RONNIE JAMES DIO TRIBUTE – THIS IS YOUR LIFE

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2010年に亡くなったHR/HM界きっての名シンガー、ロニー・ジェイムズ・ディオの全キャリアに対して捧げられた話題のトリビュート・アルバム。

SCORPIONSやロブ・ハルフォード、グレン・ヒューズといったロニーとほぼ同世代と言ってもいいベテランから、コリィ・テイラー(SLIPKNOT / STONE SOUR)やKILLSWITCH ENGAGE、HALESTORMといった比較的若い世代のミュージシャンまで、幅広いミュージシャンが参加している。

個人的に、トリビュート・アルバムを評価する基準というのは3つほどあって、それは以下のようなものである。

1. 参加しているミュージシャンは豪華か
2. 選曲が良いか
3. ここでしか聴けない音源があるか

上記の基準に照らすと、本作は1と3が抜群に良い。その原動力は、何と言ってもMETALLICAによる「RONNIE JAMES DIO MEDLEY」だろう。本作が全米チャートで20位という、トリビュートものとしてはかなりの健闘を示したのは、この音源によるところ大であろう。

もっとも、METALLICAが1アーティストで「A Light In The Black」、「Tarot Woman」、「Stargazer」、「Kill The King」という名曲をメドレー形式で独り占めしてしまったがために、2が少し弱くなってしまったのではないかという感がある(笑)。

もちろん、カヴァー・センスに優れたMETALLICAゆえ、この1トラックのために買ってもMETALLCAファンは後悔しないであろうカッコよさではあるが、METALLICAよりもRAINBOWが好きな人間から言わせてもらうと、もうちょっとドラムはコージー・パウエルのフレーズを意識してほしかった(笑)。

それに、トリビュートといいつつ、結局はオムニバスである作品の常として、いずれはそれぞれのアーティストの日本盤ボーナス・トラックや、ベスト盤などのコンピレーションに使用されて「このアルバム以外でも聴ける音源」になってしまう可能性は小さくない(そもそもここで聴ける音源の中にも、既発のものは多い)。

そして、このデジタル・ダウンロード全盛のご時世では、「曲のバラ買い」が当たり前であり、きっとMETALLICAの#13とか、ロブ・ハルフォードが旧DIOのメンバーをバックに歌う#12「Man Of The Silver Mountain」、グレン・ヒューズがこれまたロブとは異なる元DIOメンバーをバックに歌う「Catch The Rainbow」など、レア度の高そうな曲だけ購入する、ということも当たり前のように行なわれているのだろう。

かつて90年代の後半から00年代の初頭くらいまで、一種の「トリビュート・アルバム・ブーム」のようなものがあって、様々なアーティストのトリビュート盤が乱発された時期があったが、こういうバラ買いが容易な時代になると、こういう企画はなかなか難しいのではないか。

個人的には、そういうトリビュート・アルバムを通じて、トリビュートされる大御所の魅力を知ったり、逆にトリビュートする側のバンドで良いバンドを発見することができたりと、割とトリビュートものは好きだったのですが。

本作についていうと、RAINBOW時代なら「Gate Of Babylon」、BLACK SABBATH時代なら「Die Young」、DIO時代なら「We Rock」という、個人的にロニー・ジェイムズ・ディオのレパートリーの中でもトップクラスに好きな楽曲が収録されていないのがやや不満だが、まあ長いキャリアのあるアーティストから万人の納得するベスト選曲をするなどというのはどだい無理な話だし、そもそもロニー本人よりうまくやれる人なんているはずがないのだから、その辺のことをあまりうるさく言うのは野暮というものだろう。

実際、どのトラックも悪くない仕上がりで楽しめるのだが、こと「うた」に関してロニー・ジェイムズ・ディオを超えているものはほぼ皆無で、強いて言うならSCORPIONSがプレイする#7「Temple Of The King」が、クラウス・マイネ(Vo)の美声によってロニーのオリジナル・バージョンとは異なる輝きを放っているくらいか。

いや、グレン・ヒューズもすごく上手いんだけど、やはり曲調にマッチしているのはロニーの歌声なんですよね。

本作でちょっと謎なのは、最後にDIOの「This Is Your Life」という、アルバム・タイトルにもなっているマイナーなバラードが収められていること。何故本人の音源をトリビュート・アルバムに収録する必要があったのか、その辺の企画意図の説明を聞いてみたいですね。

DIOには珍しいピアノだけの伴奏による静かなバラードなので、感傷的なムードを作れると思ったのでしょうか。

もっとも、日本盤にはその後2曲、STRYPERによる「Heaven And Hell」と、ティム“リッパー”オーウェンズ(元JUDAS PRIEST, ICED EARTH)をフィーチュアしたDIOのトリビュート・バンド、DIO DISCIPLESによる「Stand Up And Shout」が収録されているので、感傷もへったくれもありませんが(笑)。

とりあえず、クラシック・ロックに強い「RHINO」レーベル編集ならではの、充実したコンピレーションだと思います。DIOのベスト・アルバムも「RHINO」編集のものが一番選曲が良いですしね。

ジャケットのアートワークは、何と言うか微妙にチープと言うか、単純にちょっとイラストレーターさんの絵が下手なのでは…(苦笑)。いや、それぞれのミュージシャンの顔は誰だかわかる程度に似てるんですけどね…。

◆本アルバムのスポットCM映像



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コメント

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カバーっていうのがあまり好きではないのですが、このアルバムは割と長く楽しめそうな気がします。やっぱりメンツが豪華なのが効いてるんでしょうか。とくにTemple Of The Kingは「SCORPIONSの曲」と言われれば信じてしまいそうなほど。70年代のジャーマンHR臭がします(笑)

でも個人的には、選曲は微妙だったもののヨルンの「ディオ〜唱聖に捧ぐ」のほうが燃えるものがありましたね。

ジャケデザインは結構気に入ってます。
映画のポスターとかもそうですが「なんか違う」んですよね、顔が(笑)

>Mark.Nさん

SCORPIONSはハマってましたね。たしかに初期の彼らのオリジナルのようにも聞こえます。

ヨルンのアルバムは選曲が渋かったので聴いてないんですよね。もちろんヨルンが歌うのであればアツい仕上がりになることは予想がつきますが。

アートワークは「マジ」なのか「ユーモア」なのかが今一つわかりません…(苦笑)。

メタリカ、別にメドレーじゃなくて、キルザキングだけで良かったと思うんですけどね。
思うに、ディオってあまり良い曲がありませんよね。
僕の中では、パッとしないバンドです。
ロックンロールチルドレンと、ブレスレスが大好きですけどね。

>通りたがりさん

DIOは、まあロニーの歌唱力に見合うだけの曲は少なかったかもしれませんね。
とはいえ最初の3枚は優れたHR/HMアルバムだと思いますし、名曲と呼べる曲もいくつかあると思います。
捨て曲なし、のバンドではありませんでしたが…(苦笑)。

管理人さんと趣味が同じなのを改めて認識しました(笑)
それぞれの代表曲3曲、まったく同じです(≧▽≦)

話題とは全く関係ないが
EPICAの新譜がBURRN!の言うとおりとても良かったということを
今ここで報告させていただく。
一皮むけた感じだ。


ムラムラしてやった。今は反省している。


>メガネコアラさん

さすが長い読者だけありますね(笑)。
いつもありがとうございます。


>ヘヴィメタルスライムさん

EPICAの新作、私も買いました。
まだ聴き込めていませんが、最高傑作であることは間違いないですね。
ちょっとこれまでは痒い所に手が届かない感じがあったので…(苦笑)。

記事とは関係ありませんが、Edguy新譜のレビューがあがっていません。

>fantaさん

自宅のPCでも会社のPCでも見れますが、おかしいですね。

F5を押してページを再読み込みしていただくか、最悪ブラウザのキャッシュをクリアしていただければご覧いただけるのではないかと思います。

僕もメガネコアラさんと同じくadoreさんの挙げてる3曲全てとっても大好きです(笑)「We Rock」はロニーの熱唱もですが、ヴィ二ーのドラムもめっちゃカッコイイですよね。
「Die Young」はMachine Headがカバーする予定だったけど、ボートラにまわされると知ったロブ・フリンが怒って収録を見送った・・・みたいな話を英語のニュースで読んだ気がします・・・たしか(笑)Primal Fearの『Devil's Ground』にボートラでカバーされてましたね。これもカッコイイ仕上がりです。

僕はSyuの『Stand Proud!』で「The Spirit Carries On」を知ってオリジナルが収録されてる『Metropolis Pt.2~』を聴いてDream Theater半端ないって感動しました。NOVさんの歌うSymphony Xもカッコよくてオリジナル聴きましたが音がスカスカでずっこけました(笑)でも何回も聴いて好きになりました。
小野さんの「Stand Proud!」はトップガンのサントラを買うきっかけをくれたのが一番の収穫です(笑)「Fool For Your Loving」もオリジナル聴くきっかけをくれました。

>B!13さん

MACHINE HEADの「Die Young」は、中間部のメロウなパートにちょっと不安がありますね(笑)。

SYMPHONY Xの2ndは、たしかに当時ですらスカスカのサウンドに聴こえたので、今の若い人には厳しいかもしれませんね。曲は素晴らしいのですが。

『TOP GUN』のサントラはメロディアス・ハードが好きな人にとっては避けて通れぬ名曲の宝庫です。映画自体は内容が薄くてちょっとアレですが(笑)。

私はDie Young 1曲あるだけでサバス好きを公言しているので、やはりここは入れてほしかったです!

まだ聴いていないので楽しみです!

これは買う気はなかったんですが、SCORPIONSを試聴して即レジでしたね。METALLICAもかっこよかった。そういえば、ロニーがインギーと一緒にやった「Dream On」のカバーは秀抜でした。オリジナルがすごすぎて、変えようがないと思われる曲も演奏する人が違うとこんだけ違うんだぞというような人間力の名カバーでした。

>0427さん

「Die Young」はBLACK SABBATHの曲としてはどちらかというと異色の曲のような気がしますが、単純に良い曲だからハマるバンドにやってほしかったですね。

とはいえ、今のままでも充分楽しめるトリビュート盤だと思います。

>大介山さん

普通に上手いだけのバンドがカヴァーしても「オリジナルには及ばないなー」で終わってしまいがちですが、SCORPIONSやMETALLICA、イングヴェイといった圧倒的な個性の持ち主であれば、どんな曲をプレイしても自分たちの色に染めて独自のカッコよさを出してしまいますね。