LOUD PARK 14 二日目の感想

LOUD PARK 14二日目もさいたまスーパーアリーナ付近は快晴。野外フェスではないので晴れてても別段いいことがあるわけではありませんが、雨が降ると傘を持って行かなくてはならず鬱陶しいですから、晴れてくれるのはいいことですね。

昨日同様、開演ちょっと前に着いたわけですが、昨日と異なり本日は行列はなく、すんなり入場することができました。

すると案の定、人が少ない。昨日の同時間帯の半分以下? まあ本日の序盤のラインナップがやや地味というか微妙だったので、時間と共に増えては行きましたが、昨日のレベルには達しませんでした。

指定席に着くと、昨日のDJ BOO氏ではなく、おなじみサッシャ氏がMCをしている。多くの人がこのイベントのMCなんて誰でもいい、もしくは特にMCとかいらないんじゃね? と思っていると思いますが(?)、少なくとも個人的にはサッシャ氏のほうがしっくり来ますね。

ARION

今年の5月にLOUD & METAL ATTACK 2014で観たバンド。その後日本デビューも果たし、BURRN!誌のレビューではまずまずの高得点を獲得していた。

ただ、私が観たときの印象は「イモ臭い…」であって、あまりパッとしたものではない。

とはいえまだメンバーはかなり若いようなので、その後急成長を遂げている可能性もある、と期待し、ライブを見守ることにしました。

しかし、ショウがスタートし、ヴォーカルがステージ袖から飛び出してくるなりベーシストに衝突しそうになっている時点でステージ慣れしていないことがアリアリ。

そして前回観たときもその一昔前のボーイズ・アイドルみたいなルックスのヴォーカリストのダサ過ぎる服装とパフォーマンスが最大の減点ポイントになっていたのですが、それは一向に改善されておらず…。

特にヘッドバンギングに全く腰が入っておらず、下を向いてイヤイヤしているようにしか見えないのはメタル・バンドのフロントマンとしては致命的ではないでしょうか(?)。

まあ、歌はそんなに下手じゃないし、ほんのりハスキーがかった声質にもそれなりに魅力はあるんですけどね。

演奏は年齢に対してかなり上手な部類だと思いますが、まだまだ余裕のパフォーマンスには程遠く…。曲の並べ方などショウ運びもイマイチで、こんなにレベル低いバンドがLOUD PARKに出演したのは初めてなのではないでしょうか?

まあ、まだ若いし、メロディ・センスには光るものがあるので、この経験を糧に飛躍してもらいたいですね。

と、かなり辛辣なことを書いてしまいましたが、少ないとはいえ、オーディエンスは彼らを温かく迎えていました。


PERIPHERY

アメリカ合衆国メリーランド州出身、トリプル・ギター編成による6人組。

MESHUGGAHに影響を受けた「ジェント」などと呼ばれるジャンルのエクストリーム系プログレッシヴ・メタル・バンドとしてその筋では非常に評価が高く、一昨年発表されたセカンド・アルバムは全米44位にランクインしている。

ネット上で話題になっているのを観て、YouTubeでMVを1本見たことがある、と言う程度の貧弱な予習で臨みましたが、これがなかなか良い。

プログレッシヴで素直にノレない要素があるとはいえ、楽曲には必要にして充分なフックがあり、エモーショナルなヴォーカルが歌うメロディもなかなか魅力的。少なくとも「プログレ」という言葉から想像されるような小難しさはなく、多くの人が楽しめるポテンシャルがある。

ドラムを除くフロントの5人が揃ってリズムに合わせて前後に身体を大きく揺らすステージ・アクションが印象的で、そのノリはメタルコアなど、NU METAL以降のアメリカのバンドらしいもの(つまり日本の伝統的なメタル・ファンには「何か違う」という印象を与えるもの)。

まだ日本ではなじみの薄いサウンドですが、本日は二番手にもかかわらずそれなりにアリーナ前方には人が集まっていましたし、盛り上がっているようでした。今後日本でも人気が出てくるかもしれません。


GLAMOUR OF THE KILL

イギリスのBULLET FOR MY VALENTINEフォロワー。実際の所はBFMVよりさらにキャッチーで、本人たち自身が「ポップ・メタル」と自己規定している。

アルバムの印象は「聴きやすいけど、可もなく不可もなし」という感じのものだったので、出演が決まった時点では期待していませんでしたが、先日BSフジの「伊藤政則のロックTV」で、クリエイティブマンの青木氏(このイベントのプロデューサー)が「ライブが良かった」と言っていたのでちょっとだけ期待して観ることにしました。

しかし、案の定というか、可もなく不可もなし…。特に何か問題があるわけでもないのですが、パフォーマンスの魅力がほぼ楽曲の出来に比例しており、ライブならではの特別な何かはあまり感じられない。

ちょっとしたサークル・ピットができるなど、そこそこ盛り上がってはいましたが、メンバーにWODをやれと言われて、左右に分かれたはいいものの、いざ実行したのは数えるほどの人たちだったあたり、やはりオーディエンスの掌握も中途半端だったということではないでしょうか…。


the GazzetE

単独で東京ドーム公演を行なったこともある人気V系バンドで、海外ツアーの経験もある彼らですが、本日に関しては盛り上がっているのはアリーナ前方ブロックのそのまた前半分くらい。あとは場内完全に「様子見」という感じでアウェー感は否めない。

最前の方にはいわゆる「バンギャ」と呼ばれるような熱心なファンが集中しており、「黄色い声」による歓声が上がっていたのはこのときだけなのではないでしょうか(笑)。

MCでは自ら場違いであることを認めつつ、「自分たちもメタルが好きなんで出演しました」という嘘とも真ともつかぬことを言って好感度アップに努めて(?)いました。

とはいえ、彼らの今日のセットリストが「いつも通り」なのか「メタル仕様」なのかは私にはわかりませんが、ライブ・パフォーマンスや自体はV系の王道をゆく、その筋では堂々としたもので、その辺はやはり人気バンドだな、と。

気になるのはバンギャの子たちがそのまま会場にとどまったのか、彼らの出番が終わると速攻で会場を後にしたのか、ということですね(笑)。


BELPHEGOR

オーストリア出身のブラック/デス・メタル・バンド。楽曲スタイル自身はブラック・メタル寄りながら、ヴォーカル・スタイルはデス・メタルのそれ、という感じ。

結成は91年というだけにかなり年季が入っており、禍々しいメイクともあいまって、邪悪なオーラがプンプンしている。

個人的にはアルコールが入った状態(もちろん今日も飲んでますとも、ええ)でメロディの乏しいエクストリームなサウンドを聴くと眠気を催してしまうのですが、本日もその例に漏れず、途中15分ほど寝落ち…。

起きていた時間の印象で言うと、かなり本格派の、プレイもカッチリしたストイックなブラック/デス・メタルで、およそ秋晴れの昼下がりには相応しからぬ轟音だったということですね(笑)。


THUNDER

当初はBELPHEGORの激烈サウンドの後にTHUNDERなんて、刺激が足りな過ぎて眠くなっちゃうんじゃないの? などとナメていましたが、ここに全力でお詫び申し上げます。

開演前の定番SE、AC/DCの「Thunderstruck」の時点でBIG ROCK STAGE側に集まったオーディエンスからは「Thunder!」の力強い掛け声が。

そして登場してきたメンバーたちがいきなりの代表曲、「Dirty Love」をプレイし始めると、一瞬にして会場の空気が「THUNDERモード」にリセットされました。

上手い。いや、巧いというべきか。バンドとしてのグルーヴが素晴らしく、噂通りダニー・ボウズの歌唱は絶品のひと言。こんな風に歌えたら気持ちいいでしょうねえ。

見た目は完全に「日本観光に来た外人のオジサン」でしかないですが、軽やかにステップを踏みながらソウルフル極まりない歌声を聴かせ、巧みにオーディエンスを煽るその手腕はもはや職人芸。

ダニー以外のメンバーの演奏もブリティッシュ・ロックの伝統を体現する…なんてつい伊藤政則氏風の形容をしてしまいたくなるような巧さと味わいがあり、聴いているだけで自然とリズムをとりたくなる。

いや、解散後もちょくちょく来日していたので、「ライブが良いとはBURRN!誌にもさんざん書いてあるけど、今どき彼らにそんなに需要があるの?」などと思っていましたが、本日納得しましたね。このライブなら何度でも観たくなるでしょう。「ロックとは何か」を教えられるような素晴らしいパフォーマンスでした。


THE HAUNTED

大幅なメンバー・チェンジを経て発表された最新8thアルバムが好評を博しているスウェーデン出身のメロディック・デス・メタル/デスラッシュ・バンド。

「きっとサークル・ピット大会になるんだろうな…」と思っていたら案の定、ショウがスタートする前からサークル・ピットが発生する勢い。

ただでさえ恐ろしげなスキンヘッドの巨漢ヴォーカリストが、マイクに頭をぶつけて額から流血しており、さらに恐ろしげに(手当してやれよ)。

途中、ヴォーカルのマイクの音が出なくなるトラブルがありつつも終始盛り上がっていましたが、Voが「最後の曲だ」と言ってから他のメンバーがゴニョゴニョ耳打ちし、「あと2曲!」と言い直し、公式サイトに上がっているセットリストに載っていない曲(「Trend Killer」)をプレイしたあたり、速くプレイし過ぎたのでしょうか(笑)。


RIOT

私はかつてRIOTのライブを2度ほど観たことがあり、そのときの印象は「曲がいいので楽しめるが、パフォーマンスはあまりプロフェッショナルではない」というものでした。

そのため、THE HAUNTEDのような強力なバンドの後だと霞んでしまうのでは…と、かつてAS I LAY DYINGの後にプレイしたNOCTURNAL RITESがすっかり霞んでしまった例を同じLOUD PARKで目撃しているだけに、ちょっと危惧していました。

まして、今回他界したマーク・リアリ(G)はもちろん、前回のライブの際にいたトニー・ムーア(Vo)もボビー・ジャーゾンベク(Dr)もいない。あれからさらにパワーダウンしていたら完全にアマチュア・バンドなのではないか…。

だが、それは杞憂でした。新たに補充されたヴォーカル、ギター、ドラマーはいずれも充分なスキルの持ち主で、抜けたメンバーの穴を完全に埋めている。

またさらに、新メンバーの知り合いか彼女か親戚か何かなのか、ROYAL HUNTよろしく金髪の女性コーラスが一人帯同しておりヴォーカル・ラインをサポートしている。

しかし、新ヴォーカリストはそんなコーラス・サポートなど不要なのではないかと思わせるほどの逸材で、あの恐ろしく高いトニー・ムーアのヴォーカル・ラインすら易々と歌いこなしている(ルックスは悪くないものの華に欠け、ちょっとALTER BRIDGEのマイルズ・ケネディを思い出しました…)。

クラシックである「Fire Down Under」でスタートし、トニー・ムーア在籍時の曲を中心にしつつも、「Angel Eyes」など、マイク・ディメオ在籍時の曲も取り上げていたのが意外でした。個人的には「Nightbreaker」をやってほしかったですが。

非常にタイトにプレイされるそれらの楽曲を聴いていて思ったのは、私が見たRIOTのパフォーマンスが弱かったのは、残念ながら既に病魔に冒されて充分な練習ができなくなっていたマーク・リアリに周りのメンバー(特に相方のマイク・フリンツ)が合わせていたからだったのかもな…ということでした。

まさかの輝きを見せるRIOTの演奏にはそれだけでグッと来るものがあったのですが、「日本のファンに捧げる歌だ」と紹介された新作からの曲、「Land Of Rising Sun」がプレイされると、その歌詞と曲調によって思わずウルっと来てしまいました。年を取ると涙腺が脆くなりますね。

クライマックスの「Warrior」から「Thundersteel」の流れはもう泣きながら渾身のヘドバン&声を枯らしてのサビ合唱ですよ。たまりませんでしたね。陳腐な言い草ですが、感動のライブでした。

そして泣きながら横を見ると、反対側のULTIMATE STAGE前で「DEATH ANGEL待ち」をしていた人たちが「Thundersteel」に合わせてサークル・ピットを作っていたのが見えました。反対側のアリーナにピットが発生したのを見たのは初めてかも。

ライブ開始前にはマーク・リアリの写真が次々と大型ビジョンに映し出され、ドラムキットの前にはマークのものと思しきギター・ケースが置いてあったりしたのですが、ステージが始まるとそれらに触れることもなく、お涙頂戴トークなどもなかったのがかえって好印象でした。


DEATH ANGEL

1987年に平均年齢17歳でデビューしたサンフランシスコ出身のスラッシュ・メタル・バンド。

BURRN!誌でもしばしば「名盤」として取り上げられていた1st「THE ULTRA-VIOLENCE」と3rd「ACT III」は聴いたことがあったものの、2001年に再結成した後のアルバムやライブには一切触れておらず、正直ノーマークでした。

特に前のRIOTの素晴らしさにちょっと放心状態になっていた所に、インターバル短めで始まったので最初のうちは彼らの音楽は耳を右から左へ抜けていくような有様でしたが、すぐにそのテンションの高いキレキレのスラッシュ・サウンドに「おっ?これはカッコいいのでは?」とステージに意識を引き戻されました。

アグレッシヴなスラッシュ・サウンドでありながら、ちゃんと表情と起伏のある楽曲/演奏にはHR/HMに対する確かな素養が感じられ、それがサウンドをよりダイナミックかつ熱情的なものにしている。

ヴォーカリストのステージングや煽りも非常にカッコよくキマっていて、メタル・バンドのフロントマンかくあるべし、と思わず唸りましたね。

もちろんアリーナは大盛り上がり。終始2つの大きなサークル・ピットがTHE HAUNTEDに引き続き二層式洗濯機のごとく回転を続けていました。

終盤で「荒城の月」をプレイしていたのはSCORPIONSの影響? これは来日したときには毎回やっていたりするのでしょうか? 


WITHIN TEMPTATION

個人的には本日一番期待していたオランダの大人気シンフォニック・メタル・バンド。何しろ直近2作が凄く良かったですからね。

ショウはターヤ(元NIGHTWISH)とのデュエットで話題になった「Paradise」でスタート。ターヤのパートが単なる同期音源だったのはやや興ざめでしたが、やはり抜群に曲がいい。

というか「Paradise」に限らず、ゲスト・シンガーを迎えている曲では基本的にゲスト・シンガーのパートは同期音源だったわけですが、その間シャロン・デン・アデル(Vo)がかわいらしく踊って(?)くれるので全て許します。

というかシャロンももう40歳で、しかも3児の母なのに相変わらず美しい。本日の白いドレス姿も素敵でございました。

繰り返しになりますが、とにかく楽曲のクオリティが高い。オランダという北欧やドイツと違って必ずしもメタルの人気が高いとは言えない国でトップ・バンドでいるというのは伊達ではなく、もはやメタルやロックというカテゴリーを超越したポップ・ミュージックとして比類なき完成度を誇っていると言っていい。

そういう意味ではバックのミュージシャンたちの演奏やパフォーマンスに主張が強くないこともあって、バンドである必然性もないような気がしてしまうのもまた事実ですが…。

楽曲が良く、シャロンのパフォーマンスも魅力的だったので期待通り楽しめたわけですが、唯一の誤算は私のフェイバリット・チューンである「Sinead」がアコースティック・バージョンで演奏されてしまったことですね(苦笑)。まあ、それもスペシャルだし悪くはなかったのですが…。


KREATOR

かつて80年代に日本ではSODOM、DESTRUCTIONと共に「ジャーマン・スラッシュ三羽烏」などとやや恥ずかしい名前で呼ばれていたバンドのひとつ。

その後SODOMやDESTRUCTIONに頭ひとつ、いや身体ひとつ抜け出る成功を収めた今となっては、名実ともにジャーマン・スラッシュ・メタルの帝王と呼ぶに相応しい。

最新作「PHANTOM ANTICHRIST」が素晴らしい出来だったので、個人的にも期待していましたし、ULTIMATE STAGEの前で開演前からピットを作ってスタンバっていた人たちはなおのことでしょう。

しかし、オープニングを飾るのは高速スラッシュ・チューンではなく、むしろこのバンドの楽曲の中ではミドルテンポに属する「Violent Revolution」で、サークル・ピットの皆さんたちは拍子抜けしたのか不完全燃焼に。

その後も、随時サークル・ピットが発生するものの、あまり長続きせず失速すること数回。

その原因は、現リード・ギタリストであるサミ・ウリ・シルニヨ加入後、ドラマティックな泣きのパートが楽曲に導入されるようになり、その要素は私にとっては非常に魅力的である一方、高速スラッシュ・ビートで大運動会をしたい人たちにとってはむしろ邪魔になるものだったということなのではないでしょうか。

しかし、やはり歴戦のカリスマ、ミレ・ペトロッツァ(Vo, G)は凄かった。もはや単なる煽りを超えたアジテーションと呼ぶべきMCによってオーディエンスの士気を高揚させ、アリーナに狂乱を生む。

「音楽が俺たちをひとつにしてくれる。宗教や政治なんてクソくらえだ」なんてベタながらもカッコいいセリフを、日本人にもわかりやすいようにゆっくりはっきり喋ってくれるあたり、カリスマは意外と気配り上手(笑)。

常に2つに分かれて行なわれているサークル・ピットに対して、ひとつになって巨大なサークル・ピットになれ、という呼びかけは、その呼びかけの直後には実現しませんでしたが、最後の曲をプレイするにあたって「この会場をブッ壊すラスト・チャンスだ」という物騒なMCに続いて「Pleasure To Kill」がプレイされると、場内の熱狂は極限に達し、ついに2つのサークル・ピットがアメーバ状に結合、アリーナは完全なるカオスと化した。

その様子は往年のSLAYERのライブを彷彿させ、KREATORがSLAYERに匹敵する最強のスラッシュ・メタル・バンドのひとつであることを証明し、会場のボルテージが最高潮に達する瞬間を演出したと言えるでしょう。

個人的には、最近のセットリストには入っていなかった、彼らの楽曲で私が一番好きな「Victory Will Come」をプレイしてくれたのが嬉しかったですね。


DREAM THEATER

そして大トリ、DREAM THEATER。プログレッシヴ・メタルの王者であり、全米TOP10の常連となった今では文句なしにHR/HMのフィールドにおけるトップ・バンドのひとつと呼ぶに相応しく、フェスに出演するのであればトリのポジションに異を唱える人は少ないでしょう。

一方で、彼らの音楽がフェス向きなのか? ということについてはいささか疑問を抱く人もいたのではないかと思います。かつてSUMMER SONICで観るまでは私もそうでした。「鑑賞音楽なんじゃないの?」と。

しかし、彼らの音楽の持つ力は既にそんな次元の低い話を超越した所にあります。そこにあるのは「圧倒」だけ。

まずは映像から始まりました。彼らのアルバム・ジャケットのアートワークはどれもイマジネーションを刺激されるものですが、その歴代のアートワークが動きのついた映像として時系列に展開していく、ファンにとってはたまらないもの。

「METROPOLIS PT.2 : SCENES FROM A MEMORY」のアートワークのパートになった際に起こった歓声に、同作の人気の高さを感じさせられました。

そして、その映像が終わると、最新作からのリード・トラックである「The Enemy Inside」でショウがスタート。マイク・マンジーニのドラム・セットはさながら要塞のようで、バスドラが4つ付いている時点で既に意味がわからない。脚が4本あるのか。

非の打ち所のない演奏で「The Enemy Inside」が終了すると、続くは「AWAKE」からの「The Mirror」で、(アルバムを聴いている方であれば)当然ながら、「Lie」へとつながって行く。この時点で本日の選曲が「有名曲を並べたフェス向けセットリスト」ではないことがわかりました。

終わってみると全体的にはマイク・マンジーニ加入後の2作からの曲が多めで、このタイミングにおけるセットリストとしては不思議のないものでしたが、もっとベタな選曲を期待していた人たちにとっては「選曲が悪い」と感じられたかもしれません。

しかし、オリジナルの映像をバックに(その映像による演出は効いていることもあれば、それほどでもないこともありましたが)繰り広げられる、超絶技巧にして情感豊かな演奏には、まさにバンド名のごとく夢の劇場に連れて行かれるかのような異世界感があり、もはや選曲なんてどうでもいいんじゃないかとさえ感じさせられました。

もちろんフロアはリズムに合わせて腕を上げたり身体を揺らしたりとそれなりに盛り上がっているものの、先ほどのKREATORのような狂騒を見せているわけではない。当然モッシュピットもサークル・ピットもできていない。皆、見入っている。

しかし、走り回り、暴れるだけがメタルの楽しみ方ではない。DREAM THEATERのオーディエンスが静かだからといって、KREATORより盛り上がっていないというわけではないのだ。

まあ、回らないオーディエンスの代わりに(?)ジョーダン・ルーデスが可動式キーボードを押してしょっちゅうグルグル回っていましたけどね(笑)。

途中、二度ほど音が途切れるトラブルがあり、ジェイムズ・ラブリエ(Vo)も絶好調という感じではありませんでしたが、それでも彼らのステージの完成度は孤高であり、「アート」でした。

ハイライトはやはり「METROPOLIS PT.2 : SCENES FROM A MEMORY」からの「Overture 1928」~「Strange Déjà vu」の流れですかね。ラストの「Pull Me Under」はオマケというか、サービスみたいなものでしょう。形としてのアンコールはありませんでしたが、実質この「Pull Me Under」がアンコールみたいなものだった、と受け止めています。

正直な所、あまりに他のバンドと次元が違い過ぎて「LOUD PARK終了後にDREAM THEATERの公演があった」みたいな印象を受けてしまったことは否めませんが、「う~ん、やっぱ凄えな…」というのが基本的な感想ですね。まあ、彼らの場合アルバムを聴いても毎回そういう感想になるわけですが。


いや~、しかし今日の密度は濃かったですね。メンツ的には昨日より地味かな?という感じで、実際客入りも昨日より明らかに少なかったのですが、個人的にはこの2日目の方が「いいライブが多かった」という意味で充実していたと思います。というか、初回から皆勤していますが、ここまで満足度の高い日はほとんどなかったんじゃないですかね。

例年その日のベスト・アクトに関してはだいたい2つくらいの候補に絞れるのですが、本日に関してはTHUNDER、RIOT、DEATH ANGEL、WITHIN TEMPTATION、KREATOR、DREAM THEATER、どれも評価ポイントはそれぞれ異なるにせよベスト・アクトに選ばれておかしくないパフォーマンスだったと思います。

バンドのキャンセル騒ぎなどはありましたが、やはりこうして素晴らしいパフォーマンスを立て続けに観てしまうと「やっぱりメタル最高!」と心から思ってしまいますね。

来年は10周年。クリエイティブマンの仕切りに期待してはいけないとは思いつつ、やっぱり期待しています。
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

お疲れ様です
今年も楽しかったですね

個人的には一日目はBattle Beast
二日目はKreatorがベストアクトでした
もちろん管理人さんの言う通りベスト候補はたくさんありましたね。
管理人さん以上のレポートが書けるとは思えないので、思ったことを少しだけ。


Arionまだまだ未熟な面が多いですが、個人的にその殆どがボーカルにあると思っています。
かと言ってメンバーを変えろとまでは言いませんが、あのままでは今のポジションを変えることはできなそうですね。
せめてルックスだけでも.......(笑)
とはいえArion終演後は場内をフラついていて、少し離れてもどかしくしてるシャイなファン(と思われる人)に自分から話しかけたりしていて何だかホッコリしました(ほとんど人は集まっていませんでしたが)
20代前半の自分にとって「初来日から知っているバンド」何てものは今まで存在した事がなく、すごく親近感が湧きます。
アルバムで聞く分にはとても良いバンドなのでこれからも応援していきたいと思います。



MCのブーさんは笑わそうとして盛大にすべり、場を白けさせる事が多々あったので普通にMC業務をこなす程度でいいのではと思います。
その点サシャは盛り上げ上手というか、少なくとも批判的になる人はいないだろうなという風に見えたので
ブーさんには見習って欲しいです。


楽しかったです

adoreさんお疲れ様でした。
今年は、初参加だった去年の失敗(初日しか参加しませんでした)は繰り返さないぞ!
・・・ということで、二日間とも参戦して参りました。

初日は交通手段の関係で仮面女子には間に合わず、BATTLE BEASTの途中で(楽々)入場。会場から力強い女性ヴォーカルが聞えてきましたが、一旦ホテルに荷物置きに行くことにして観ること能わず。後の様々な方々のコメントなどをチェックすると、とてもBB良かったそうなのでちょっとショック。会場の中に入って少しだけでも観ればよかったOTZ
でも他の出演者はDOWN(休憩中)以外全部観れたのでとりあえずOK。VANDENBERG・・・やLOUDNESS、AMARANTHE、DRAGONFORCE、ARCH ENEMY辺りを楽しみにしていたんですが、RAGEが思いの外・・・というよりは想像の域を超えたプレイでビックリ!adoreアーカイブからの知識もアルツな私の頭にはあまり役に立たず、曲が分かったのが「Don't Fear The Winter」のみという有り様ながら、安定した演奏にしっかりしたヴォーカル、そしてギターの人の超絶プレイに酔いしれました(こんな凄いギタープレイヤーいたんですね)。
PAの立ち上がりはどのバンドもイマイチでしたが、大体において徐々にバランスを取っていく感じで、全体的には去年よりは音響スタッフ頑張ってるかなと思いました。よく知らないのですが、出演者ごとに専属のPAさんいらっしゃるんですかね?もっと最初からビシっとキマればかっこ良いのに。(二日目のWITHINだったかの下手のギターの人なんて最初の一小節音出てなくて急激にフェイダー上げてるじゃん(笑))
LOUDNESSは最前列近くでもみくちゃで観てましたがサウンド良かったです。でもAMARANTHEはエリゼ見たさのミーハー心丸出しでLOUDNESSとほぼ同じ2列目で観てましたが、その下心がいけなかったのか、あんまり音響よろしくないなと感じました。まあ聞く位置によって全然音が違うのはごく当たり前のことなので仕方ないのかな。でももう少し迫力ほしいなぁ。ライブの流れも途切れ途切れで緊迫感にやや欠けてるような気がしました。二日目のWITHIN TENPTATIONもそうでしたが、同期でSEやシンセ等を多用するバンドは音響バランスとるのが難しいのかもしれませんね。ヴォーカルの声量なんかも関係あるだろうし。お姉ちゃんにつられて前に出ないよう注意しなければならないというのは今回のラウパでの一つの収穫でしたね(笑)
ARCH ENEMYもアリッサ見たさに前に行こうとしたんですが(またですか?)、思うような位置をとれず、1曲目から始まった激しいモッシュに巻き込まれ、完全に翻弄されました。ホントあと1分でオレまじ死ぬ!!と思った瞬間目の前にサークルピットが発生。やっとの思いで圧死から逃れた私はその後ピットが出来るのを見計らって走り回って楽しんでました。これは面白い。エクストリーム系のバンドの時は中途半端に前にいこうとせず、ピットの出来そうなところの手前で待機すべし、というのが今回のラウパでも二つ目の収穫です。あとは若者たちに跳ね返されない屈強な体を作っておくのも大事ですね(笑)特に簡単に転ばない足腰。クリーントーンアルペジオで始まるギターソロ途中で入ってくる曲は上手のギターはトラブルだったんですかね?ベース音2つ3つ鳴らして後ろ下がっていったからどこか調子悪かったように見えました。
てなわけで膝ガクガク状態で初日終了。私的なベストアクトは・・・LOUDNESS、RAGE、ARCH ENEMY。いろいろ加味すると甲乙つけがたいです。

二日目はARION途中から参戦。とにかく折角遠いところから来ているので出来るだけ沢山のバンドを楽しみたい。とは思うものの物販も行きたいしメシも食いたいしビールも飲みたいので、一部数曲単位で聴けなかったバンドもありましたが、この日はほぼ制覇。この日は全部良かったんじゃないですか。ARIONもヴォーカルが初々しくて、演奏も他のバンドのような強力なオーラがまだ感じられなかったんですが、曲もいい感じだったので結構好きかも、って思いました。PERIPHERYとGOTKもお初でしたがかなり楽しめました。私もGOTKのWOD煽りについ乗ってしまった一人です、ゴメンナサイ(汗)。その2バンドすごく気に入りました。
the GazettEは音だけ聞けば普通にメタル。BELPHEGORも禍々しさ振りまいていて去年のBEHEMOTH思い出しました。
ここまでは昨日同様1曲目ないし2曲目でPA調整効いてきてその後ほぼ安定した印象。私のように耳や目だけでなく五感でライブ楽しみたい人にも十分な音圧きてたと思います。この音圧維持しながらVoやGtなどの上物をコントロールするの大変やろうなぁと思いつつ、全く期待してなかったTHUNDER。AC/DCの「Thunderstruck]で思ず振り返り(勿論苦笑いながら・・・)その後はじっと聴き入りました。いやいや素晴らしい。1曲も知りませんでしたが素晴らしかった。HRHM、深いぞ。
でスラッシャー用Ultimate Stage、通常メタル用Big Rock Stageという仕様。もうどっちに行っていいかわかりません。The Hauntedは途中ワイルドターキー?(鳥類の手羽元肉の燻製みたいなの。旨かった)にビールでエネルギー補給してからサークルで走る。速いよ!RIOTに涙して、DEATH ANGELの「Seemingly Endless Time」に涙して、WITHINのシャロン姐さんに山のように聳え立つお兄ちゃんの合間にチラ見で萌え、KREATERで二回ほどコケて膝とお尻をしこたま床に打ちつけ、DREAM THEATERに圧倒され、「Pull Me Under」の余韻に酔いしれました。DTの途中2回音が途切れたのはブレイクじゃなくてトラブルだったんですか?曲知らないものでてっきりそういう演奏の演出だと思っていました。音が途切れるといえばUltimate側のThe HauntedのヴォーカルとKREATERのギターヴォーカルの人のギターも途切れてましたね。WITNINは、やはりシャロン見たさに前の方に行ったのですが(懲りない面々)目の前にデカイのがいてあんまりシャロンさん見えないし、音もドラムとギターの音がモコモコしていて、せっかくの良い曲の数々が台無しになっていました。興ざめだったので終わり近くに後方へ行きKREATERに備えようとしたら、全然音像バッチリじゃん(怒)。音を聴かせる・曲を聴かせるバンドの時はたとえ綺麗なネエちゃんがVoでも前に行っちゃダメ、ゼッタイ。DTはリバーブだかディレイだかかけ過ぎなのか・・・。ライブの場合音圧は絶対必要だけどもう少し音像はっきりした方がみんな楽しめるんじゃないかな。
とはいえ、この二日目はホント良かった。大満足です。おしなべてどのバンドも良かったんですが、いくつか挙げるとGOTK、THUNDER、THE HAUNTED、RIOT、DEATH ANGEL、KREATER、DREAM THEATER(ほとんどじゃんw)でしょうか。やはりその中でも私はRIOTですね。新しいVoの強力なハイトーンに素敵なツインギターもさることながら、「Warrior」→「Thundesteel」でもう決まりです。マジ感動。

というわけで沢山の収穫を得てラウパ終了。足腰鍛えてまた来年。皆さんお疲れ様でした。

あ、SOILWORKのこと忘れてたw

ずっとBig Rockの方にいたのでよく分からなかったですが、音はデカくて騒ぐのに良いのかなと思ってました。

自分は2010の2日目から参加していますが、今年の2日目は自分の参加した5年間ではトータルで間違いなく1番充実していたと思います。

まず、ULTIMATE STAGEとBIG ROCK STAGEのバンドの割り振りがよかったですね!
ULTIMATEのエクストリーム祭り、BIG ROCKのしっかり聴きたいタイプのバンド達、しっかり棲み分けできていたので前方エリアで楽しみたい人には優しい設計でした。

自分はthe GazzetEの後半ぐらいからBIG ROCKの最前列に潜り込んで、WITHIN TEMPTATIONとDREAM THEATERは最前列で楽しめました。
足腰へのダメージは結構深刻でしたが・・・(笑)

ベストアクトは決められないぐらいですね~。強いて選ぶならWITHIN TEMPTATION(ファンだから)ですかね。
ULTIMATEのエクストリーム祭りも、反対側から見ていても熱気が半端じゃなかったです。どのバンドも魅力的でした。

トリのDREAM THEATERは別格でしたね。さすがです。
とりあえず、ジョーダンが妙にお茶目でしたね(笑)

そして皆が触れているArionのボーカルは、たしかにかなりダサかったですね(笑)
曲と声は結構好みです。何だか少し応援していきたい気持ちになりました。

クリエイティブマンに言いたい事は色々ありますが、今年はかなり満足です。来年も頑張って欲しい!

何だか長文になってしまいましたね・・・。でも、それぐらい楽しかったですね!
また来年も楽しみましょう!

二日間のラウドパーク参戦、本当にお疲れ様でした。
大変、興味深いライヴ・レポートを書いて頂き、有難うございます。
読んでいて、とても面白かったですよ。
二日間の熱気が、こちらにも伝わってくる様な感じがしました。

ミレ

2日目だけ参加しました

いやぁ凄かった
何がってミレペトロッツァの貫録

thrash dominationでもそうでしたが場の空気を変える男ですよね
ここ数作のドラマティックな要素も非常に良いですがやはりkreatorはミレあってこそだなぁと思いました

the hauntedはヴォーカルがマルコになったことでドルヴィングの時の曲はやらずにちょっと単調なliveになることを危惧していましたが杞憂でしたね

こんなオイラですがthunderは素直に楽しめた!
within temptaionは知ってる曲は少なかったですが鳥肌ものでした

次回はぜひdarkane,hatesphere,the crownあたりの実力者も呼んで欲しいなぁと思いました

まとめてお返事

>エメッソンさん
BATTLE BEASTもKREATORも素晴らしかったですね。
デビュー当時から知っている年齢の近いバンド、というのは親近感というか、一種の思い入れが持てる存在ですね。

DJ BOO氏はたしかにちょっとスベり気味でしたね…。
こういうのはあまり狙わないほうがいいですね。


>Zeppさん
こんなコメント欄に渾身のレポをありがとうございます(笑)。
WODやサークル・ピットにも参加したんですか!私より年上なのにすごいですね。私はいつも逃げ回っています(笑)。

RAGEのヴィクター・スモールスキは欧州メタルを代表するテクニシャンでしょうね。
圧巻のギター・プレイでした。

音は全体的に良くなかったですが、おっしゃる通り、PAブースより後ろの方で聴いた方が聴きやすいサウンドになっていたと思います。

特に2日目は良いパフォーマンスが多かったですが、RIOTの「Warrior」→「Thundesteel」がベストだというご意見はとてもよくわかります。


>Kimさん
たしかに今回の2日目はステージの色がはっきり分かれていて、楽しみやすかったですね。
バンドのパフォーマンスも本当に充実したものが多かったと思います。

the GazzetEの後半ぐらいからDREAM THEATERまで最前列って、その間トイレとか行かなかったんですか? 凄いですね…。

来年も楽しみですね。


>ランディさん
私の文章はあまり熱気をビビッドに伝えるタイプのものではないと思いますが、楽しんでいただけたとしたら幸いです。
実際に参加されていたら、開催前のゴタゴタなんてどうでもよくなるほど楽しめたと思いますよ。


>hateworkさん
ミレ・ペトロッツァはカッコ良かったですねえ。
BIG4にも劣らぬカリスマを感じました。

THUNDERは、私も油断していましたがすごく良かったですね。
オッサンの凄みを感じさせられました。

WITHIN TEMPTATIONの歌モノとしての魅力も際立っていたと思います。

こうなると今度はあのバンドを…という願望は尽きませんね。
それだけメタル・シーンの層が厚いということで、素晴らしいことだと思います。

LOUD PARK14のレポートありがとうございます
楽しく読ませてもらいました 
感謝します

loud parkいいですねえ
いつかは(無くならないうちに)行ってってみたいです

そういえばadoreさんは普段ライブでは耳栓をしてるそうですがどういった耳栓をされていますか?やはりライブ用の耳栓ですかね?

そういえば来月のKnotfestは行くんですか?

まとめてお返事

全員名無しコメントだと誰に対するお返事かわかりにくいですが(笑)、時系列です。

>名も無きメタラーさん
こちらこそ読んでいただき、しかも楽しんでいただけたというコメントまでいただいて感謝です。


>名も無きメタラーさん
ライブ用の耳栓を買ったこともありますが、こういうフェスだとバンドによって取ったり付けたりしているうちに無くすことも多いので(そのライブ用の耳栓も無くしました)、今はドラッグストアで売ってる普通の耳栓をしていますね。


>名も無きメタラーさん
2日目だけ行こうと思っていたのですが、忙しさにかまけているうちにチケットがソールドアウトしてしまったので、オクで落としてまで行くかどうかはちょっと悩み中です…。