AMARANTHE / MASSIVE ADDICTIVE

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「MASSIVE ADDICTIVE」というタイトルを最初に目にしたとき、このバンドの音楽にピッタリだな、と思った。「ガッツリ中毒性あり」。まさにヘヴィかつキャッチーであり、ダンサブルな要素さえあるフィジカルに訴えてくる彼らのサウンドに相応しいタイトルだ。

しかし、グロウル・ヴォーカルの担当をアンディことアンドレアス・ソルヴェストロームから元SCARPOINTのヘンリック・エンゲルンドに交代させてリリースされた本作は音楽的にはこれまでの2作とはいささか趣を異にする作品になっている。

いや、ヘヴィでキャッチー、かつダンサブルというコンセプトに変化はない。ただ、その「キャッチーさ」という概念の幅が広がっている。これまで彼らの音楽におけるキャッチーさというのはほぼ「メロディの良さ」とイコールだったが、本作で演出されるキャッチーさというのはもっとリズム・コンシャスでモダンな、誤解を恐れずにいえば英米のメインストリームなポップ・ミュージックに通じる要素が導入されている。

『BURRN!』誌のインタビューによると、メイン・ソングライターであるオロフ(G)は本作を制作するにあたってTOP100などのチャートものを聴き込み、もっとモダンなものを作るべきだ、と意識して臨んだのだという。

そのアプローチの成果はアルバムのオープニングを飾る「Dynamite」から明らかで、シングルとなった「Drop Dead Cynical」、タイトル曲など、アルバムのキーとなる楽曲で特に顕著である。

彼らの特徴であったエレクトロでダンサブルな要素も、これまでは単純にEDMのエッセンスを加えました、という感じだったのに対し、上記の楽曲にはダブステップなど、より先鋭的なサウンドのエッセンスが導入されている。

メロディアスな歌メロのフィーチュア度がやや減退し、全体的に楽曲のスピード感が落ちてヘヴィさが増したため、個人的には日本のメロディック・メタル・ファンにとってはやや「わかりやすさ」が減じたのではないかという気もするが、一方で個人的に前作・前々作に感じていた「軽薄さ」もあまり感じられなくなっており、しばらく聴き込むとこれはこれで悪くない。

まあ、個人的には#5「Digital World」や#10「Skyline」に代表される、前作までの路線を踏襲したアッパーな楽曲の方が好みであるのもまた事実ですけどね。

この路線変更(というか拡大)の狙いはより幅広いオーディエンスの獲得と思われるが、果たして彼らがその器なのか、バンドの真価が問われる新境地。本人たち曰く「AMARANTHE 2.0」とのことですが、「2.0」を謳ってスベったものはいっぱいありますからね。【83点】

◆本作収録「Drop Dead Cynical」のPV



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コメント

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ジェイク・Eの声良いですね。新メンバーのヘンリックのグロウルも今作にはあっていると思います。
デラックスエディションのDVDはショボイですね(笑)。ACCEPTの「Blind Rage」を見習ってほしかったです(笑)。

>名も無きメタラーさん

ジェイクの声は幅広いリスナーに受け入れられる可能性のあるポピュラリティのある声ですね。

本作のDVDは何度も観る人は少なそうですね(苦笑)。
ACCEPTの「BLIND RAGE」のDVDは単体の商品として販売されてもおかしくないクオリティでした。

AMARANTHE

本作のビデオを何度も観る人、それはわたくしです(笑)。
個人的にはこれはこれで良いと思いましたね。
前作までとは違っていよいよ真価が問われる時が来た感じですかね。
以前の作品よりはむしろ気に入ってますよ。

>ストラディキャスターさん

おっと失礼しました(笑)。自分が二度は観ないな、と思ってしまったのでつい。

以前の方が好きか、今回の方が好きか、割と分かれる作風ですね、本作は。