SERAPHIM / RISING (六翼天使 / 日出東方)

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日本デビュー作となった前作「AI」リリース後、サウンドホリックとキングレコードの合同企画として行われた「METAL KINGDOM」というイベントで来日公演を行った台湾のメロディック・パワー・メタル・バンド六翼天使(欧米表記「SERAPHIM」)の、約5年ぶりとなる通算4枚目のアルバム。

5年という長いブランクの間に、中心人物であるケーザー・シュー(G, Vo)以外のメンバーは全て交替している。
私が聴いたのは英語で歌われている国内盤だが、中国語で歌われている盤も輸入盤では存在するようだ。

メインVoを務めるクイン・ウェング嬢の歌唱スタイルがオペラティックなので、どうしてもターヤ在籍時のNIGHTWISHと比較してしまうが、楽曲の方向性としてはもう少しストレートなメロディック・パワー・メタルに近く、Keyによるオケヒットの多用もあって、むしろエリザ・マルティン在籍時のDARK MOORに近い感触がある。

アレンジ程度ではあるが、所々で東洋的なメロディが顔を出すのが、欧米の同系統のバンドとの差別化につながっており、おそらく欧米人のエキゾチシズムを刺激することだろう。

また、随所でデス/ブラック・メタル的なアレンジを大胆に取り入れるなど、ひとつのスタイルにこだわらず欧米のバンドのおいしい所を節操無く取り入れている辺りは日本のバンドにも通じるものがある。

ただ、これもNIGHTWISHを意識しているのか、随所でケーザーによる男声Voが入ってくるのだが、これがいかにもアジア人という感じのちょっと貧弱なもので、作品のクオリティを下げている感がある。

ついでに言うと、クイン嬢のオペラティックVoも正直ターヤとは比較にならない裏声ぎみの弱々しいもので、満足がいくものとは言い難い(とはいえ、前任者よりはナンボかマシ)。

Voの弱さまで日本のバンドと通じなくてもいいのだが…(苦笑)。

とはいえ随所に魅力的なメロディや展開が登場し、疾走パートが多いことも助けになり、約73分とやや冗長な作品ながら、とりあえず飽きることなく最後まで聴き通すことができた。

もうちょっと楽曲は整理してシェイプアップしたほうがいいような気がするし、音質も、わざわざフィンランドのFINNVOXスタジオでミキシング&マスタリングした割にはイマイチ(たぶんギターのサウンドを歪ませすぎているんだと思う)な気がするが、現状でもヨーロッパのB級バンドに勝るとも劣らないクオリティを有しており、日本の同系バンドでこのレベルに達しているものは少ないと思う。

同じアジアの同胞として、今後の活躍に対する期待も込めて、点数はちょっと甘めに。【81点】
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