じました。

素晴らしい

これは観がいがありますね。
さっそく足を運んでみます。

ラーズ(Dr)のアタマを映すのはかなり勇気がいりますよね(笑)。

>プロペインさん

ビッグなバンドだからこそできる、新たなライヴ・エンターテインメントの形ですね。
あのカバンの中身、クリフ絡みのものと予想している人が多いみたいですね。少なくとも「実用品」ではなかったようなので、そう考えるのが自然かもしれません。

>ストラディキャスターさん

12月12日(木)までの公開なのでご注意を。

ラーズもああいうカメラワークを許可するとはなかなか器のデカい男だな、と見直しました(笑)。

とうとうこの映画観られませんでした・・・。
予告編が公開されたときは「こりゃ必見だ」と思いましたが、近場の映画館でやらないことを知ってすっかり興味が薄れてました(笑)

映画館でライブを観るというのはライブビューイングで経験済みですが、なかなかいいですよね。
実際のライブ会場より音がいいので、意外に値段以上の満足度を得られてお得です。


関係ないですがツイッターの「90年代のベスト・ハードロック・リフ TOP10」はびっくりですね・・・。ガンズも入らないのかぁ。
ここでフェアウォーニング、ハーレムスキャーレム、Mr.BIGなんて挙げるとBurrn厨とか呼ばれるんでしょうか?(苦笑)

>Mark.Nさん

基本的には日本人の言うところの「オルタナティヴ/グランジ」が好きな人が選んだものなのでしょう。

ここでは別に厨呼ばわりするような人はいないと思いますが、匿名掲示板などで挙げるとそう呼ぶ人もいるかもしれませんね(苦笑)。