WARDRUM / MESSENGER

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現OZZY OSBOURNEのギタリストとしても知られるガス・G率いるFIREWINDと同じギリシャ第二の都市テッサロニキ出身の4人組のサード・アルバムにして日本デビュー作。

ドラマーのステルギオス・クールーを中心に(ドラマーが中心だからこんなバンド名なのかしらん?)このバンドが活動を開始したのは2010年ごろのようだが、それ以前からステルギオスはこのバンドのギタリストであるコスタ・ヴレトおよびベーシストのコスタス・スカンダリスと一緒にHORIZON’S ENDなるバンドで活動しており、1998年と2001年にアルバムを発表していたというから、それなりにキャリアはあるメンバーたちと思われる。

2011年に、ウリ・ジョン・ロートのテッサロニキ公演でゲスト・シンガーを務めたイタリア人ヴォーカリスト、ピエロ・レポラーレをVoに迎えてデビュー・アルバム「SPADWORK」を発表した。

しかし、イタリア在住のヴォーカリストとの活動はやはり難しかったようで、ほどなくシンガーをUNTIL RAINやCROSSWINDといったバンドで活動していたヤニス・パパドプロスに交代し、2012年にセカンド・アルバム「DESOLATION」をリリース。

その後、2013年9月にドイツの『Red Lion Music』とマネージメント契約を結び、日本の『SPIRITUAL BEAST』と契約してリリースしたのが本作である。

前身であったプログレッシヴ・メタル・バンドのHORIZON’S ENDとヴォーカリスト以外のメンバーは共通しているが、バンドをWARDRUMとしてリニューアルする際に、「より古典的なヘヴィ・メタルを追求する」ことを目的にしていたというが、ここで聴かれる音楽はまさにその言葉どおり、古典的な正統派ヘヴィ・メタルである。

DIOの「We Rock」を思わせるギター・リフで始まるオープニング・トラックの「Shelter」でツカミはOK。

その後もソリッドなギター・リフを主軸にした正統的なHR/HMチューンが並び、全体的な印象としては「マイク・ヴェセーラ(元LOUDNESS, YNGWIE MALMSTEEN, ANIMETAL USA)もしくはユーリ・サンソン(HIBRIA)が歌うFIREWIND」という感じ。

メロディに北欧やドイツのバンドとは異なる独特の哀愁があり、これはひょっとすると「ギリシャっぽさ」なのかもしれない。

楽曲自体は比較的コンパクトながら、時折前身となったHORIZON’S ENDがプログレッシヴ・メタルだったと言われて納得の、それっぽい雰囲気が漂うパートが出てくるのもこのバンドの特徴なのだろう。

テクニカルなギター・ソロが曲中の大きな聴き所となっており、そのあたりも同じギリシャのFIREWINDに通じるが、このバンドのギタリストのコスタ・ヴレトは、HR/HM系のギタリストにしては珍しい、ピックを使用しない「指弾き」スタイルでこれだけのテクニカルで構築美溢れるフレーズを弾きこなしているというのは驚き。

個人的にはもうちょっと歌メロがキャッチーな方が好みだし、この音楽性ならKeyなども入れてもう少しゴージャスにしてくれた方が琴線に触れるのだが、こういうギター・オリエンテッドで硬派なスタイルにこそ魅力を見出す人も多いに違いない。

いずれにせよ、正統的なHR/HMのファンにとってはFIREWINDに続く、ギリシャからの強力なニュー・カマーであることは間違いなく、これまで以上に同国のシーンに対する注目度を上げる存在となることだろう。【83点】

◆本作収録「Travel Far Away」のPV


◆本作収録「After Forever」のリリック・ビデオ




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コメント

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>>「この音楽性ならKeyなども入れてもう少しゴージャスにしてくれた方が琴線に触れるのだが、こういうギター・オリエンテッドで硬派なスタイルにこそ魅力を見出す人も多いに違いない。」

これには同意です!
Dream Evilの様なサウンドも好きなので。

非常にいいアーティストを教えていただきました。
ありがとうございます

非常に気になりますね。ギタリストは第二のガスGですかね。指弾きとは凄いです。

まとめてお返事

>Loki Holstさん
今でも充分に魅力的なバンドですが、もっと良くなりそうなポテンシャルを感じられるのがいいですね。


>エメッソンさん
どういたしまして。
BURRN!の藤木氏の「今月のおすすめ」の賜物です(笑)。


>しんさん
技術的にはガスGに匹敵するかもしれませんね。
ルックスがやや地味ですが…(苦笑)。