MICHAEL SCHENKER’S TEMPLE OF ROCK来日公演 at 中野サンプラザ 2014.3.13

4年ぶりにマイケル・シェンカーを観てきました。前回はM.S.G名義でしたが、今回はMICHAEL SCHENKER’S TEMPLE OF ROCK名義で、メンバーもウェイン・フィンドレイ(Key, G)以外のメンバーは一新されている。

VoはRAINBOWやイングヴェイとの仕事で知られるドゥギー・ホワイト。ベースとドラムは初期SCORPIONSのリズム隊であるフランシス・ブッフホルツとハーマン・ラレベル。

実を言うと今月はGWARを観に行こうと思っていたのですが、ちょうど公演時間のタイミングに仕事の打ち合わせが入ってしまったため、断念。本来はこの公演も興味がありつつ、実際に足を運ぶつもりはなかったのですが、GWARの埋め合わせ(というには全く違う音楽性ですが/笑)として行こうかな、という気になっており、たまたま仕事も抜けられそうだったので行ってみました。

当日券は残少ということで整理券制になっており、整理券をもらっても必ずしも入れるとは限らない、という話でしたが、なんとか無事入ることができました。強風&雨の悪天候の中わざわざ来たのに、もし入れなかったらかなりやさぐれた気分になったことでしょう。

当日券の席は2階席の一番前。ここは通常関係者などの招待客向けに用意されることが多い席なので、招待客が来なかった分をバラしたんでしょうね。

そこまでしているだけあって、会場は満員。マイケルの根強い人気を感じさせます。

METALLICAやVAN HALENなど、平均年齢の高いオーディエンスに合わせたクラシックなBGMが止むと、ほぼ定刻通りにショウがスタート。

最新アルバムの楽曲で幕を開けるが、やはり浸透度がイマイチなのか、その後の盛り上がりを考えると、この時点での盛り上がりはさほどでもない。

しかし、ライブのオープニングを過去の名曲ではなく最新の曲にしているのは、「現役のバンド」であるという意思表示なのでしょう。

新作の曲でも、せめて「Horizon」のようなアップテンポの曲であれば、もう少し盛り上がったのではないかと思うのですが…。

そしてまずはSCORPIONSの「Lovedrive」から「Another Piece Of Meat」が登場。マイケルが参加したSCORPIONSのアルバム「LOVEDRIVE」からの選曲だ。

しかし、これは残念ながらドゥギー・ホワイトのヴォーカルでは厳しかった。ドゥギーといえば「可もなく不可もない、無難なシンガー」というイメージで、本日の印象も全体的にはそのイメージを逸脱しないものだったが、やはり若かりし日のクラウス・マイネ(Vo:SCORPIONS)のあの強烈なシャウトは再現できていなかった。

続いて初期M.S.G時代の曲が連発され、「Assault Attack」も盛り上がったが、やはり代表曲といえばこれ、の「Armed And Ready」から「Into The Arena」の流れで一気に場内のボルテージが上がる。私の周りで座って観ていた人もここで立ち上がりヘッドバンギングを始めた。

個人的には、お世辞にも上手いとは言えないオリジナル・シンガー、ゲイリー・バーデンの曲を、個性は薄いが、ちゃんと歌えるシンガーであるドゥギー・ホワイトの歌で聴けるのが今回の楽しみのひとつでしたね(グラハム・ボネット時代の曲についてはいささか迫力負けしていましたが…)。

曲によってやや得手不得手はあるようでしたが、全体的に見ればドゥギー・ホワイトはやはり無難に歌いこなしていたし、ステージ上を活発に動き回ってオーディエンスを煽り、フロントマンとして充分な働きをしていたと思います(ズングリした体型のせいであまりカッコいいとは思えませんでしたが…)。

フランシス・ブッフホルツは時折クネクネナヨナヨしたハード・ロッカーらしからぬ動きを見せつつも全体的にはおとなしく地味め。ただ、マイケルとの相性は悪くなさそうで、このバンドにおけるベーシストというのはこんな感じでいいのかも。

ドラムについては、前回のサイモン・フィリップスと比較するのは酷ですが、ハーマン・ラレベルのドラミングはいささか平坦な印象で、正直物足りない。短髪に赤いTシャツで、そこらのオッサンにしか見えないルックスがロートル感を醸し出しているあたりも含めて、今回唯一の不満点ですかね。まあ、気になるほどダメなわけではないのですが。

その後新曲を中心としたパートを経て、UFOの名曲を中心としたブロックで再びのハイライトを迎える。個人的にはやっぱり「Lights Out」が最高ですね。この曲を歌っているときに気づきましたが、ドゥギー・ホワイトのドラムの前の一段高くなっている所で大股開きで立ち、大げさな身振り手振り付で歌い上げるステージ・パフォーマンスはブルース・ディッキンソンを意識しているようですね。

そして終盤、個人的にはまさかの選曲であるSCORPIONSの「Blackout」と「Rock You Like A Hurricane」という二大代表曲がプレイされて大盛り上がり。

この2曲には全くマイケルは関わっていないのに何故、と思いつつ、まあ、フランシス・ブッフホルツとハーマン・ラレベルの存在が「免罪符」ということでしょうか(苦笑)。「Rock You Like A Hurricane」ではハーマンが客席との掛け合いを担当していました(ハーマンってなかなか良い声の持ち主ですね)。

本編のラストはUFOの「Rock Bottom」。やはりこの曲のソロ・パートは(特にギター弾きにとって)大きな見せ場になっており、それだけでひとつの楽曲のよう。

ここであらためて感じたのは、今回のマイケルは非常にのびのびとしているということ。ステージ・パフォーマンスも含めて余裕が感じられ、ソロも往年のライブ・アルバムで聴かれるような鬼気迫るテンションで迫る、というよりは、エモーションとコントロールされた構成力がバランス良く調和しており、安定感がある。

ひょっとすると、全盛期のような緊張感が減退した、と感じる人もいるかもしれないが、これは「円熟」と評価すべきなのではないですかね。少なくとも個人的には本日のマイケルのプレイは充分に満足のいくものでした。

アンコールは、SCORPIONSの「LOVEDRIVE」収録の名バラード「Holiday」(ドゥギーはさかんにこの曲をオーディエンスに歌わせようとしていたが、認知度がイマイチなのか残念ながらあまり大きな合唱にはならなかった…)と、定番の名曲「Doctor Doctor」で締め。

若いファンをつかめていないことがアリアリな年齢層の高いオーディエンスによる和やかな盛り上がりにロートル感が皆無だったとは言えませんが、何しろUFO、SCORPIONS、M.S.Gという人気バンド3つの代表曲が目白押しで、しかもマイケルのコンディションが良いとあって、期待以上に楽しめました。

そして、ここで聴いた曲のせいで、たまらなくSCORPIONSのライブが観たくなってしまいました(苦笑)。何とかもう一度来日してもらえませんかねえ…。



◆本日のセットリスト

01. Neptune Rising
02. Where the Wild Wind Blows
03. Lovedrive (SCORPIONS)
04. Another Piece of Meat (SCORPIONS)
05. Assault Attack (M.S.G)
06. Armed and Ready (M.S.G)
07. Into the Arena (M.S.G)
08. Attack of the Mad Axeman (M.S.G)
09. Rock My Nights Away (M.S.G)
10. Coast to Coast (SCORPIONS)
11. Before the Devil Knows You're Dead
12. Horizons
13. Lord of the Lost and Lonely
14. Only You Can Rock Me (UFO)
15. Shoot Shoot (UFO)
16. Let It Roll (UFO)
17. Lights Out (UFO)
18. Too Hot to Handle (UFO)
19. Blackout (SCORPIONS)
20. Rock You Like a Hurricane (SCORPIONS)
21. Rock Bottom (UFO)

アンコール--------------

22. Holiday (SCORPIONS)
23. Doctor Doctor (UFO)

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コメント

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 僕も東京公演ではありませんがシェンカーを観てきました。ここのところデスメタル系のライヴに行くことが多くてドゥギー・ホワイトみたいな正統派シンガーを擁する音楽をじかに聴くのは(ポール・マッカートニーはさすがにメタルではないので除外)年単位に久々のことで本当に新鮮でした。物凄いカリスマのあるタイプではないですけど、オリジナルのゲイリー・バーデンよりは確実に上手いし。
 現行の曲が特別悪いというわけではないのですが、まあはやり"Assault Attack"がかかってそこから M.S.G. 曲を連発されたときの盛り上がりは大阪公演でもすごかったですね。"Into The Arena"では思わず涙がでましたもの。
 特に事前情報をみておらず今回のヴォーカリストがドゥギー・ホワイトというのもチケット買ってから把握したくらいなので SCORPIONS の楽曲を演るのは完全に不意をつかれて"Rock You Like A Hurricane"の衝撃といったらなかったです。
 ハイライトはまあなんだかんだいって"Rock Bottom" ですね。ギターソロのすごさはもうスタジオ盤でも散々聴いて、直に見ても圧倒されるものでしたが、それと同じくらいリフとコーラスによる一体感もこれは生で観ると半端じゃないなあと確認させられました。
 あえて欲をいえば"On And On"と"Lost Horizons"を聴きたかったかなあと思わないでもないですが、不満らしい不満のでない、ベテランに相応しい公演でした。

缶すあ

こんにちは。
Michel Shenkerはこのところ毎回中野サンプラザですか。
いつも盛況のようですね!
私はまだ公演を観たことがないのですが、
ノームさんの「On And On」を聴きたかった」というコメントで
ずーっと探していた曲がMSGとわかりました!!
去年ふと頭をかけめぐり、むかあーし聴いた曲だけど誰のだっけ...いい曲だったんだよね....。
ともんもんとしていたのです!
ノームさん、adoreさん、ありがとうございました♪
(もう1曲あるのですが今フレーズを忘れていて...またチャンスはありそうですね!(笑))

感謝!

すみません、Subject名を「感謝」とうったつもりが「缶すあ」になってました(笑)

今回はマイケルはキレずにちゃんとお仕事をこなしたみたいですね
プロとして当たり前なのですが、良かったですw
新Voはドゥギー・ホワイトなんですね
あれ?ドゥギーはTANKのVoも務めてませんでしたっけ?
彼の歌声はレインボーや再結成マンティスの頃は
透明感と伸びが心地よくて好きでした
でも確かに個性って言われると、器用貧乏の感は否めないですねw

こんばんは、はじめまして。
マイケル・シェンカー見に行かれたのですね、羨ましい。
4年前のゲイリー復帰バージョンは見に行きました。

選曲も定番満載でいい感じですね。
欲を言えば、「On and On」「Sleeping Dogs」「Cry for the Nations」あたりが入っていると文句なしかな~

まとめてお返事

>ノームさん
やっぱり全体的には初期M.S.Gのファンの人が多かった印象ですね。
個人的にはSCORPIONSの方が好きなので、「Blackout」や「Rock You Like A Hurricane」は嬉しかったですし、おっしゃる通り「Rock Bottom」はハイライトでした。

キャリアに名曲が多いアーティストはどうしても「あの曲も聴きたかった」という声が出るのは仕方ないですね(笑)。


>KYさん
今でも思い出すあの曲は何て曲(誰の曲)だっけ…という状態、確かにありますね(笑)。
「缶すあ」はなかなか難易度の高いミスタイプ(ミスタッチ?)ですね(笑)。


>カメオさん
今のマイケルはとてもプロフェッショナルですね。
年を取って丸くなったということなのでしょうか。

ドゥギーは色々なバンドで歌っていますね。たしかにTANKの最新作でも歌っていました(バンドのイメージにはあまり合っていないような気がしますが…)。

確かな歌唱力があって、あまり好き嫌いの分かれなそうなシンガーですが、その分カリスマ性みたいなものに欠けるのは否めませんね。

そういう意味ではこういう「主役ではない」ステージで使いやすいシンガーなのかもしれません(笑)。


>かぴさん さん
ゲイリー復帰のライブは私も観に行きました。あれも良いライブでしたね。

選曲については、今回はSCORPIONSの曲を入れるためにM.S.Gの曲を削った感じですね。
M.S.Gが一番好き、という人にはちょっぴり物足りなかったかもしれません。

すごく盛り上がったようですね。
マイケルシェンカーだと、個人的には、マッコリー時代のSave yourself、This is my heart(だったと思います)、Destiny が大好きです。たぶん同意する人は少ないと思いますが。

>名も無きメタラーさん

私も「Save Yourself」や「Anytime」など、ロビン・マッコーリー時代の曲はかなり好きですし、マッコーリー時代の曲を求めるファンも一定数いるんじゃないですかね。
絶対数ではゲイリー・バーデン時代の方が好き、という人が多いんでしょうけど、意外と最近の若い人にはロビン・マッコーリー時代の方が聴きやすいんじゃないかなどと思っています。

マッコリー時代、良いですよね!過小評価されてるのが勿体無い。
"Destiny"はSTRATOVARIUSっぽい曲で好きです。

でもやっぱり、マイケルのリフに乗せるゲイリーの歌メロのセンスは凄いんですよね。私も「若い人」ですがゲイリー派です。

それにしてもスコピ、UFOが多いセトリですね。
スコピが終わる(予定?)のをいいことに、曲を乗っ取る戦略ですか?(笑)

>Mark.Nさん

「Destiny」は曲名もSTRATOVARIUSっぽいですね(笑)。
しかしやっぱり多数派である「ゲイリー派」ですか(笑)。

セットリストについては、なかなかUFOやSCORPIONSのライブを観る機会が少ないだけに、マイケルのバンドでそれが疑似体験できるとすれば、それはそれでニーズがあるのかもしれません。