TIMO TOLKKI’S AVALON / ANGELS OF APOCALYPSE

timotolkkisavalon02.jpg

前作がティモ・トルキにとって久々となる成功を収め、勢いに乗って制作されたメタル・オペラ・プロジェクトの第2弾。

前作は3部作の最終章ということで、売れなかった場合はそのまま文字通り最終章となっていたのでしょうが、成功によって予定通り3部作として(あるいはそれ以上?)制作できそうということでモチベーションが上がったのか、この手のプロジェクトはライブをやることが困難であるためにアルバム作りしかやることがなかったというだけのことか、前作から約1年というかなり短いインターバルでリリースされた。

前作ではロブ・ロック(IMPELLITTERI)とエリーセ(AMARANTHE)がメイン・シンガー的な扱いだったが、本作ではファビオ・リオーネ(RHAPSODY OF FIRE)とフロール・ヤンセン(元AFTER FOREVER、現NIGHTWISH)がその任を担っている。RHAPSODY OF FIREにNIGHTWISHという、シンフォニック・メタルというジャンルを代表するバンドのシンガーを起用するとは、なかなかに豪華である。

そしてその二人にとどまらず、エピック・メタルというジャンルの元祖的な存在のひとつであるVIRGIN STEELEのデイヴィッド・ディフェイス、ドラマティックなメタルの代表格であるSAVATAGEの元シンガーだったザック・スティーヴンス(現CIRCLE II CIRCLE)、先日充実したアルバムをリリースし、NIGHTWISH、WITHIN TEMPTATIONに次ぐ女性Voメタル・バンドとしての地位を固めたEPICAのシモーネ・シモンズなど、期待感のあるゲスト・シンガーが参加している。

さらに、STRATOVARIUSのオリジナル・メンバーであるトゥオモ・ラッシーラ(Dr)と、日本デビュー時のメンバーだったアンティ・イコネン(Key)の参加も、STRATOVARIUSのオールド・ファンの関心を引くかもしれない。

音楽的には基本的には前作を継承する、STRATOVARIUSの音楽をややシンフォニックに味付けしたようなメロディック・メタルで、シンガーの資質もあってか、よりシンフォニック・メタル然とした印象を受ける。

ファビオ・リオーネによるアカペラの小曲でスタートするなど、この手の作品にありがちなマンネリ感が出ないように心を配ったと思われるアレンジや工夫がアルバムの各所に感じられるのは好印象。

ただ、そのアカペラの小曲に続くオープニング・ナンバーが、ファビオ・リオーネの伸びやかな歌唱を全く生かしていない、ティモ・トルキがプロデュースしてきたVISION DIVINEに通じるいささか退屈な楽曲であり、アルバムのツカミが悪いのは減点材料。

そして、デイヴィッド・ディフェイスをフィーチュアした#4「Rise Of The 4th Reich」は、楽曲としてはティモ・トルキらしい曲なのだが、残念ながら全くデイヴィッドの歌唱に向いておらず、『BURRN!』誌で「笑っちゃうほど酷い」とまで言われてしまう、楽曲にとってもデイヴィッドにとっても残念な事態に。

一方、ザック・スティーヴンスをフィーチュアした#8『Neon Sirens』は、ザックの個性を生かそうと、SAVATAGEを思わせる無骨なヘヴィさを打ち出しているが、残念ながらティモにこういう曲にスケール感を与える才能はなく、メロディック・メタル・ファンにとってはやや退屈な曲になってしまっている。

あと、ぶっちゃけトゥオモ・ラッシーラのドラムは前作に参加したアレックス・ホルツヴァース(RHAPSODY OF FIRE)に比べてパワー、テクニックの両面で相当に見劣りし、サウンド全体の迫力が前作よりショボくなってしまっているのも、この手のジャンルの音楽においては結構なマイナスポイント。やはりかつてこの人を切ってヨルグ・マイケルを迎えたことがSTRATOVARIUSの成功にとって相当デカかったと思う。

ファースト・シングルになった#3「Design The Century」などはなかなか良曲で、こうした曲を聴くと、やはりティモ・トルキという人はこういうメタル・オペラのような壮大な作風よりも、もっとコンパクトでキャッチーなメロディック・メタルの方が向いているように思えるのだが…。

『BURRN!』誌が言うように「全ての面において前作を下回ってしまっている」とは思わないが、トータルで見るとたしかに前作の方がメロディック・メタルとして締まっていたかな。シンフォニック・メタルとしては本作の方がこなれているとも思うけど。【81点】

◆本作の先行シングル「Design The Century」のPV




スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

往年のファンの方が見限るほどクオリティは低くは無いと思いますが、あまり印象に残る楽曲がありませんね。
個人的にはアルバムジャケットは今年見たアルバムジャケットの中では最高の物だと思います。

#4を聴いているとブレイズ・ベイリー在籍時のIRON MAIDENを聴いているような、何とも言えない気持ちになりました(笑)。

>名も無きメタラーさん

たしかにジャケットはこの手のファンタジー系アートワークが好きな人にはなかなかそそるイラストですね。

ブレイズ・ベイリーのIRON MAIDEN、たしかにアレに通じる残念感がありますね、4曲目(笑)。

僕はあまりティモ・トルキの書くメロディとあまり相性が良くないので、ストラトはじめ手を出していませんが、今回のプロジェクトは好きなシンガーが多く参加してるので買おうか結構悩んでます。

ただ、ここにいらっしゃるストラトからのファンのかたの反応を見るとどうなんだろうって感じてしまいますが…w

>ゴエたさん

ストラトファンに不評ということは、ティモ・トルキの書くメロディと相性の良くない方には逆に楽しめるのではないでしょうか?(笑)。