ARMORY / THE DAWN OF ENLIGHTENMENT (2007)

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2001年にチャド・フィッシャー(G)とジョー・カーランド(G / Dr)を中心に、アメリカのマサチューセッツ州タウンゼント出身のメタル・バンドのファースト・フル・アルバム。

00年代にマサチューセッツというと、数多くのメタルコア・バンドを輩出し、「MAメタル」などという言葉が生まれるほどメタルコアが盛んな地だったが、このバンドがプレイしているのは、バンドのバイオグラフィーにある「ヨーロッパのメロディック・パワー・メタル、或いは80年代的な伝統的ヘヴィ・メタルに大きな影響を受け」「エピックかつエネルギッシュでメロディ主導のヘヴィ・メタル」という表現そのままの音である。

彼らの初音源となる本作は、3年間の年月をかけて作り上げられ、2回に渡ってデモがレコーディングされるが、メンバーはその仕上がりに納得がいかず、デモはお蔵入りしていた。

2005年にミックスとマスタリングにプロフェッショナルなスキルを持つピーター・ルッチョのもと、あらためてレコーディングされた「三度目の正直」音源が、2007年になってようやく世に出たわけである(なお、ピーター・ルッチョはKey奏者としてバンドに加入している)。

それだけ時間をかけて作られただけあって、本作はこの手の音楽の本場とは言い難いアメリカのインディー・バンドの自主制作盤としてはかなりレベルの高い作品に仕上がっている。

ドラマを予感させるイントロダクションの#1から、「イャーーーーーーーーーーーーー」というハイトーン・スクリームと共に高速の2バス・ドラムとKeyを絡めたリフがスタートした時点でガッツ・ポーズですね。

「ブルース・ディッキンソンの物真似をしているトビアス・サメット」みたいなVoも、あまり上手くはないが、このバンドが得意としている(と、私が勝手に評価している)勇壮な曲調にはマッチしていて悪くない。

疾走するスピード・メタルから、ギャロップ・ビートで勇壮に押していく曲、エモーショナルなバラードから13分に及ぶ大作まで、どの曲にもドラマティックなムードが漂い、この手の音楽に滅法弱い私のツボを突いてくる。これはこの手の音楽を心底愛していないと作れないサウンドですよ。

日本盤ボーナス・トラックはIRON MAIDENの「Flight Of Icarus」と、カプコンのゲームソフト「ロックマン2」(当地では「MEGA MAN2」)の楽曲で、当時日本でもMAD動画などで再評価されていた「Dr.Willy」のメタル・カヴァーで、この辺のセンスも心憎い。

ちょっと脱線しますが、Keyのピーター・ルッチョは彼のソロ・プロジェクトであるVOMITRONというバンドで、「ゼルダの伝説」「Ninja Gaiden」「悪魔城ドラキュラ」などの楽曲をカヴァーした「NO NES FOR THE WICKED」(2011)というアルバムを発表して一部でかなり話題になっていたりもします

当時は、今ではすっかり廃れてしまったMySpaceというSNSがとても流行っていて、そこでマイナーなバンドをチェックするのが一種のトレンドだったのですが、このバンドはそういう「埋もれた良バンド探し」の中で見つけたバンドで、当時このブログで記事にもしていました。

最近はそういう「マイナーな良バンド探し」なんてのはあまりにも効率が悪くてやらなくなってしまいましたが(玉石混交とはいいますが、あまりにも石ばかり…)、あれはあれで楽しかったですね。

IRON MAIDENがメロディック・パワー・メタルに接近したかのようなサウンドは、この手のバンドのファンであればぜひ一度聴いてもらいたい、B級ならではの魅力に満ちたサウンドです。【83点】

◆本作のプレビュー映像

なんか今一つ「おいしい所」を抽出できてないサンプラーのような気がする…。

◆本作収録「Dr.Willy」のカヴァー音源

なお、冒頭部とラストのゲームSEは当然ながらCDには収録されておりません(笑)。




おまけでVOMITRONのアルバムサンプラー映像も。私のようなファミコン世代にはたまらなく懐かしいです(笑)。




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