RED DRAGON CARTEL / RED DRAGON CARTEL

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元OZZY OSBOURNE~BADLANDSのギタリストとして知られるジェイク・E・リーのニュー・バンドのデビュー・アルバム。

元々は所謂ソロ・アルバムであったようで#3にロビン・ザンダー(CHEAP TRICK)、#5にポール・ディアノ(元IRON MAIDEN他)、#7にマリア・ブリンク(IN THIS MOMENT)、#9にサス・ジョーダンと、複数のゲスト・ヴォーカルが起用されている。

しかし、本作の制作作業を経て、これを1回限りのプロジェクトにするのはもったいないと考えたジェイクと、その旧友だったロニー・マンキューソ(B)が、パーマネントな活動をするためのメンバーを募り、ダレン・スミス(Vo)とヨナス・フェアリー(Dr)が加入し、晴れて「バンド」としてのRED DRAGON CARTELが誕生した。

シンガーとして起用されたダレン・スミスは、日本ではHAREM SCAREMの元ドラマーとして知られており、HAREM SCAREM在籍時からしばしばリード・ヴォーカルをとっていた。

LAメタルの流れにあるアメリカのメタルが90年代以降極めてダウントレンドだったこともあって(ジェイクはかつてRATTの前身バンドやROUGH CUTTに在籍していたバリバリのLAメタル人脈の人物である)、BADLANDS解散後のジェイクの活動は決して順調とは言い難く、リリース自体もそれほど多くなかったし、発表された作品も大きな話題になることもなかった。

2005年に「RETRACED」というソロ・アルバムを出してはいたが、実質的には1996年のソロ・アルバム「FINE PINK MIST」以降のジェイクはほぼ引退状態だったと言っていいだけに今回の「復活」は往年のファンにとっては感慨深いものがあるだろう。

期待を高めたのは、先行してWeb上で公開された本作のオープニング・トラック「Deceived」で、これがあざといほどあからさまにOZZY OSBOURNE時代の代表曲である「Bark At The Moon」を彷彿させるソリッドなナンバーだったことで、私を含め多くのファンが(私は後追いですが)「Jake Is Back!」を実感した。

そして期待に胸を膨らませつつ満を持してドロップされた本作を聴いてみた。

…まあ、悪くはない。が、予想を超えるほど良くもないというか、ハッキリ言ってしまえば期待していたほどに良くはない、という表現の方が適切か。

前述の#1はたしかにカッコいいんだけど、当初の触れ込みだった「オジー時代の路線」と言い切れるのはその曲くらいで、それ以外の曲は中途半端にモダンな(90年代的、というべきですかね)雰囲気のあるヘヴィ・ロック・チューン(あるいはちょっとBADLANDSを思わせる曲もある)でやや肩透かし。

楽曲の出来自体は、この手の音楽のファンではない私のような人間でも退屈しないレベルに達しているのでまあ聴けるのだが、若いファンが飛びつくようなサウンドとは言い難いし、それだったらLAメタル路線全開で、往年のファンの期待に応えてほしかったというのが本音。

サウンド・プロダクションもイマイチだし、ベース&ドラムのリズム隊のキレもイマイチ。一番の聴き所であるジェイクのプレイも、所々かつて「ジェイク・フェイク」と呼ばれたトリッキーと呼べるほどにフラッシーなプレイの面影はあるものの、やはり全盛期の輝きを取り戻しているとは言い難い。

とりあえず半数以外の曲を歌っている「メイン・シンガー」のダレン・スミスも、まあ無難と言えば無難は歌唱を聴かせているものの、個性は薄いし、正直HAREM SCAREMを聴いていた身からすると「でもあなたドラマーですよね?」という思いがどうしても拭えない(いや、名シンガーと言われる人の中にも、かつて他のパートを担当していたという人はぼちぼちいるので、これは言いがかりみたいなものですが…)。

いずれにせよ、ゲスト・シンガーたちの歌唱の方が印象的であることは確かです(苦笑)。

余談ながら、ジェイクはいわゆるハイトーン系やクリーンな声のヴォーカルは好きじゃないんだな。彼がかつて選んできたレイ・ギランやマンディ・ライオンといったシンガーも、今回起用しているシンガーも、みんなハスキーで癖のあるタイプばかりである。

まあ、ジェイクが復活するとしても、きっとBADLANDSの流れにあるブルージーで渋い(あのバンドの音を渋いなどといったら、本格的なブルーズのファンには怒られると思いますが)「オトナ路線」だろうと思っていたので、これだけパワフルなロック・サウンドを聴かせてくれたことは単純に嬉しいのですけどね。

まあ、何せブランクが長かったのでいきなりの「完全復活」を望むのは酷と言えば酷かもしれません。

コンスタントにライヴなどを重ねてリハビリ(?)し、往年の勘を取り戻してもうひと花咲かせてほしいと思っています。【78点】

◆本作のリーダー・トラック「Feeder」のリリック・ビデオ



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コメント

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いつも通勤途中に聞いてるFM横浜から流れてきた曲が、いやに「BARK AT THE MOON」に似てるなぁって思ってたら、このタイトル曲でした(笑)
ボーカル、微妙にオジーっぽくないですか(^_^;)

あ、管理人様、今年も楽しみにしております。
宜しくお願いします(^^♪

>メガネコアラさん

「Deceived」、狙い過ぎだろ、ってくらい「Bark At The Moon」ですよね(笑)。
FM横浜でこんな曲が流れるんですか。ちょっとビックリです。

ヴォーカルは、意図的にオジーっぽく歌っているような気がします。
特徴があって、割と真似しやすいスタイルですからね。

微妙な復活作

この作品、私も期待して購入したんですが...。
HAREM SCAREM時代のダレンの歌唱が個人的には好きだったこともありまして。
二曲目以降がやはり微妙でした。
このヴォーカルメロディでは、ダレンの良さが出ていないと個人的には思ってしまいました。オジーを彷彿せるようなヴォーカルメロディに仕上げた方が、ジェイクの復活作なので、商業的には正解なのでしょうが。

>COTSUさん

ジェイク在籍時のOZZY OSBOURNEのファンにも、HAREM SCAREMのファンにも今一つ満足できない仕上がりなのが残念でしたね。
悪くはないのですが…。