PRIMAL FEAR 来日公演 at TSUTAYA O-EAST 2014/6/3

140603primalfear.jpg

ドイツの誇るメタル・マイスター集団、PRIMAL FEARの来日公演を観に行ってきました。場所はSHIBUYA O-EAST改め、TSUTAYA O-EAST。語呂は同じですが何か妙な感じ。

今日は運よく比較的仕事が抜け出しやすい状況だったのですが、とはいえ会場の到着は開演ギリギリがやっと。フロアに入って、「この辺りで観よう」とポジションを定めたあたりにちょうど会場が暗転。

イントロの音楽に乗ってドラム・キットにランディ・ブラックが現れてリズムを刻み始め、さらに上手にアレックス・バイロット(G)が出てきて場内が盛り上がるが、なぜか途中でストップ。

二人でちょっとやり取りをしつつ、お互い顔を見合わせて、しばらく変な間ができるという、いきなりのトラブル(?)。

しかし気を取り直し、セカンドアルバム「JAWS OF DEATH」収録の「Final Embrace」でショウがスタート。

メンバーみんなゴツい。けっして標準より小さくない、むしろ平均的な日本人より全然大きいはずのアレックス・バイロットが華奢に見えるほどみんな背も高く、体格もいい。

ラルフ・シーパースのマッチョぶりは、もはやバトルものの少年漫画に登場しそうな勢いだし、音楽的中心人物であるはずのマット・シナーは長い豊かな金髪と、クラシックな衣装、そして恰幅のよい体型が、さながら往年のドイツ帝国貴族とはこんな感じの人だったのではないかと思わせる風格に満ちていました。

今回の来日公演に関する唯一の不満は、ギターの片割れが正式メンバーであるマグナス・カールソンではなく、サポート・メンバーである(しかしこのバンドのオリジナル・メンバーでもあるのですが)トム・ナウマンであることでした。

マグナス・カールソンは家族との生活を大切にしたいタイプらしく、長期のツアーはやりたくないとのことで、この新作「DELIVERING THE BLACK」のツアーには不参加だそう。むしろLOUD PARKとか、ツアーの時期と外した単発のギグだったら来てくれたのかなあ…などと好きなギタリストだけに未練が。

とはいえトム・ナウマンも短髪の肉体労働者風なメタル・ギタリストらしからぬ風体ながら、サウスポーでエネルギッシュに動き回り、やや線の細い印象のアレックス・バイロットとのコントラストは悪くない感じ。

トム・ナウマンも時々ソロをとるものの、チョーキングと手癖の速弾きのようなプレイのみで、ソロらしいソロは全てアレックスがプレイ。何となく死語っぽいが、リード・ギターとリズム・ギターの分業がなされている印象でした。

新作の曲を多めにプレイしつつ、過去の人気曲も適度に織り交ぜたセットリストといい、安定感のある演奏、堂々たるステージ・パフォーマンス、オーディエンスとのコミュニケーションの取り方まで、まさにベテランらしい「プロの仕事」を感じるライブ、というのが全体の感想でした。

ラルフの歌唱は非の打ち所が見当たらない一方、ちょっと声をセーブしているかな、という印象もなきにしもありませんでしたが、まあこのスタイルで常に全力投球していたら喉を傷めるか頭の血管が切れてしまいそうなので(ハイトーンの際、スキンヘッドに血管が思いっきり浮き上がっているのが遠目にもわかった)、長期のツアーを行なう上ではやむを得ない所でしょう。

男性が9割以上を占めたであろうオーディエンスの反応もかなりアツく(スーツを着た私のようなサラリーマン風の人が少ないのが意外でした。みんな休みをとっているのでしょうか?)、終始盛り上がっていましたが、「Nuclear Fire」や「Angel In Black」のようなスピード・ナンバーがやはり一番反応が良かったような気がしましたね。

「Fighting The Darkness」みたいなドラマティックな曲も素晴らしく、本日のハイライトのひとつだったといっても過言ではありませんが、個人的にはこういう哀愁系の曲はあまりラルフの歌声と相性はよくないと思っています。

そういう意味で、「Back From Hell」や「Rollercoaster」、「Evil Spell」あたりをやってほしかったなー、という微妙な選曲上の不満はありますが、かと言って積極的に外してほしいという曲はなかったあたり、やはり満足度の高いライブではありました。

セットリスト中に、ランディ・ブラックのドラム・ソロだけが設けられていましたが、この人もまた匠と呼ぶに相応しいドラマーですね。彼のタメの効いたパワフルなドラミングがあってこそ、このバンドはこれだけの高性能ヘヴィ・メタル・マシーンであり続けることができるのでしょう。

また、ショウの途中にラルフが唱歌の「朧月夜」(日本語はちょっと怪しかったですが)を一人で歌い上げたのは、祖国の大先輩、SCORPIONSの「荒城の月」を意識したのでしょうか? どうやら前回2006年の来日時にも歌っていたようですが…。

最後にとんでもないハイトーン・スクリームを要求される(苦笑)オーディエンスとのコール・アンド・レスポンスなども含めて、バンドとの間に親密さを感じることができる、良質なピュア・メタル・ショウだったと思います。

最近は来日ラッシュなので、なかなか取捨選択が難しいと思いますが、正統的なヘヴィ・メタルが好きなら、今回の来日公演を見逃す手はないと思いますよ!

なお、本日のPRIMAL FEARのライブを楽しんだ方は、入口のフライヤーでACCEPTの来日公演が11月に行なわれることを知ったと思いますが、PRIMAL FEARが楽しめる人であれば、ACCEPTのライブはマストです。今からスケジュール帳にメモしておきましょう(東京音協の回し者ではありません)。

てか、かつて倒産したザック・コーポレーションでメタル・バンドの招聘を担当していた人、東京音協に再就職したんですね、きっと。


◆本日のセットリスト
01. Final Embrace
02. Alive & On Fire
03. Delivering the Black
04. Nuclear Fire
05. Seven Seals
06. One Night in December
07. Angel in Black
08. When Death Comes Knocking
09. Chainbreaker
10. Fighting the Darkness
11. Bad Guys Wear Black
12. Metal Is Forever
Encore:
13. Unbreakable Pt. 2
14. Battalions of Hate
15. Running in the Dust

スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

私もすごくいいライブだったと思います。
ややコンパクトだけど、中身が濃いというか。
Mat Sinnerが好きなんですけど、昨日は堪能できました♪
やっぱりブロンド長髪はステージ上で映えますね。

11月のAcceptも楽しみです♪

最高のライブでしたね。確かにマグナスカールソンはみたかったです。サポートであんなに余裕で弾いてしまうあたりやはりプロですね。アクセプト楽しみです。六本木の新しいライブ会場ですね。

私は名古屋公演に参戦しました。
客の入りはちょい寂しかったですが、素晴らしいライブでした。
マグナスが来日しないという情報をキャッチしていなかったので、
短髪サウスポーのギタリストを見たときは軽くショックでした。
マグナス、観たかった...。

見たかった(T-T)

まとめてお返事

>ririxさん
マット・シナー、存在感ありましたねー。
ドイツ人があの年齢であのブロンドは、思わず「本物」かどうか疑いたくなりますね(笑)。

たしかにショウ自体はややコンパクトでしたが、ラルフの喉を考えるとあれくらいの尺が限界なのではないでしょうか。


>しんさん
マグナス・カールソン、観たかったですね。トム・ナウマンも悪くはありませんでしたが。
ACCEPTは前回、前々回(LOUD PARKですが)が素晴らしかったので超期待しています。


>COTSUさん
名古屋の客入りは寂しかったですか…。残念ですが、名古屋はどのバンドも集客に苦労するみたいですからね…。

マグナスの不参加を知らずに行ったとしたら、それはショックだったでしょうね(笑…って、笑いごとではなかったかもしれませんが…)。


>Zeppさん
お気の毒です…。「ザ・メタル」な良いライブでした。
とはいえやっぱり地方から出てくるには1バンドというのはちょっと弱いですよね…。

私もマグナスを見たかったですが、 トム・ナウマンは、PRIMALFEAR中期の重要人物だったのではないかと思います。 ハードなギターリフは彼が作ったのではないでしょうか? 脱退した理由はわかりませんが、セブンシールズあたりで 意見が分裂したのではないかと思います。

ラルフは北斗の拳&マッドマックス的でかっこいいですね!

私はNEW RELIGIONからPFを聴き始めたので、初期PFやガンマのころとは違う哀愁系の曲も気に入っております。新譜もWhen Death Comes Knockingが良かったですね。

それにしても仕事帰りにフラっとライブに行けるっていいですね(笑)

PF

このバンドはラルフがGAMMA RAYを脱退した時から応援し続けているけど、良いライヴでしたね(何度も見てるけど)。

ちなみに、後ろの方にいたのでスーツ姿の「それ」っぽい人を見かけて(あの中でスーツは目立つ)、「あとで声かけてみようかな…」と思ったけど、人ごみかき分けるのも面倒だし、お互いを尊重する意味でもやめておきました。
だってこっちの正体も明かされることになっちゃうじゃないですか(笑)。

俺も私服でしたよ。某大手ゲーム会社勤務で事務。
正社員だけど、営業がない限り私服OKです。

僕も行ってきました♪
右のスキンヘッドの人の横あたりです(笑)

ラルフのマッチョぶりとマット・シナーの高貴ぶりに惚れました!
最新作と前作のオープニング曲をどっちも演奏してくれなかったのは残念ですが…
それでも凄く良いライブでした(≧▽≦)

11月のACCEPTもメッタルハー!って唄いに行こうかな(^ω^)

お忙しいとお見受けしますが、即ライブレポを挙げられるバイタリティに感服いたします。

私は行けなかったのですが、かなり良いライブだったようでかなり後悔。
ラルフの青筋は生で見たかったです(笑)

個人的に、EXシアターは完成まで仕事で関わっていたのですが意外なことにメタルのライブに使われてて嬉しいです。

まとめてお返事2

>1777zさん
たしかにトム・ナウマンはPRIMAL FEARというバンドの基礎を築いた重要人物ですね。
おっしゃる通り、「SEVEN SEALS」あたりからバンドはよりメロディ志向の強いソング・オリエンテッドな方向性に舵を切ったので、トム・ナウマンは合わなくなったのかもしれません。


>Mark.Nさん
「北斗の拳」は私も連想しましたが、先日思いのほか若い読者さんもいることを認識したので書くのは自重しました(笑)。
たしかに「マッドマックス」にも出てきそうですね(笑)。

哀愁系の曲も、もちろん完成度は非の打ちどころがないと思っています。

仕事帰りにフラッと寄れるのは、都心で働き、都心に住んでいる人間の強みですね。


>ストラディキャスターさん
スーツ姿は確かに少なかったですが、さすがに私一人ではなかったような(笑)。
正体を明かすのはまずいんですか?(笑)

大手ゲーム会社というと今はもうだいぶ限られますね。K社なんかはもうゲーム会社という感じじゃないですし、あとはBNG社とかSS社とかSE社とかC社とか、その辺でしょうか?

いずれにせよ私の会社がお世話になってます(笑)。


>メガネコアラさん
割と近くにいらっしゃったんですね(笑)。
ラルフとマットの存在感はやはり際立っていましたね。
名曲が多いので100%満足する選曲は難しいでしょうが、良いライブでしたよね。

ACCEPTは必見だと思いますよ~。


>METARU DAISUKIさん
すぐ書かないとステージで何があったか忘れてしまうのです(笑)。
こういうのは感動のほとぼりが冷めないうちに書くのが一番いいと思ってます。

ラルフの青筋を見ると、やっぱりハイトーン・スクリームってパワーがいるんだなぁ、と実感させられますね(笑)。

EXシアター、LOUDNESSもライブやりますし、結構メタル系にも使われそうですよね。完成に関わったということは、竹中工務店にお勤めですか?(笑) それとも発注者であるテレ朝さん?

四捨五入すると五十になるオヤジは、いつも最後列。開演間際には「あまり背の高くないスーツの人」が急いで入ってこないかチラ見してますが、今回も発見できず(笑)。今回は行けてよかったですね。

正直PFの曲はドンピシャ!という訳ではないですが、ラルフの巧みなフロントマンぶり、盛り上げ係?な二人のギター小僧、前に出すぎないけど存在感抜群のリーダー、ついつい凝視してしまうドラマー、曲間のつなぎ、ライティングのバリエーションなど、ショーとしては最高のデキと感じました。

ラルフのボーカルのエフェクト(同期音源?)がかなり顕著で、はじめは違和感がありましたが、そのうち慣れました。
昨今のベテランハイトーンボーカリストがライブでは残念な状態を見ていると、喉の寿命を延ばすためのこのような対応は現実的な選択だな、と思います。

この声があるなら!
サブプロジェクトでJPのカバーバンドでもやってくれないかなーー。
それかJPのライブにゲストボーカルとして帯同するとか。

>Metal88さん

最後列のちょっと前にいたんですけどね(笑)。

さすが四捨五入すると50になる大先輩、的確な分析・感想ですね。私も非常にプロフェッショナルなショウだと思いました。

ラルフの声については、ショウの長さやアレンジ、エフェクトの使い方なども含めて、かなりケアされている印象でしたね。その辺まで含めてプロだと思いました。

PRIMAL FEARは以前JPの「METAL GOD」を演っていたけど、いつの日か「PAINKILLER」を演ってくれないかな。
ともあれ、6/3渋谷最高でしたね!METAL IS FOREVER!
*追加公演ないかなぁ?

>DIESEL-RYU さん

彼らももうかなりのいい歳なので、今からの「Painkiller」は期待薄なのではないでしょうか。
でも、JPのカヴァーは絶対にハマるし、今の本家よりカッコよくやれるのではないかという気もするので、ぜひやってもらいたいですね。

今からの追加公演はさすがにないでしょうが、別にLOUD PARKでもう一回来てもいいんやで、とは私も思ってます(笑)。